VALORANT Champions2022 Final LOUD vs OPTC の分析(アセント編)

はじめに

VALORANT Champions2022 Final LOUD vs OPTC の第1マップ アセントを分析してみたいと思います。
今回はLOUDが勝利したので、LOUD目線になっております。
また私の分析は「敵の対策をするための分析」ではなく
「高みを目指すために強くなるための分析」なのでご了承ください。

TL;DR

  • LOUDの攻めはSova, Omenが削られるのを極力さける

  • OPTCはFNSの柔軟な対応が的確

  • 最後の勝敗を決めたのは、チーム連携の差

前提

この大会でLOUD vs OPTCは3回あたってます。
グループステージは作戦隠したり手抜いたりの調整が入るのでカウントしないとして、upper finalとgrand finalでアセントを戦ってます。
grand finalは双方研究や対策した上での戦い方になることを考慮して分析する必要があります。
またそれぞれの特徴を語る必要があります。

1. LOUDの攻める時間とサイトの統計

buy roundだけ抽出しました。60秒すぎたあたりOPTCはアクションを起こしたり判断すべき時間帯にはなるので頭の隅に入れているべきでしょう。

  • 1:04 A

  • 0:49 A

  • 0:40 A

  • 0:54 A split

  • 0:34 B split

  • 0:48 A

  • 1:26 A

2. キャラピックの変更と意図

OPTCはChamberとイニシエーター *3というワンピック狙う攻撃的ピックですが、upper finalでディフェンダー側が全く取れませんでした。
lower finalのvs Vision Strikers戦からgrand finalと同じ構成になったのですが、要因としては下記でしょう。

1. One-Way SmokeでAメインを死守する形を取りたかった
2. チェンバーではなくKilljoyを採用してB側を少ない人数でディフェンシブかつ、早く情報をとりたい
3. Aに人数をかけたい

3.報告の違い

  • OPTIC

    • fakeで逆サイトにいくとき、逆サイトのプレイヤーがどこにいるかをチェックしてる

    • ベースの作戦はあるものの、FNSがアレンジで戦略を立ててメンバーがやるべきことを報告してる

      • 死んだ後もピークするなとか、holdしろとか

      • 1st entry役のvictorも「何をすればいいか?」聞くことも多々

      • 反面FNSは「trust me」をよく言いがち

  • LOUD

    • ポルトガル語で話してる内容は理解できなかったですが、シンプルかつ全員が同じ意見になるような組織にしてるイメージは持ちました。

    • IGLのsacyが細かく指示してるようには見えませんでしたね。

GrandFinal分析 前半

LOUDはイニシエーターとコントローラーを延命させる

LOUDのOmenのpancadaは、攻めのとき早死しない + 情報を取るためにひたすらジャンプピーク。他チームがよくやる、シュラウドステップで前目のエリアを取る場面でも絶対にしません。(人数かけてpushされたら倒されるから)
Sovaのsacyも早死しないように、危険エリアには顔も出さず、隠れるのが特徴です。
理由としては、エントリーするときに索敵とスモークがいないと勝率が急激に下がるからでしょう。ただしその分FKも低いです。
下記はchampionsのアセントで、LOUDがattacker時のデータです。
sacyとpancadaのFDを見てもらうと一目瞭然です。

Upper Final
Grand Final
vs ZETA


LOUDのアンチエコラウンド

まず紹介しなければいけないのは成功例。upper finalの話です。
kill tradeを優先するため、Aでまとまって行動し、Aメインのオーブをとります。これは下記理由からでしょう。

1. FadeがいないSova構成でBに行くとクリアすべきポイントが多すぎて厳しい
2. 近距離での戦いがされやすいため事故が起こりやすい

Sovaのドローンはshortに飛ばします。
理由はshortからのモク抜きや、short待機されてからのカウンターをされないよう安全にシャッターを閉める必要があるからです。
そして二段階予防として、黒コンにもし敵がいたとき用にOmenがパラノイアを構えてます。

