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【アークナイツ】ニアーライトで登場した新聞記事まとめ

第1 はじめに

 アークナイツに程々、もしくはどっぷり浸かっている皆様、今回のイベントは如何でしたか?
 今回はこれまでのストーリーの中でも屈指の大ボリュームに圧倒されたドクターも多数いたかと思われます。そして、ストーリー本文以外でも新聞記事という形で作中の出来事に対する追体験ができましたが、こちらはイベント終了後に読めなくなる可能性も…(自分も『青く燃ゆる心』でフェスタイムラインを見逃した一人です。)
 そこで、ここで備忘録として記事を残してみることにしました。
 長くなりましたが、コーヒー等片手にゆっくり思い出に浸ってみてはいかがでしょうか…。

※記事の時系列はストーリー進行順に上から下の流れになっています。


第2 四都スポーツ(KAWALERIELKI SPORTS)

 黄色い見出しが特徴の「四都スポーツ」です。主に作中の舞台であるカジミェーシュの一大イベントである(カヴァレリエルキ)についてがメイン内容となっています。
 現実世界で言うスポーツ新聞みたいな感じですが、そういった新聞の中ではお堅い印象になっているという感じです。ちゃんと広告が付いてるあたり芸が細かい。

1. 「予選終了、八つの大騎士団がメジャー進出」

“各ブロックで数か月にわたる熾烈な競い合いを経て、本シーズンの騎士メジャー選抜戦は正式に終了した。 今回の選抜戦では、八つの大騎士団に属する六十四もの騎士団が最終予選を勝ち抜き、本戦への切符を獲得したが、メジャー進出人数は歴代の騎士競技をみてもトップクラス、観衆の評価や競技の結果から判断して、運営方針と競技規則の改革に大きな成果があったと言えるだろう。これから 「大騎士領」 カヴァレリエルキはしばしの調整期間に入るが、次なる試合では一層に熱い盛り上がりが見られるに違いない。

最終ラウンドの注目試合は見どころ満載。 予選段階で多くの注目を集めたブラッドゴブレット騎士団は順調にメジャー進出を果たした。 ディフェンディングチャンピオンである血騎士の素晴らしいパフォーマンスは、彼がもう一度バンハード大騎士団の勝利の切り札となりうると我々に証明した。ノースウッド大騎士団に属するノヴァ騎士団もまた同じく華麗な最終戦を飾り、特別招待資格を持ちながらも度々出場した燭騎士が最後の競いを軽々と勝ち抜いた。 初めて生で観戦した観客の多くがきっと、これからの試合進行に熱烈な期待を抱いているだろう。これからも我々は進行を追いかけ報道し、最速の試合情報をお届けしよう。”

記事本文より

2. 「錆銅、起訴再び。審判の結果は試合後公開」

“昨夜、ブラッドボイル騎士団の主力であり、今季の選抜戦前に保釈されたばかりの騎士「錆銅」オルマー・イングラは、試合会場での規則違反行為のため再び国民議会に召喚され尋問を受けました。

国民議会の公示によれば、 今回の尋問は試合監督の責務を担う商業連合会の代弁者マルキェヴィッチ氏の申立てに対し行われたもので、 オルマー・イングラはこの競技生涯第三十三回目の尋問において、先日の感染者騎士事故死事件における彼の担うべき責任について裁判団による質問と調査を受けます。オルマー・イングラには一週間の出場停止処分が課され、 その間に審理が行われます。 最終的な取り調べ結果は、本ラウンドの昇格戦終了後に公開されることになります。

現時点ではブラッドボイル騎士団からの本件に関する正式的な声明は公開されておらず、 錆銅騎士が再びあの驚異的な速さで保釈を得られるかは不明です。審理がどのような結果に終わるとしても、今回の間はオルマー・イングラのシーズンにおける後続試合の状況に大きな影響を与えることとなるでしょう。”

