キャラクター
最期の日に見たメリーゴーランド、バラバラになった観覧車、割れた指輪を練り込んだケーキ、萎れた外来種の花、知識の底をひけらかす自傷行為、紙一重の慈しみを手に入らない延命に投資する。湧かない噴水と真っ暗な青空、一つのニュアンスが読み外れただけでも致命傷な愛ばかりが蔓延って、愛がなければ生まれなかった約束も指きりもいつか僕らは黒い蔗境で塗り重ねてしまう。期限付きの煌めきは輪廻するはずなのに、いつも僕らはそれなりに絶望してみて、浮かぶ鯨からはそれなりな過酷と黄色い雨が降り注ぐ(知らん顔をした照準とともに)
強さと図々しさの隙間、人生を幸せにしてくれる普遍の要素は、私の求める閃きにはならないと気づいた時に、ゴミ箱の中の天国でだけで破裂の出来る蒙昧ととうあんを知ることができる。
友達だと思ってたあいつの身内アカウント見つけた、親しい友達全然親しくない先輩ばっかり、風紀みたいな恋を尻目に縮んだ鎧を何度も破く、どこに行ったって生きにくいのは自分のせいなんでしょ、別に迎合なんてしなくていいよ。
大切だと信じていなければ崩れてしまう程度の信愛が、大切でなくなった時に手元に余った情のような惰性からは目を逸らして追憶を貴ぶ。
よっぽど悪者の方が芯があるかのような詭弁と、不幸すらも栄え重視、逆に死なないとか厚かましすぎ生き様ありざま、君が考えてるわざとだってお見通しで、月を見て風雅を仰げる程には脳天気な倖せが秩序を保っているらしい。
輸入盤折中が安易すぎるヒント、そんな季節に苦しみを与えて更に指向振るにはあまりにも脆く柔い
節目に怯えているうちには転機なんて来ない、全ての匂いが鼻につく、敢えて形には残さないプレゼントと望まれてる言葉たち、彼女しか知らないパンの味。燭台を川に投げ捨てて、回帰出来ない感情の為にミルク風呂を用意してみる、神様は血を嫌うのに、やっぱり思念も知見も足りてない。欲望と涙の共通項を探して、薪についた証を凝視めて、どちらともつかない幻覚を熾すだけ。
未経験のままで存えるなら良かったのに、そうやって生きてはいかれない境遇があることも知っててほしいなどと騙って、ずっと汚い肉体を引きずって、魂さえ浄化できればいいと燃やした羽をこさえて祷を囀る。
“しまった”ばかりの人生で、呪いのように執着を求める、忘れた頃に微笑むどれだけの後悔に蓋をしてやっと立っていられるのだ、可哀想にと言われるたびに善意を消されて、苦労してきたからと言われる程に無為の正体が薄らぐ。殺してきた気持ちが悪くなる、奪われた絆などもともと取っても足らない手数でしかない、無関心と悲しみだけが夜ごとを取り残された左あし、終末に近づいた匂い、イノセントと蓮の花。
新しいビルが建設されて、僕の部屋からはおひさまが見えなくなった。樹木も伐り斃されて真っ白な壁が縁を続けている。本当の特質よりも需要に沿った神秘性をつくり込む方が策略的。諦めてしまえば易しい街に生まれて、起きてもいない結末に身を浸す。観たい映画は全部サブスクに無いし、共感を横流しにするような飲み会なんてもうとっくに飽きている、成長の踏み台に敷かれたレールを壊したら残った梯子で遊戯している機みなのだ、と雫型のビジューで夜の彩度を拡張する。
駅の発車ベルが永遠に鳴り続けばいいのに、僕よりもずっと可愛い猫が死んで、それでも生きろと轟音は血を透かして苑の徒花を叩く、代わる代わる立ち替わる登場人物の全てに感情と呼吸があることを度々忘れてしまう浅はかな慢性が誠意と性質を裏付けているのだから、意識するほどに生産性に揉まれてしまって、やっぱり鈍色のほとりに攫われてしまえばよかったと後悔する朝を繰り返す。似かり寄った電柱を数える暇すら与えらずに貪り尽くしていたぼくたちと特別快速に揺られてたどり着いた海もなければ神もいないような町、電車のホームで大きく手を振る少年と、75分の沈黙、ラメの舞い落ちる奈落のふもとで乾涸びたゴージャス、鏡にもならない水面に指先を浸潤してもひとつにはなれないでしょう、手紙は破られることもなく、そうやって静かに過去の糾いを弔いゆくことが屡次で啓示になると信じている。
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