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譜面の「癖」ぜんぶ抜く ~時間に頼らず癖を抜こう~

こんにちは、シレスティと申します。
弘前大学の音ゲーサークル、N.B.SQUADでは部長を務めています。えっへん。

そしてnoteでは、何のためにもならない記事を書いています。ごめん。


……ただ、実を言うと現在の私は卒業論文の執筆に追われていて、正直記事を書いている場合ではないのです。

なんで卒論を中断してまで記事を書いているかと言うと…





これがN.B.SQUAD Advent Calendarの14日目の記事だからです。

流石にサークルの部長ともあろうものがアドカレをすっぽかして卒論を執筆しているわけにはいきません。
息抜きがてら、今年も記事を執筆していきたいと思います。

ところで、昨日のアドカレ記事はこちらになります。

茹でないそうめんという新ジャンルを開拓した斬新な記事です。

実家暮らしなので分からないのですが、冷蔵庫の中身ってこんなに寂しくなったりするものなのでしょうか。

かくいう私も来年は実家を離れて一人暮らしを開始するため、性格上半ばズボラ飯委員会への加入が確定しています。

皆さんもこの記事を参考に至高のズボラ飯を作り、委員長と一緒に腸内フローラを全滅させましょうね

音ゲーの譜面と「癖」

さて、本題です。

音ゲーマーの皆さん、に悩まされたことってありませんか?

テレテレテッテ

恐らく、大半の音ゲーマーはに悩まされたことがあると思います。私ももちろんあります。

念のため説明しておくと、音ゲーにおけるとは、同じ曲の同じ譜面を何度もプレイすることで発生する現象のことです。

今までは難なく捌くことが出来ていた配置が、あるとき突然、なぜかうまく捌けなくなる……

そこで慎重に譜面を確認して、落ち着いて処理しようとしても指が勝手に間違った動きを繰り返してしまう……

そうして変に意識することでどんどん苦手意識が上塗りされて、より一層譜面が捌けなくなる……

そんな現象を、音ゲーマーたちは「譜面に癖がつく」と呼んでいるのです。

これは余談ですが、曲のメロディや歌詞を別の何かに空耳してしまい、もうそれにしか聞こえなくなってしまう、といった現象についても「癖がつく」と呼ばれることがありますね。

有名なものだと、beatmania iidxのSecond Heavenという楽曲の「3倍アイスクリィィィィム!!!」(0:45くらい)や、

同機種、The Dirty of Loudnessの「タピオカウメェス…」(0:24など)、

そこそこ最近だとChunithmの楽曲『祈』より、「アホ死ね」(0:06くらい)などでしょうか。

また、非音ゲー曲も含めるなら、この曲の「にゅーくれらっぷ」とか。
懐かしすぎて涙が……。

え?今ので癖がついたって?

ご愁傷様です。

さて、譜面に癖がつくのが怖いなら、同じ譜面を何度もプレイしなければいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、そうはいきません。
スコアを詰めたり、曲が好きだったりといった理由から、音ゲーマーは往々にして同じ曲を連奏するものなんです。

例えば、現在我々のサークルでは紅白戦が行われています。

すごく大雑把に説明すると、これは自分の得意な曲をお互いに投げ合って勝敗を決めるというイベントです。

参加者の中には、自分の得意な曲で相手に勝つため、本番までに同じ曲を何度も練習する人もいます。

これも、音ゲーマーが同じ曲を連奏する場合の一つの例と言えるでしょう。

ただ、こういった例から考えても、癖の影響は深刻です。
その曲が上手くなりたくてプレイしているのに、反対に下手になってしまうリスクがあるということです。
音ゲーマーが抱える永遠のジレンマです。

しかも、譜面に癖がついてしまった場合、その解決法は癖が抜けるまでその曲をしばらく触らないことくらいしかありません。

つまり、時間が解決してくれるのを待つしかないという事です。

自分の好きな曲や、スコアを詰めたいと思っている曲が癖によってまともにプレイできなくなる期間があるのは辛いですよね。
ですから、もしも時間をかけずに譜面についた癖を抜く方法があるとするのなら、それに越したことはありません。

そこで、本記事では「時間が解決してくれるよりも先に、音ゲーの癖を抜く方法」を模索していきたいと思います。


科学の力に頼る

譜面に癖がついてしまうのは、「譜面を覚えてしまっている」ことが原因です。

癖が時間を置くことで抜けるというのも、譜面への記憶が薄れることに起因するものだと考えられるでしょう。

ですから、癖を抜くためには何らかの方法で人間の「記憶」にアプローチする……つまり、譜面に関する情報をある程度忘れさせる必要があるのです。

そういった方法で一番に思いつくのは頭を強打することでしょうが、普通に痛いのでこれはやめておきましょう。

次に思いついたのは……薬を飲むことです。

そう、お薬です。

ジェルばんは!