記事本文より

3. 「商業連合会代弁者独占インタビュー『試合の進行は何者にも、何事にも影響されない』」

“本日の記者会見後、 当社の記者は商業連合会代弁者のマッキー氏に直撃しました。今季のメジャーは大騎士領の社会情勢をみて早期に切り上げられる可能性があるとの情報が出回っていることに対し、代弁者は 「試合の進行は何者にも、何事にも影響されることはない」と述べました。

マッキー氏は当社の独占インタビューに応じ、次のように述べました。
「三年に一度行われる騎士競技大会は、カジミエーシュにとってはとうに、ある種技以上 の意味合いを持つものになっています。この盛大な行事は現代カジミエーシュの誇りであり、騎士精神の伝承でもあります。商業連合会はすでに違法感染者がもたらした一連の問題に対して多方面の交渉を行っており、必要な対応手段も確保しています。これらの努力を通して試合会場の安全保障強化をベースに、全力をもって試合のスムーズな進行を保証しましょう。」

また代弁者は記者に次のように吐露しました。感染者問題に対して、商業連合会は進んで相応の責任を担わずにいる理由もなければ、放任する立場にもない。目下の違法感染者の独断専行は争いの解決に役立つことはない。収容地域の建設を推し進めることと、外部の医療機関との協力を求めることこそが、長い目で見る問題解決の現実的な選択である、とのことでした。”

記事本文より

4. 「試合中の反則行為及び引き分け判定の正当性について」

“先日、カジミエーシュ騎士競技メジャー本戦中、参加者の騎士競技規則に違反する状況が見られました。詳細は以下の通りになります。

当事者追魔騎士は耀騎士との試合中に、騎士競技規則第三条 「競技騎士はいかなる場合にも、観衆の身体及び財産の安全を害し又は脅かしてはならない」 及び第七条の「競技騎士はいかなる形でも審判の主観的判断を妨げてはならない」に違反し、当該試合はその場で中止となりました。

調査の結果、追魔騎士は試合中に作用範囲の広いアーツを放ち、観客や審判にも影響を及ぼしたため、規則違反と判断されました。 また、審判が試合中止を宣言したにもかかわらず、 耀騎士は審判の判決を無視して追魔騎士を攻撃し続けたため、同じく騎士競技規則違反の疑いにありました。

規則に則り厳格に対処するのであれば、両選手ともに失格処分となります。しかし、先に規則違反を犯した追魔騎士は強敵を前に判断を誤ったのであり、故意によるものではなく、また。放ったアーツの観衆と審判への影響も微々たるものであったため、実質的な傷害には至りませんでした。失格処分は選手本人たちの今後に重大な影響を与えることも臨みて、情状を酌量し、騎士協会は試合結果を引き分けとします。

本件の処理過程は公平かつ合理的なものであり、その決定を記した全文はメジャーシーズン終了後日を改めて公開することとします。”

記事本文より

5. 「間もなく決勝戦、歴代チャンピオン対決振り返り」 

"第十九回メジャー決勝戦
黒騎士VS剛騎士
最強の剣VS最強の盾、黒騎士のあの飾り気のない双鐧が剛騎士の豪華絢爛なハイテク重装甲へと殴りかかる!全力の攻めに対する純粋な防御、最後のひと時まで勝負の行方は分からない!

第二十回メジャー決勝戦
黒騎士VS蒼騎士
コメント:ここ二十年で最も素晴らしい試合の一つ。黒騎士は登場したその時から頂点に立っていた!伝統的な武芸、肉体のパワー、精神と意思が全方位からぶつかり合う。双鐧
対双刀、一瞬たりとも見逃せない!

第二十一回メジャー決勝戦
黒騎士VS銀騎士
コメント:チャンピオン二連覇を経て、黒騎士は人生最も手強い相手である銀騎士に直面する。間合いに関しては長槍に劣る双鐧、果たして黒騎士は再び頂点に届くのか!?

第二十二回メジャー決勝戦
耀騎士VS銀騎士
コメント:二回目の優勝を目指して駆け上がる銀騎士だが、今度彼の前に立ちはだかるのは期待の新人ーー耀騎士だ。輝かしい光の衝突の果てに、輝き続けて優勝を射止めるのは一体どっちだ!?

