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ダールアルシファで一体何が起こっていたのか【原神】

注意
・『原神』魔神任務第3章終了までのネタバレ
・凄惨で残酷な描写
・疫病に関する描写
・有志の考察と個人的見解
また、原神をあまり知らないが興味を持った方のため、そして自分自身も復習する目的で書いている情報が多く、既プレイの方には「わざわざ分かりきったことを書いててくどい」と思われるかもしれませんがご容赦ください。

 私、心底は8月から『原神』をプレイしはじめました。第一印象といえばリリース当初の規約問題を風(インターネット)の噂で聞いたり、可愛らしい相棒的ポジションと思われるマスコットを非常食と呼ぶという不可思議な言動などの薄い印象しかありませんでした。
しかし、いざ蓋を開けてプレイを始めると、濃密かつエモーショナルなストーリーに自由度溢れる広大なマップ、個性的なキャラクター、特徴的な元素システムなど、人を惹き付けて離さない数多の要因をひしひしと感じ、すっかり虜になってしまって最新のストーリー(間章第3幕)まで駆け抜けてしまいました。

そんな原神も、どうやら舞台であるテイワット大陸にある七国のうち4ヶ国目であるスメールへ突入。スメールは雨林と砂漠の国で、古代オリエント(中近東)やインド、エジプトを含むいわゆるシルクロードの地域をモチーフとしているようで、バクラヴァ(中近東や中央アジア周辺のお菓子)やパニプリ(インドの定番おやつ)、遠くにそびえる巨大なピラミッドにモチーフとなったであろう地域の特徴が見られます。

キングデシェレトの霊廟。地下はギミックだらけ。

さて、そんなスメールの砂漠エリアの一角には、ある小さなエリアがあります。

それがダールアルシファ、今回お話しさせていただく内容の舞台です。
本文章では、このダールアルシファで起こっていたことを詳細に解説していこうと思います。

 地名ではなく固有名詞なので少し浮いている。

 “ダールアルシファ”とは?

  砂漠エリアには七天神像と接触することによってマップ機能が開放される3つのメインエリアの他に、いくつかのサブエリアがあります。
かつて砂漠に強大な文明を築いたキングデシェレトの霊廟、広大な砂漠の中で水を湛えるソベクオアシス、追放された学者たちが集うアアル村など、様々なサブエリアがあり、それらが魔神任務や長編世界任務(例:古き物語と新しき友人)の舞台となります。

 ここ、ダールアルシファはそんなサブエリアの一つで、魔神任務第3章第4幕「赤砂の王と三人の巡礼者」で訪れることになる場所です。
他のサブエリアと違い異質を放っている点として、最初に目につくのは名前でしょう。
この“ダールアルシファ(Dar al-Shifa)”はアラビア語圏の病院の名前として実際に使われており、「健康の家」という意味があるそうです。病院としてはピッタリとしか言いようがない名前です。

余談だが簡体・繁体字では「活力之家」という。
活力豊富なスタッフが皮肉を込めたのだろうか?

しかし、原神のダールアルシファは傭兵であるエルマイト旅団が居座っている廃病院で、健康とは縁遠い廃墟群と言っても過言ではない有り様です。この寂寞とした場所で、一体何が行われていたのでしょうか?

 旅人 in ダールアルシファ(魔神任務)

 旅人一行が訪れることになるのは前述の第3章第4幕「赤砂の王と三人の巡礼者」です。
旅人はスメール教令院の書記官である(のに筋肉が多すぎる)アルハイゼンの助けにより、アアル村に住むシャニという女性から「夜中に遠くから泣き声が聞こえてくる」という情報をゲットし、泣き声が聞こえてくる方向にある廃病院、ダールアルシファへと赴きます。
ダールアルシファに到着した旅人一行は入り口にあるギミックを解き、泣き声が聞こえてくる夜にダールアルシファを調査します。

左の上腕二頭筋がエグい人がアルハイゼン。
実装決定おめでとう。

旅人一行は、廃病院の地下にある病室で泣き声の主であり心神喪失状態で取り残されていた教令院の学者ラザックを発見し、アルハイゼンの推理や教令院の行いに驚きながらもアアル村へと戻ります。

地下の病室。花瓶やキャンディ缶などがある。
それらは全て朽ち果てようとしている。

魔鱗病とは?

