VCJ 2023 Split1 REJECTのアセント分析

はじめに

VCJ2023 Split1 REJECT(以下RC)のアセントを分析します。
RCのアセント構成はViperを取り入れており前から興味深かったのでやってみます。
あと忙しかったので、今回はvs FL戦だけに絞りました。
また私の分析は「敵の対策をするための分析」ではなく
「高みを目指すために強くなるための分析」なのでご了承ください。

TL;DR

  • チェンバーを活かした配置にしよう

    • 1pick狙ってもらう

  • 設置後のkill tradeをうまくする

    • 距離感の意識

  • 攻めるとき身体の寄せをしっかりする

    • エントリーするタイミングにはもう寄ってる状態に

  • 戦うときのコンセプトを決めよう

    • 情報を取るのか、戦うのか、なぜそのスキルを使うのか

前提

全敗

3試合行いましたが今回は全敗となりました。
構成は Chamber/Kayo/Fade/Viper/Omen です。

実際のデータの確認

試合順にデータを見たところ、下記が予想されます。

  • 2コントローラーで守りが強い構成なのに守りが取れてない

    • 守りだけ取れたラウンドを比べてみても全試合相手より取れてない

    • 9-10 vs SG
      4-8 vs CGZ
      0-5 vs FL
      3-9 vs NTH

  • データ的にはそこまで悪くないので、即座にkill tradeが出来てない?

vs SG
vs CGZ
vs FL
vs NTH

インタビュー内容の確認

インタビューからどんなチーム状況なのかを把握したところ、次のような課題を感じてるようです。

1. 負けてるときのメンタルに課題がある
2. 個人技が足りない
3. ミクロは足りないがマクロは自信がある

まずチーム結成時のインタビューからも情報は得れます。

『REJECT』2023年のVALORANT部門ロスター発表、新チームのコンセプトや選手選定の理由をヘッドコーチKeNNy氏にインタビュー

次にsplit1の試合後インタビューで話してた内容は下記です。

  • vs SG

    • 撃ち合いのところでまだ成長できる

    • pro invitationalを経てIGL誰にするか、どういうコンセプトでやっていくのかしっかり話し合えて出来て今がある

    • 2smokeでセットをしないので、1pick大事と考えるとチェンバーでまだいける

    • 1人1人のミクロが足りない、マクロでは上回っていた

  • vs SZ

    • フラクチャーのPhoenixが珍しく翻弄された

    • 翻弄されてたけどメンタル管理が難しくてやられた

  • vs CGZ

    • 小さいミスはしなかったが、試合に関わるミスを2,3回やった

    • 1試合目勝って、2試合目負けた後の立て直しがうまく行かない

    • 負けてるときコミュニケーションの量は減る

    • その際なるべくコミュニケーションエラーは減らしてるが、悪い流れを断ち切れない雰囲気になる。そこを立て直すのが課題

  • vs IGZ

    • やはり負けた後の3マップ目は影響が出てる

    • 前試合で分析したものと変わったのは驚いたが、一般的な構成なので落ち着いてやった

  • vs CR

    • 相手のvalorantが上手で、隙きがなかった

    • valorantにおいて必要なスキルのバランスが取れていた。Lurkeがうまかった

    • 2コントローラーはRIAが考えたが、うまく行くときとうまく行かないときの差が激しい。欠陥はあると思う。

  • vs FL

    • 後半になるにつれ動きが読まれてると感じた

    • なので似たようなスキルを使いつつ、ちょっと動きを変える対応をした

  • vs NTH

    • ヘイブンは戦い方がバレてきたので、コーチの指示で一般的なメタで戦った

    • コンセプトとやってることは良かったが、個人技を磨けば勝てると思う

改善点1: kill tradeを意識する

重要なOmenがピークして負けるが、
なぜかメインの仲間は待機してる。
この場合、スモークがはれるまで待つか、
Kayoフラッシュ + メイン側Viperモロトフでトリプルピークなら3-1で有利なtradeが発生する
Chamberがkill tradeされる場面
メインのViperがtradeで顔を出すべきだが、なぜか顔を出さない
Bサイトでkillが発生してるのに、
KayoはマーケットとViperはメインにずっといるのでtradeが出来ない
ViperとKayoがクロスを組んでるが、射線があってないしhigh mid smokeで射線切れるので、
tradeが発生しない確立が高い。
次にOmenとChamberの距離が遠いのでtradeは無理
逆に敵サイドのFLのまとまり方を見てほしい。
とても密度が高くてtradeしやすい。

改善点2: チェンバーのトラップを活かす

センチネルはトラップで見なくていいエリアを作れるキャラなのですが、
チェンバーがトラップと反応しない距離になることが多かったです。
これは下記問題が原因。
1. チェンバーをデュエリスト運用もしたいし、センチネル運用もしたい矛盾
2. チェンバーに1pickとってほしいけどチェンバーが前に行けない

1について、攻めのとき最初チェンバーにプラウラーを流してデュエリストっぽい動きをさせるのですが、結局Killjoy/Cypherのような配置に落ち着きます。
デュエリスト運用するなら最初から最後までFadeとセットにしてエントリーさせるべきですね。