第二十三回メジャー決勝戦
血騎士VS蛮騎士
コメント:熱血男児どうしのガチンコ対決は、いつ何時も人々からの歓声を勝ち取れるものだ。たとえ片方が感染者であっても、これが心揺さぶる真実であることに変わりはない。競技場に最後まで立っていられるものが勝者だ!

上記試合の映像記録は各競技場で販売中です。耀騎士と血騎士のビデオは特別価格にてセール中、歴代チャンピオンのサポーターの皆さまはぜひお見逃しなく!

明日夜八時、「騎士の刃」チャンネルにて過去のメジャー決勝戦の一挙再放送が行われます、ぜひご覧ください。

記事本文より

※ちなみに、「鐧」は下の動画のような武器です。黒騎士の戦闘スタイルが何となく分かってきますね。

6. 「『耀騎士が感染者』は誤解! 騎士協会から正式な回答」

騎士協会からの情報によりますと、六年前に協会の職員が買収され、私益のために文書を偽造し、耀騎士を感染者と認定する事件がありました。それにより耀騎士は追放され、強制的に国外へ退去させられるという結果に至りました。国民議会裁判団はこのような行為を強く非難した上で、容疑者を逮捕し、責任者の任意同行を求めました。明日、騎士協会は記者会見を行い、耀騎士を感染者とする虚偽の情報を徹底的に否定し、正式に潔白を証明する予定となります。

またこの件に際し、国民議会はこれまで一貫して握り続けてきた法治主義の態度を再度明確化し、感染者身分鑑定に関する一連の規定を策定することを公表しました。関連条例の更なる補完は、個人や団体が感染者鑑定から私益を得ることへの防止につながり、類似事件の再発を根本から阻止するという態度を示すものになります。

現時点では、耀騎士本人からもその家族からもまだ公式の返答がありませんが、彼女を案じる人々は心から喜びあうでしょう。なぜならば、我々のチャンピオンは、感染者ではなかったのです!

記事本文より

 以上が四都スポーツの記事になります。スポーツ記事だけあって、内容もメジャー一色に染まっています。閲覧数も1万を超えるのは当たり前、優勝決定戦の直前には4万以上のアクセスを集めるなど、現在のカジミエーシュとメジャーは切っても切り離せない関係性にあるのが感じ取れます。
 同時に感染者関係に関しては厳しい態度を取る文面も多く、今回の記事の中でも特にカジミエーシュの光と闇を同時に表現したようにも受け取れました。


第3 中央ジャーナル(CENTRAL JOURNAL)

 次に紹介するのは「中央ジャーナル」です。こちらはカジミエーシュのニュース全般を取り上げるもので、今回のメインイベントであるメジャーの周囲で語られた、主にレッドパイン騎士団や無冑盟が関係した出来事をカジミエーシュの市民目線で受け取れるような内容になっています。

1. 「カジミエーシュメジャーいよいよ開幕、開幕式に監査院上層部出席」

“本日午前、第二十四回カジミエーシュ騎士メジャーの開会式は、「大騎士領」カヴァレリエルキにて予定通り行われた。カジミエーシュ監査会・カジミエーシュ国民議会・カジミエーシュ商業連合会及びカジミエーシュ騎士協会の代表者らが開会式に臨席。また、大会の特別ゲストや各ブロックの代弁者も招待を受け出席した。大騎士長ラッセル女史が開会式を取り仕切り、監査会を代表して祝辞を述べた。ラッセル女史は式辞で、騎士競技は未曾有の輝かしい形でカジミエーシュの由緒正しき伝統を誇る騎士精神を継承し、カジミエーシュの光あふれる朽ちぬ歴史を受け継ぎ、綴り続けるものだと讃えた。