あとは設置してkill tradeしやすい配置につくだけです。
grand finalでは、OPTCは対策をします。

まず上記の理由からBは厳しいのである程度Aを予測しすぐ寄って固めます。
ドローン先行なので、Kayoナイフで止めます。
あとはJetがマーシャルで削りエコラウンドを積極的に取る形です。
ただOPTCの悪い癖で一人ずつ勝負してしまう。ナイフ反応後、VictorがFBでソロpush。この際にflashを入れるしか報告してないので、連携を取ってないためトレードも出来ないしワンチャンもそんなにないので微妙ですね。

結果的に、LOUDはサイト中の状況が分からないので、予防としてあったパラノイアエントリーに変更します。

LOUDエントリー時のルール

  • 1st…Jetはパラノイアのルートを辿る

  • 2nd…はKayoだが、ある程度Jetの情報をGetしてから確実に入る

  • 3rd…Omen / Sovaのどちらかだが、ある程度2人の情報をGetかつ遠距離でカバーとkill tradeをしながらエントリーする。なので中々サイトに入らない

  • split時はJet/Kayo - Sova/Omen - killjoyで動く事が多い

この3rdの違いが他チームとの差であり、塩梅がめちゃくちゃうまいのがLOUDです。
本当どうやってエントリーやカバー判断してるんだろうと思います。

OPTCのLOUD対策

Aメインに人数をかけ、早めの段階で削りに行きます。
特徴的だったのは、ワンウェイスモークを有効活用し、スキルを合わせて取り返しに行くことが前回より改善されました。
またSovaしか索敵がいないので、B前目にオペレーターを置くことでBも1ピック狙える形になります。

タイムアウト後のLOUDの対応

Aを早めに潰しに来てるのは分かったのでcat, B, midを有効活用するように変更します。
FNSのアレンジでそれも読んで、様々な箇所で前目に当たる戦略に変えます。
戦略の読みや対応的にはOPTC有利。ただ混戦時のミクロがLOUDのほうがルールベースというか、意思統一されており、鬼のようなkill tradeができる位置取りが出来ててその差は少し出ましたね。

GrandFinal分析 後半

どちらも一緒に戦う意識が強い

ときにはエリアを絞って最大人数で。人数有利やスキルアドバンテージを積極的に作るのが双方見られます。

Paranoia + Kayo FB + Recon
手前フラッシュ2個も入れてるので奥にリコンを入れて幅広く情報を得たいが、
即席アレンジなので仕方ないか
Kayo FBの際にOmenがboxに乗って2段
ミッド取返しのときは人数をかける。
これらをすぐアレンジで出来るのはとても良い
ショックボルト + ジェネレーターからA Heaven push
Mid攻めが多かったのでB killjoy, Market Sova/Jetの配置
結果、A攻めが来たが、そのときも3人でMidをクリアする
ルートを取ってるのが絶妙にうまい
(普通はkilljoyはマーケットを通らない)
LOUDがA3人でpushする場面。
shortを捨ててもいいからかなりの人数をかけて絞るのは個人的に好み

やはりミクロが足りないOPTC

OPTCはAメインが厳しいことは守ってる側としても理解してるので、積極的にミッドを使ってきます。
LOUDもミッドにJetをおいて1pick狙う形に。
後半 -> 延長まで総力戦になりましたが、やはりOPTCはkill tradeが発生しなかったり少しのミスが目立った差が敗因だと思います。
対してLOUD側はリグループも出来ており、距離感も連携も個人のaim力も完璧でした。

もし自分ならvs LOUDどうする?

同ピックにしてもミクロマクロ勝負になっておそらく相手の熟練度が高いので負けるでしょう。
Aが多いのでOmenのワンウェイは必要。
OPTCのようにBをメインで攻めるのが有効そうなので、FPXのようなSage構成を入れたり、守りもスローオーブで分断させながら戦うのがベースになる。
結論、Jet/Omen/Sage/Kayo/Fade or Sova にして
守りはAメインに人数をかけ、
攻めはBやmid中心が良さそうですね。


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