アニメや漫画の世界では、薬を飲ませて起きたことを忘れさせる、なんて描写がたまに見られます。

現実世界にも同じような効能のお薬があるのだとすれば、痛い思いをしなくても譜面の癖を抜くことができるかもしれません。

善は急げということで、さっそく薬学生のお友達(とんえぼ所属)に質問してみることにしました。

すると、夜遅くなのに早速返信が。
なんと、記憶に作用するお薬は実在するようです。

まさか実在するとは思っていなかったので、詳しく話を聞いてみました。
その内容をまとめると、

・トリアゾラムという睡眠薬が有名
・記憶障害は副作用
・勉強する前に飲んだらその内容も忘れる
・副作用目的で飲んでも倫理的な問題は無い
1錠あたり6円

とのこと。

お薬なので、副作用目的で服用するのは倫理的にヤバいんじゃないかと思っていたので、一安心。しかも、お値段も1錠あたり6円!
コストパフォーマンスも良好です。

これを試さない手はありません。
早速最寄りのドラッグストアに行って購入を……



――と思ったのですが、お話には続きがありました。

・トリアゾラムはOTCではない(=市販はされてない)
・なので処方箋で交付してもらう必要がある(=医師の診察が必要)
・その費用は健康保険の対象外(=めっちゃお金かかる)
・濫用によって問題が起きた場合、3年間は処方データが残るので個人情報  
 モロバレル

ワンチャンあると思ったんですが、ダメでした。

科学の力は、余人に扱うには強大過ぎたのです。
仕方がないので他の方法を考えるとしましょう……。

……ですが、薬を飲むだけで記憶が飛ぶというのは面白そうです。
お友達が数年後に薬剤師になったとき、こっそり処方してくれたりしないかな(だめです)

伝説の力に頼る

前項では科学の力、人間の叡智の結晶たる「お薬」の力に頼ることで譜面の癖を抜けないか試みましたが、費用や手間の関係で、残念ながら断念することとなりました。

それならば、今度は科学の対極の存在……言い伝えや伝説の力に頼ってみましょう。
押してダメなら引いてみろ、という言葉もありますからね。

……とは言ってみたものの、人の記憶をどうこうするような伝説で、かつある程度現実で再現できそうな伝説なんてあるんでしょうか。

記憶の神様なんかがいて、それが何かの理由で人間の記憶を消した、みたいな感じの伝説はあるかもしれませんが、実際に神様を呼ぶなんてことはできないので、再現は厳しそうです。

やっぱりそんなに都合の良い言い伝えなんてあるわけ……

みょうが

ありました。

薬味として使われることが多いみょうがには、物忘れが激しくなるという言い伝えがあったのです。

「茗荷(みょうが)を食べると物忘れする」
お釈迦様の弟子である周利槃特(しゅりはんどく)は、物忘れをする名人で、自分の名前も覚えられない人であった。その槃特が亡くなり、墓から生えたのが茗荷であったから、茗荷を食べると物忘れをすると言う俗説が生まれた。

https://www.tsuji.ac.jp/oishii/recipe/j_food/tamate/myoga.html

みょうがであれば、先ほど紹介したお薬と違って、薬局でしか手に入らない、なんてことはありません。

それに、"癖"のある味を消し、風味を引き立てる薬味としての役割を持つみょうがであれば、他の食べ物と比べても、譜面についた"癖"を消すことに一層期待がかかりますね。


言い伝え通りなら、譜面に癖がついたあとにみょうがを食べることで、その譜面に関する情報を忘れてしまい、それに伴って癖も抜けるはずです。

そうと決まれば、早速スーパーにみょうがを買いに行きましょう。実験と実践の開始です。

伝説の証明


さて、スーパーでみょうがを買ってきました。
ついでにゲーセンにやってきました。

購入したみょうがを使用して、実際に癖を抜くことが出来るのか、思う存分実験していきたいと思います。3本もあるので実験し放題です。

……とここで、「ゲーセンにみょうがを持ち込むのは非常識だし、店側にも迷惑になるんじゃないか?」などと思った人もいるかもしれません。
ですがそこは安心してください。