「公正な態度で揺るがぬ信念を持ち、名誉を重んじ、高みを目指す姿勢。カジミエーシュ人であれば誰もがみな、こうした騎士の美徳が、移り変わりの激しい現代においても色褪せず残されていることを目の当たりにして喜ぶでしょう。三年に一度の騎士競技を通じて、我々はこの大地全てにはつまきりとしたメッセージを伝えているのです。すなわち、心強く一致団結したカジミエーシュは、いかなる困難を前にしても、決して怯むことはないのだと」長らく響き渡る拍手の中で、大騎士長はメジャーの開幕を宣言し、試合に挑む騎士たちに祝福の言葉を贈った。”

記事本文より

2. 「世論の高まりに国民議会応答:感染者については必ず対応」

“近日、騎士競技メジャー本戦のバラエティー競技中に起きた「感染者騎士事故死事件」に関し、国民議会代表は記者会見での質問に応じ、社会全体が関心を寄せるこの問題に対する回答を行った。

国民議会代表は、試合会場で起きた不幸な事故は一連の悪質な現象の縮図であると述べた。近頃の感染者組織非合法集金問題や武装所有問題に関する社会各方面の関心と不安について国民議会はすでに認知している。これらの不安をもたらす現象は、民衆の感染者騎士法案への信頼を揺るがすだけでなく、各方面が感染者の騎士競技出場を可能とするために共に払った努力や各種交渉に対する破壊行動でもあると指摘。

代表は記者会見において、感染者がもたらす動乱に対する取り締まりや規制は早急に行わなければならないと重ねて述べたーーこれは感染者を含む、全国民の生活福祉がかかっている問題であると主張。カジミエーシュにおいて、感染者騎士が関連法案の保護を受けることができるのは、安定して反映するカジミエーシュ社会が人道的精神を貫いているためである。そして、輿論が入り乱れる今でこそ、社会各方面は本議題に対して警戒と自制を保ち、国民議会の問題解決への決心を信じる必要があると述べた。

記事本文より

※余談ですが、「輿論(よろん)」の意味は「世論」と同じです。

3. 「ウルサス辺境軍隊増加に呼応、征戦騎士団が合同軍事演習」

“近日、四つの征戦騎士団がカジミエーシュ北方辺境にて多兵種による合同軍事演習を始めた。今回の軍事演習はかなりの規模であり、最新の軍事技術を用いる模様。演習項目には潜入破壊・協同突撃・奥地機動など実戦的なものも含まれる。

今回の合同軍事演習は、カジミエーシュ・ウルサス辺境における共同作戦能力の向上を目的とし、近頃のウルサスの辺境における兵力増加と頻繁な挑発に対する力強い返答であり、明確に焦点を絞った威嚇でもある。

また、指揮系統の整頓と新装備訓練等準備のため、シルバーランスペガサス騎士団は欠席するとの情報が入っている。”

記事本文より

4. 「速報:一部地域で停電、関係者は原因の特定と早急の修復に尽力」

“十月三十一日夜、大騎士領中央エリアで大規模な停電が発生しました。商業連合会ビル、監査会及び各会社の本部ビルなどが影響を受けています。電力会社はすでに作業員を派遣し、市街への電力復旧に迅速に取り掛かっています。また緊急送電を要する各公共機関では予備電源への切り替えが順次手配されており、街のインフラは保障されています。市民の皆様は慌てずに、復旧まで今しばらくお待ちください。

本記事執筆時点では、一部地域の電力はすでに復旧しました。作業員の尽力のもと、市街全体の復旧も間もなく終了するでしょう。電力が正常な状態に戻った後、電力会社による徹底的な事故原因の究明が行われますので、大騎士領の皆様には必ず納得のいく説明をお約束します。”

記事本文より

5. 「リアルタイム速報:商業連合会が征戦騎士の入城に厳重抗議、監査院未だに返答せず」

“先刻、カジミエーシュ商業連合会所属のすべての企業が連名でカジミエーシュ監査会に厳重に抗議した上で、監査会に征戦騎士が無断で大騎士領へ侵入した件に対して合理的な説明を行うよう求めた。