トラップもTPも使わないチェンバーは生身の人間
別のキャラクターのほうが有効

2について、攻めのときチェンバーが1pick取るには、結局上の配置だと索敵なしでやらないとダメなので厳しい。ずっとBで地蔵になってます。
守りの場合は仲間のスキルカバーもない事が多かったのと、リスク背負ってデンジャーゾーンをpeakしなかったので厳しいですね。

改善点3: 身体の寄せをしっかりと

Anti EcoでA Kayo Ultでエントリーする場面。
Ultで入るところなのにViper/Chamberは集まってない。
3 vs 4で確実に不利。結果負ける
IGLのコールが早すぎたのが原因だと思われる。
A2人でエントリーするのに裏が怖いChamber。
これが他のセンチネルだったら…
この場合はリスク取って仲間に合流してtrade優先。
もうBのエリアが全く取れてない状況でViper 1pick取られた後。
A警戒するより一斉にB寄せてBを一度クリアさせたいが、
Kayo/Chamberの寄りが以上に遅い。
コミュニケーションミスかもしれない。

改善点4: 戦うときのコンセプトはロジカルにする

Chamberを活かすなら、ViperがBを見て、Fade/Chamberでいくのが定石。
またMid主体で攻めてるので、Omenの身体はMidに寄せたい
B展開もしやすいし、shortのカバーもしやすい
Midのトラップを壊してからの展開はとても良い。
が、せめて2人で壊しに行きたい。
また壊す前にshortナイフさして勝負してるのがよくわからない。
攻めたいのか情報を取りにくくするのか。戦略を統一させたい。
マーケット->BにFade Ultでfake。
これで敵が寄ったのはとても大きい。
しかし、Fadeはこの後Aメインに合流する。
Aメイン5よりA 4-1 splitのほうがベスト。
おそらくチームのルール or IGLの指示が良くなかったと思われる。
次の画像でその結果が出る
A 4-1 splitを選択しなかった結果、
ViperのUltがエリア取れなくて手前で放ってしまい、KilljoyのUltが安易に置かれる。
スモークイン状態で壊すのも時間かかってしまった。
結果勝ったが、大きなミスだと思う。

その他改善点

Viperの我慢が足りないシーン

Kayo/Fade/Chamberの3-1 splitの場面。
一番気にしないといけないのは1人のViper側がやられたらsplitにならないこと。
なのにリスクを冒してドライピークをしてるのは良くない
敵Kayoとkill tradeは発生し2-1 split
メインにいたviperは我慢出来ずにピークし1pick持ってかれる。
ピークするには情報がなさすぎるし、ピークしてもtradeが発生しない射線。
LOUDならここでメイン側は出ない。
メインに武器が落ちてるけどずっとオペを持ってるViper。
1pick取りたい意思は伝わるが、この射線はtradeされやす過ぎる。
ここはリグループして展開して良いと思う。

トラップ意味ない事が多かったチェンバー

A攻めになったので、Bにおいたトラップは回収…
まぁこの位置取りならチェンバーはFreemanにしてLurkでもよさそう
トラップをずっと見続けるチェンバー
後に回収しBを詰める
トラップを見つめるKayo


総合的に

1. 負けてるときのメンタルに課題がある
2. 個人技が足りない
3. ミクロは足りないがマクロは自信がある

インタビューより

まずKayoがIGLの場合、IGLのコンセプトが足らないのと指示が細かくなく、IGL自身が自分でなんとかしようとしてる気がしました。IGLの成長が一番の課題。
またチーム自体のコンセプトとルールが作られてない可能性。
ロジカルの上戦略を練るべきですね。
特にViperの壁やsmokeが有効活用できてないので敵が止まらない状態がよくありました。
例えばViper側は守りでサイト ギリギリのラインで戦うコンセプトに統一すると面白くなりそうでした。
なのでマクロも微妙だったと思います。

次に身体の寄せやtradeの意識。
tradeについてはデータ分析の通りでしたね。
私はよく「一緒にピークしよう/出るよ!/カバーしてるよ(trade出来るよ)」とかは言ったりします。
そこら辺はチームによって違うと思うのでコミュニケーションのルールを作ると良さそうです。
Fadeの人は仲間で戦う意識が一番できてました。ミクロも成長に期待です。

最後に、lurkerはViperにしてChamberをデュエリストにすればいい戦いになりそうでした。

自分ならどうやったら勝つか?

最後に自分ならこういう攻めと守りの配置だけを紹介します。

攻め

ViperがA lurkするパターン
Viperが手前まで行くためFadeかOmenのカバーがあると良い
BにfakeかけてAに行くのは面白そう
BindのようなViper Lurk

守り

Kayoがフレックスに動くパターン
Aは硬いのでBに誘導
誘導した敵をチェンバーがOperatorで勝負したい
この場合はチェンバーがフレックスに動く。
どちらもモロトフがあるので止まりやすい
守りはどちらもサイト入らせるあたりに壁を炊いて駆け引きするのがコンセプト

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