映画「キャロル」感想

ckaです。比較的時間があるのとテストが終わったので映画を見たい気持ちでいっぱいです。普段映画をあまり観ない人間で、特に日本にいたときは時間とお金がないことを言い訳に全然観てなかったのですが、留学中は娯楽もそんなに無いし独り暮らしだし幸いネット環境と時間はあるので観るようにしようかなと思っています。部屋を暗くして紅茶やコーヒーを飲みながらベッドに腰かけてiPadで映画を見るってなんかゆとりのある夜って感じで素敵だしね。

今日は本当は友達とJOJO RABBITを観に行く予定だったのですが頭痛で行けませんでした。昨日の夜、若干寝不足だったのに徹夜してSHERLOCK観たのがいけなかったんだと思います。でもロンドンに行ってからずっと観なおそうと思ってたので…まあそんな感じで今日観れなかったのが悲しかったのと夜になって頭痛が治ったのもあって、Netflixで映画を観ることにしました、というのが本題です。長すぎる前置き。

観た映画は「キャロル」です。タイトルとポスターか何かだけ見たことがあったけど他は何も知らなかったので前情報なしで観ました。選んだ理由もお勧めに出てきたから。この感想を書く前に何も調べたりしていないけど全然的外れなこと言ってたらどうしようと思いながら書いてます。

最初の街の映像と音楽で惹きこまれました。個人的にクラリネットが大大大好きなのでクラメインの旋律だったのが嬉しかった。同じ曲が最後のエンドロールでも流れるんですが素敵な曲ですね。映画の中で描かれる彼女たちの苦難困難を表しているようにも聞こえるし、その先に希望があるようにも聞こえる。

あらすじをまとめるのは苦手なので公式サイトのを貼っておきます。

「1952年、ニューヨーク。高級百貨店でアルバイトをするテレーズは、クリスマスで賑わう売り場で、そのひとを見た。鮮やかな金髪。艶めいた赤い唇。真っ白な肌。ゆったりした毛皮のコート。そのひともすぐにテレーズを見た。彼女の名はキャロル。このうえなく美しいそのひとにテレーズは憧れた。しかし、美しさに隠された本当の姿を知ったとき、テレーズの憧れは思いもよらなかった感情へと変わってゆく......。キャロルを演じるのはケイト・ブランシェット、テレーズを演じるのはルーニー・マーラ。いま最も輝いているふたりの女優。ふたりの視線が交わる瞬間、忘れられない愛の名作が誕生した。エレガントで美しく、何不自由ない主婦に見えたキャロル。しかし彼女の夫は、妻にただ飾りでいることを求め、彼女はその不幸な結婚生活に終止符をうちたいと願っていた。そして、何よりかけがえのない6歳の娘の親権を得るために、真実の自分を隠さざるをえない。一方のテレーズも、自分が何を本当に求めているのか、真実の自分に向き合えないでいた。そんなふたりが引力に導かれるように愛しあう。たとえ社会から否定されようとも。50年代初頭の原作でありながら、この映画は「あなたは正直に生きているの?」と現代の観客に語りかける。テレーズとキャロルの最後の決断をどうぞ見届けてください。」http://carol-movie.com/intro/

一番好きなシーンは二人の出会いで、テレーズが働いているデパートでのシーンです。客と店員として言葉を交わすだけなんだけど、キャロルが微笑んで去った後のテレーズのなんとも言えない表情としぐさが最高でした。この時点ではまだ恋ではなく憧れだったかもしれないけど、どっちにしても人が誰かに「落ちる」ところを見てしまったなという感じでした。このシーンは序盤も序盤でここからすべてが始まっていくのだけど、テレーズの茫然とした顔と所在なく動かされた手がすごく印象的でした。

女性と女性の恋の話であるけれど同時に「大人」との恋の話だなと思いました。美しくて、素敵で、余裕のある大人で、でもそんな憧れの人の苦しみを知ってしまって、でも何も知らなくて、苦しみから救うことができなくて…どうすることが正解なのかは分からないし、キャロルにとって自分らしくあることと家族のどちらが大切なものであるべきだったかも分からない、たぶん決めるべきではない。でも目の前にいる美しくて不幸なこの人の力になれたらと思ってしまうんだな…

先ほども言いましたが表情が本当によくて、逃避行の前半のテレーズの恋してる表情というか、この人といること、この人が笑っていることがたまらなく嬉しいみたいな顔が本当にかわいかった。レコードあげるところです。最後の方の二人で会うシーンの表情の硬さとの対比がすごい。あとこれは個人的な話ですが、キャロルの不幸な顔がとても好きなんですよね。序盤の「素敵な大人」だったキャロルが見せる絶望した顔や苦しそうな顔が私はとても好きです。最初のシーンにつながる二人での会話のシーンで、表情を崩さないテレーズに対して不安そうな、縋るような表情な顔をするキャロルは最高だし、「そういうことね」と言ったときの諦めたような顔が美しすぎました。

ラストがどうだったかを考えるのはちょっと難しいような…いやそんな難しくないか?まあご想像にお任せということでしょうか。余韻の残る終わり方でとても好きです。キャロルの微笑みに百億点ということで…最後どうなるんだろうと思いながら何となくプラダを着た悪魔とLALALANDを思い出しました。話がそれますがアンディとミアの選択が私はとても気に入っているんですよね。だから今回もそうなるのかなと思ってた。いやまあ話が全然違うし、自分がそうあるべきと思う方に進んだという点では同じかもしれないな。彼女の写真とそれを使った仕事の描写があったから思い出したのかもしれないな。

とりとめもなくダラダラと書いてしまったけどとても素敵な映画でした。画も音楽も女優さんも美しかった。明日こそJOJO RABBITを観に行くぞ!

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