商業連合会代弁者のマッキー氏は、征戦騎士がメジャー期間中に大騎士領へ進入することは「前例のない極めて危険な行動」であり、市民の正常な生活とメジャーの通常進行に重大な悪影響をもたらしたと主張。加えて、征戦騎士が停電の回復していないタイミングで、事前に知らせもなく大騎士領で行進を行ったことは、民衆の恐怖心を煽り不信感を植え付けるものであり、もし今後重大な良からぬ結果をもたらした場合、監査会はすべての責任を負わなければならないと非難。代弁者は、カジミエーシュの反映と発展は平和かつ安定した社会環境に由来するものであり、決して征戦騎士の予告なしの市街駐在という規則違反行為によるものではないと再度強調した。

記事掲載の現時点において、監査会は未だに一切の回答を行っていない。”

記事本文より

6. 「公告:カジミエーシュメジャー円満終了、耀騎士マーガレット・ニアール優勝再び」

“昨晩行われたカジミエーシュ騎士競技メジャー決勝戦において、耀騎士マーガレット・ニアールと血騎士ディカイオポリスは、伝説として語り継がれるであろう一戦を全カジミエーシュ中の観衆に捧げました。激しいぶつかり合いのなか双方の武器は損壊し、遂にはアーツによる衝突が勝敗を分けるカギとなりました。結果、血騎士は惜しくも敗れ、耀騎士マーガレット・ニアールが今回のメジャーの優勝者となりました。 耀騎士にとっては二度目のメジャー優勝となります。

二人の騎士は、不屈の騎士精神を最後まで貫きました。試合後、耀騎士は力尽きて倒れた血騎士に肩を貸し、お互い支え合いながらチャンピオンウォールまで歩きました。

大騎士長ラッセル女史は試合に参加した両騎士の友情を褒め称え、崇高なる美徳を体験したひと晩だったと述べました。また、「栄誉を守り抜くと同時に相手への尊重も忘れないということは、我々が騎士競技から学ぶべき美徳の一つでもあります」と語りました。”

記事本文より

 以上が中央ジャーナルの記事一覧です。改めて見ると他の2つの記事と比べると全体的に閲覧数が10分の1程度とかなり低いです。  
 メジャー期間中でそっちの話題が得意なスポーツ誌に取られているのかは分かりませんが、ただでさえ企業戦士 a.k.a. 社畜が多いカジミエーシュではこの閲覧数で大丈夫か!?となってしまいます。余談ですが。


第4 ザ・レッドワイン(THE RED WINE)

 3つ目の新聞記事は「ザ・レッドワイン」、内容は皆大好きゴシップ記事になっています。
 閲覧数も凄まじく多く、中には10万以上の閲覧数を記録したものも…。文○砲ならぬワイン砲ともいいましょうか。
 テラ世界でも結局皆こういうのが好きなんでしょう?という世情が表現されていることと、現実世界のゴシップ記事の詳細をきちんと調べていないと作れないような内容は流石と言ったところ。

1. 「一匹狼?それとも訳アリ?独立騎士たちの沈黙の掟を大公開」

“独立騎士とは、騎士団と一切契約を結ばず、 一個人として試合に参戦する騎士のことだ。 筆者がこの独占記事をまとめているまさに今この時、彼ら独立騎士にまつわるゴシップが次々と明るみに晒され、SNSで話題騒然となっている。ここで注目すべき点として、出自不明な独立騎士たちにロマンある想像を馳せる視聴者が日に日に増えている一方で、 独立騎士たちが無名の一般人から、誰もが知る騎士になるまでの過程に関心を持つ者は少ないようだ。これら一連の背後に潜む不文律ーー「暗黙の了解」に関しては、知らぬを通り越し、想像すら及んでいない。