ちゃんと店員に許可を取っています。

ご覧の通り。

さて、今回の実験の内容は以下の通りです。

①適当な譜面に癖をつける

みょうがを食べる

③癖が抜けているかを調べる

とっても単純ですね。

それでは、実際に実験していきましょう。

文系なので、ひさびさの"実験"という響きにワクワクが止まりません。

①適当な譜面に癖をつける

さあ、実験の第一段階です。

今回癖をつける譜面はこちら。

THE SAFARI (SPH☆10)です。

弐寺のSP七段、その四曲目に幾度となく立ち塞がってきた歴戦の譜面です。

弐寺に存在する数多の譜面のなかでもトップクラスに癖がつきやすく、七段に挑戦する数多のDJに恐怖を刻み込んだ百獣の王。

今回の実験においてこれほど適任な譜面は無いでしょう。

肝心癖の付け方ですが、PフリーでただひたすらTHE SAFARIを選曲し続けるだけです。ゲーセンでSAFARIをひたすらに連奏する異常成人男性、爆誕。

それでは早速プレイしていきましょう。

一回目。早速ハイスコアです。やったね。

2回目もハイスコアです。あれ、普通にうまい?

3回目はちょっと点数落ちましたが、癖がついたというほどではないでしょう。

4回目でまたハイスコアです!これ企画倒れしちゃうかもな~w

5回目。ん、少し雲行きが怪しくなってきたような……?

6回目。あれ?

7回目。持ち直した。

8回目。指が勝手に動く。

かゆい うま

②みょうがを食べる

さて、しっかりと全身が癖まみれになったところで、みょうがの出番です。

思いの外しっかりと癖がついてしまった事実に戦々恐々としつつ、
震える手でみょうがをすりおろして行きます。

ベンチについてしまった汚れはしっかり拭きました

植物の茎のような匂いが辺りに漂います。
冷静に考えて、これをそのまま食べようとするのってかなりイカれている気がしてきました。

しかも、画像のようにみょうがの身の部分がほとんどすりおろし器にくっついてしまっているので、食べるのは器に溜まった汁の部分だけになりそうです。
嫌すぎる。

ですが、譜面についた癖を抜くため、背に腹は代えられません。


いただきます!


キッッッッッッッッッツ!!!!

口にした瞬間、予想に違わない植物の茎の風味が押し寄せてきました。

さっさと飲み込みたいところですが、僅かに入ったみょうがの身の酸味のような、苦みのような奇怪な味が追い打ちをかけてくるので、体が飲み込むのを拒否するのです。

辛うじて飲み込めたかと思えば、喉の奥にミントに似た薄気味悪い余韻が滞留するせいで、体が「今飲んだものを吐き出せ!」と延々と訴えて来ます。

もはや今のみょうがには薬味としての面影はどこにもありません。

お前を美味しく、薬味として食べることができなかった俺を赦してくれ……
(後日刺身の付け合わせとして食べたらとてもおいしかったです、すりおろしたのが敗因)

半ばグロッキー状態になってしまいましたが、次の行程に進みます。

③癖が抜けているかを調べる

さあ、今回の実験で最も重要な、みょうがの効果を確認する行程です。

もう一度THE SAFARIをプレイしてみて、ある程度捌けるようになっていたのなら、みょうがには癖を抜く効果がある、と言い張ることが出来ます。

さて、気になる結果は……



死死死ー死・死ー死死


普通にダメでした。

よくよく考えてみれば、物忘れが激しくなるとはいっても、自分の望む記憶がすっぽりと抜けるなんてことはそうそう起きるものではないでしょう。

もしかしたら何かを忘れてしまったのかもしれませんが、それはTHE SAFARI (HYPER)の譜面ではなかったのです。

なんなら、みょうがを食べることで調子を著しく損なってしまったので、明らかに逆効果だったと言えるでしょう。

つまり、今回の実験は、ただただシレスティがTHE SAFARIの譜面に癖をつけ、みょうがをクソ不味い方法で食べただけで終わってしまったのです。

自分の実験において望むデータが得られなかった理系学生の気持ちが、今なら少しだけ分かる気がします。


まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の記事では、譜面についた癖を抜く方法について、時間の流れに任せること以外のアプローチを試みました。

お金のない大学生でも実現できる方法としてみょうがによる癖抜きに挑戦してみましたが、ものの見事に惨敗する結果となりました。

やはり太古の言い伝えよりも現代の叡智に勝るものはないということだったのかもしれません。

さて、私がこの記事を書き終えた今伝えたいことはただ一つ。
みょうがはすりおろして食うな。

それではいつの日か、社会人になった私がトリアゾラムを入手できた日にまたお会いしましょう。

さようなら。


p.s.今日の0時に記事を投稿するのをすっかり忘れていました。これが卒論に追われていて余裕が無いからなのか、それともあの時みょうがのすりおろしを食べたことによる効果なのか、私には分かりません……。


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