はじめは先月なかば、近所の市民ホールで月1回開かれる映画上映会へ行ったときだった。
いつものようにホールのロビーに入ると係員が立っていて「申しわけありません。コロナウイルスの影響で中止になりました」と告げられた。何か拍子抜けした気分で、まあ最近騒がれてるしなーぐらいの印象しかなかった。
そのうち仕事で取材予定だったイベントが次々と中止になり始め、プライベートで行く予定のイベントも中止になり、そして昨日。
通っているジムの正面玄関に「感染防止のため10日間休業」の貼り紙が。
これも唐突だった。前の日には貼られていなかったので、1日サボって次の日来てみたら入れなかった、みたいな利用者もいたことだろう。
こんな感じでテレビの向こうの出来事だとばかり思っていたコロナ問題がひたひたと足もとに迫ってきた。
仕事が減ってヒマなのでどこか出かけたくても、あっちこっち休みだ。自然と家にこもるようになる。まあ感染予防にはなるけれど。
だから情報の入手先はほとんどテレビや新聞。ネットは信用できないし。
朝夕、深夜のニュースを大本営発表を待つような気分で待ち構え、事態の成り行きを見守り続ける。
この日常、9年前の震災のときと似ている。
さらに被害は増えるのか、このさき生活はどうなるのか‥‥。
不安が高まる反面、不思議と心静かで落ち着いてる自分がいたりする。静観するよりほか、どうしようもないからだろう。
ふだんなら時間があいてると「あー、ジム行かなきゃなー、でもめんどくせーなー」と1日じゅう迷い続け、
結局行かなかったりすると「あーサボってしまった、ダメな俺」と自己嫌悪に陥ったりするが、
今回はジムそのものが休みなのでどうしようもない。
いま全国の人々が、こんな「どうしようもない」というあきらめムードの中にいるのだろう。
この気分も、なんだか3.11の時と似ている‥‥。
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