ここしばらくの覆面調査の結果、筆者はあることに気づく。騎士協会から発行された合法的な資格証明書を所持している独立騎士も少なからずいるが、彼らが騎士となった目的はチャ ンピオンを狙い名誉を追い求めたいわけではなさそうだ。勝利するよりも、 如何にして観客の注目を浴びられるかに尽力しているようだ。そのためならば奇抜な衣装を纏うことも、過剰なパフォーマンスで戦うことも惜しまない。こうしたアピールを経て彼らはようやくヘッドハンターの目に留まり、より多くのメディアリソースを勝ち取り、「キャラ作り」をしてもらい売り出してもらえるとのこと。これに対し、騎士協会は独立騎士の行動を規範化すべく新たな規定を頒布するかどうか、今後の動向が注目される。”

記事本文より

2. 「燭騎士の美しさに息も止まる、その一瞬を記録 観客『二度と忘れられない』」

“リターニアより来たりしアーツの奇才!登場するや否やメジャーの競技規則変更を余儀なくさせた人物。そしてトリュフグローブ城の女主人であり、セレブたちに豪華に対する認識を改めさせた当人である。彼女こそ指先一つ、微笑み一つで無数の競技ファンを魅了した騎士ーーヴィヴィアナ・ドロステ!メジャーシーズンもちょうど折り返し地点、ここでぜひ筆者と共に燭騎士の今季の素晴らしいパフォーマンスを振り返り、息も止まるような美しく至高の瞬間を切り取っていきましょう!

予選の対渓流騎士戦において、燭騎士は我々に彼女のリターニア伝統的なアーツに対する造詣の深さを示し、燭火で瞬く間に相手の刃を鉄の水へと溶かした。メジャー初戦では戦鼓騎士と相対し、序盤は猛攻を前に体力を温存する戦術をとり、後半から彼女の代名詞とも言えるアーツで容赦のない反撃に転じるという、騎士競技の戦い方への理解の深さを見せてくれた。バラエティー競技では、観衆に極上の視覚の宴をもたらし、会場がそのまま彼女のひとり舞台に!この試合を生観戦した観客の一人からは「記録ビデオを十本も購入しました!この素晴らしい時間は一生忘れられない……家族や友人とも分かち合おうと思います!」との熱い感想を頂いた。”

記事本文より

3. 「大騎士領に姿を現した征戦騎士、目を引く高級装備。 制作に関わった企業は? 秘密を大公開!」

“昨日の停電中家に籠っていた諸君は実にもったいないことをした。なぜならば、近年最も珍しい場面を見逃してしまったのだから。なんとーー征戦騎士が大騎士領にやってきたのだ!画一した制式化装備を整然と身に纏う騎士たち、爛々と眩しく光る銀の輝き、目にしていればまぶたの裏に焼き付いたに違いない。征戦騎士の実力というものは、決して安くはない装備品の数々から成り立っていると言っても過言ではないだろう。

カジミエーシュの辺境防護を務め上げるこの軍事力、興味が湧いたならば筆者と一緒にその一角を担う装備メーカーを覗いてみよう!

そのうちの一社ミェシュコ社からーー最新商品X1シリーズ登場!銀色に輝くX1シリーズ・騎士セットは新しい複合材料を用いており、高名な装備設計士からの軽量化アドバイスを受け、最大限に負担を減らすと同時に最大限の防護を与えてくれる。これを身に着ければ如何なる試練も耐えられるだろう!

征戦騎士たちの制式化装備に比べて、 X1はモジュール化した改装を可能としており、同時に最大三つの部品を付け加えることができる。それでも物足りないという方に朗報 X1フラッグシップ型には高級カスタムメイドサービスもあり、装備に適応するのではなく、装備が君の嗜好に合わせてくれる!

それから、ミェシュコ社は装備愛好者やコレクター向けにX1-SEシリーズを展開。傷害の 危険性がある可変モジュールやスロットは付属しないほか、スペックはX1シリーズとほぼ 同様、それなのに値段はなんとX1シリーズの十分の一!多くの騎士愛好家にカジミエー シュ最強騎士に近づくためのたった一つのブラットフォームをご提供。この剣と盾をかざして、鎧を纏い、湧き出る光を感じ取れ!さあ、輝ける征戦騎士になろう!”

記事本文より

4. 「追魔騎士、耀騎士の家族に暴力!?片思い報われず」

“悠然と食後の散歩を楽しんでいたある晩のこと、筆者は偶然追魔騎士を見掛けた。いい機会だったのでインタビューをしに近寄ったとき、驚くべき場面が目に飛び込んだのだった 騎士競技のスーパーノヴァであるこの追魔騎士は、なんとメジャー参加を辞退したマリア・ニアールに殴る蹴るの暴力を加えている中ではないか!追魔騎士が外聞も気にせずにこのような暴行に走ったのは、一体何が原因なのか?そしてそれは果たしてマリア・ニアールの背後にいるであろう耀騎士とはどのように関わるのか、ことの真相を暴いて見せるとしよう。

本紙がつかんだ情報によれば、追魔騎士は実は昔から耀騎士に幕情を抱いていたという。はるばる大騎士領にやってきてまで試合に参加したのはニアール家に婚姻を申し込むためであり、試合中の激しい攻撃も自らの英姿を耀騎士に示すためだそうだ。敗退後、追魔騎士はそれでも耀騎士に婚姻を申し込むのだが、 耀騎士に自身が思いを寄せるのはペガサスのみだと言われ、その場で断られてしまった。そしてニアール家の年長者であり、姉妹二人の金で養われている叔父が登場し、追魔騎士をこっぴどく侮辱して門を閉じたのだという。

惨めに振られた追魔騎士は、一転して胸に残る恋心を耀騎士の妹であるマリアへと向けた。だが、追魔騎士があるバーの前でマリアを見つけて愛を告白した後、なんと彼女の口からすでに婚約を結んでいる身であることを告げられ、あまり関わり合いたくないとまたもや断られてしまうのであった。こんなことがあるだなんて誰が想像できただろうか! 続けざまにショックを受ける追魔騎士、彼の愛情は憎しみへと歪んでしまった。ついにはなりふり構わず、その場でマリアに手をあげ、彼女に重傷を負わせてしまう結末となった。

筆者は心よりマリア嬢が無事に今晩を越せるようお祈り申し上げるとともに、追魔騎士のこのような不当な行為を強く批判したい。 そして読者諸君には、この件を反面教師として、自身や身内の財産と身の安全の確保をしっかりと行って頂きたい。”

記事本文より

5. 「英雄の幕引き!? 血騎士がカジミエーシュでの騎士身分を放棄と表明! ニアール家の脅しか」

“近日、筆者は血騎士とのコンタクトに成功した。 このかつてのチャンピオンは、ニアール家の最も若きチャンピオンである耀騎士に敗北を喫した。そんな彼の近状はいかがなものだろうか?そしてこのような失敗を経て、 彼に次の大会に挑む余裕はまだあるのだろうか?周りの予想を大きくして、彼は次の内容を吐露したーー近いうちにカジミエーシュの騎士身分を放棄する、と。それは元チャンピオンに敗れるという屈辱に耐えられなかったためなのかって?それもあるかもしれないが、本紙が入手した情報によれば真実はそれに止まらなかった!

読者諸君はおそらく「血騎士と耀騎士が手を取り合って、チャンピオンウォールまで共に歩いた」なんて逸話や、征戦騎士までもがその道中護衛を務めたといううわさをすでに耳にしたのではないかと思うが、事実はそんなステキな話ではなかったのだ。

耀騎士は血騎士を打ちのめした際に「苦難とを畏れるべからず!」というニアール家の家 調を大声で唱えたが、その実それは血騎士に向けた「自身の背後には一族の支持がある」 という宣言だったのだ。またその後血騎士に肩を貸し立ち上がらせた行動にも、彼を打ち負かすことができれば、やり直させることもできるというメッセージが隠れていたのだ。 なんと恐ろしいことだろうか!征戦騎士による護送についても、少しでも深く考えれば戦慄せずにはいられない。遥か彼方に駐在していた征戦騎士たちが一晩で大騎士領に集うという事実その背後にはどのような人物の命令があったのだろうか?護送されていた間、 血騎士は重傷を負いながらニアール家から命を脅かされたりしなかったのだろうか?これらの不番な点をまとめると、ニアール家が思いもよらない手段を用いて、今回のメジャーに横やりを出しただけではなく、試合後に参加した騎士たちを脅してまで自分たちの目的を果たそうとしていたことは想像に難くない。 これまでニアール家を見下してきた者たちにとっては、遠からずに自分の軽率さの代償を支払う日が訪れるかもしれない......”

記事本文より

7. 「ノヴァ騎士団内部調査結果公開、燭騎士に告発多数か」

“かつては騎士協会がわざわざそのために試合の規則改定を行うほどだった彼女も、今や騎士団の内部調査を受けるこの零落ぶり。無数の技愛好者を一目惚れさせたというのも今や昔、各方面からのバッシングが一向に止まない。ヴィヴィアナ・ドロステ、いったいどれほどの不義があって、一時は時代の煌めきであった騎士が今の境地に至ったのだろうか?

本紙の情報によれば、 国騎士の私生活にかかる出費は桁違いであり、以前から大衆に知られているワイン風呂やイケメン従者の他に、彼女には詩という嗜みもあるそうだ。 しかし残念なことに、このように雅な趣味であっても、 騎士の手にかかれば俗世の塵まみれになって しまう。情報によると、燭騎士がコレクションしているのはカジミエーシュトップレベルの詩人の直筆サイン入りの限定本で、その購入資格を獲得するためだけでも一般人の一年分の収入を要すほどだ。その上で実際に手に入れるにはさらに一般人の年収二、三年分では効かない資金がいるとのこと。 このようなあまりにも高価すぎる限定本、 燭騎士の本棚には隙間なく詰め込まれているという。騎士の収入と釣り合わないこのような財力はうらやましいと思わせる一方で、いったいどこからこれほどの巨財を調達しているのかという好奇心も抱かずにはいられないだろう。

ところが、真相はいつも見るに堪えないものである。 ノヴァ騎士団が公開した財務諸表を見るに、 毎月の収支の中でかなりの顔が使途不明であることは明白!これほどの金銭は、いったいどこに流れ込んだのだろうか? 豪華な品々を身につけたあの気高い燭騎士の以前の姿を思い起こせば、その答えも自然と浮かび上がるだろう。内部情報によると、 不正会計の関係者はすでにノヴァ騎士団から除名されたそうだ。果たして燭騎士にはどのような結末が待っているのか、判明次第また諸君にお届けしよう。”

記事本文より

 以上がザ・レッドワインの記事紹介です。ストーリーを読んできた皆様なら、記事のぶっ飛びっぷりはご承知の通りだと思います。
 後半になるにつれて、「血騎士が耀騎士に恫喝を受けた」、「燭騎士の隠された内部事情」など内容が露骨になっていることとを鑑みると、この会社がただのゴシップネタを扱う会社ではなく、もっと大きな「上」と繋がりのある会社だということを嫌でも連想させられるような造りになっているのがニクい演出ですね。シーボーンを送り込みたくなります。


第5 ハイビスの業務日誌

1. ハイビスの業務日誌、4日目!

2. ハイビスの業務日誌、10日目!

3. ハイビスの業務日誌、14日目!

4. ハイビスの業務日誌、19日目!


第6 おわりに

 今回、記事をまとめる際にストーリーを思い出していましたが、濃密なストーリーを補助する新聞記事も凄まじいボリュームだな…と思い知らされました。
 こういった作品で、立場が変われば同じものでも捉え方が違うということを分かりやすく表現しているのが今回のストーリーの特に興味深いところに感じます。
 個人的には、これからのカジミエーシュの行く末がどうなるか気になるところですが、そこはひとまず置いといて…。アークナイツらしい「騎士道精神」に溢れたとにかくいい話でした。