風土病かつ伝染病、それが魔鱗病であり、その患者の隔離・治療を専門とする病院がダールアルシファです。

一旦、魔鱗病についておさらいしましょう。

魔鱗病とはスメール特有の風土病で、ver3.3(~間章第3幕「伽藍に落ちて」)現在までスメール以外で魔鱗病が発生した描写はありません。
罹患者は皮膚が灰または黒と表される色(ティナリ談: 下画像、公式ムービー「砂中の遺事」: 灰黒色)の鱗に覆われ始めます。さらに皮膚が変化した部分の痺れから始まり四肢の指に力が入らなくなり、制御を失い、最終的には完全に動くことができなくなり死に至る病です。

ティナリによる魔鱗病解説。
筆者が説明したい事は正直この一枚でほぼ片付く。

この病の恐ろしいところは完全な治療法が存在しないということです。雨林のレンジャー長で植物やキノコに詳しいティナリ、スメール教令院ですらこの病に対して無力でした。
完全な治療法が存在しないと強調したのは、症状進行の抑制自体は可能であるからです。
公式漫画『原神セレベンツ』で、コレイは魔鱗病の治療という名目でファデュイの手に渡り、魔神の残滓を注入されています。コレイがファデュイから逃れモンドで魔神の力を封印するまでの間に、魔鱗病の症状は見られません。

ところで、先ほど魔鱗病を伝染病としましたが、実際に何かを媒介して伝染したという記述は(筆者の知る限り)存在せず、ドニアザードは普通に出歩いて(脱走ともいう)ディシアやニィロウと親睦を深めています。
ですが、セレベンツ10話のコレイの回想に登場する市民の態度や、伝教士がコレイに対して「感染者」と呼んでいること、ガンダルヴァー村のコレイ宅への橋が落とされていること、コレイだけがレンジャーの中で別行動を命じられることが多い点など、迫害はもちろん隔離とも取られる扱いが見られることから、多くの人々の中で魔鱗病は伝染病という共通認識があるとあうことが分かります(どのように伝染しているかは別の方の考察をご覧ください)。

橋が落とされているコレイ宅。

魔鱗病の起源と根絶

 長くなりますが、ストーリーを振り返ってみましょう。
魔神任務第3章第4幕の終盤、砂漠の異変に巻き込まれて辿り着いたキングデシェレト文明の地下遺跡で、旅人一行は祭司カサーレが残した記録を見つけます。

 キングデシェレト(スカーレットキング)がこの世にもたらした「禁忌の知識」は疫病のように広がった
狂気なるうわ言が心を満たし、灰黒色の鱗が背中を覆った

【原神】ストーリームービー「砂中の遺事」 より

残された記録から、魔鱗病は「禁忌の知識」というものによってもたらされたことが判明しました。そして、それを防ぐために先代草神マハールッカデヴァータが尽力し、幼子のような姿になってしまったということも。

魔神任務第3章第5幕「虚空の鼓動、熾盛の劫火」の終盤、旅人は現代草神クラクサナリデビことナヒーダと共にマハールッカデヴァータの残された意識と邂逅し、彼女の口から真実が語られました。

世界はあれを「排他」しつづける。でもそのせいで、世界にも様々な「症状」が生まれるの。

マハールッカデヴァータ

どうやら、魔鱗病や死域(森に植物や生物に有害なエリアが生成される現象)は「禁忌の知識」に対する免疫反応のようなものらしいです。

500年前の厄災の発生時、マハールッカデヴァータはテイワット世界のトップである「天理」から世界樹を守ることを命じられていました。「禁忌の知識」は厄災と共に降臨し、世界樹の浸食を始めました。
上手く「禁忌の知識」を原神世界のアカシックレコードである世界樹から根絶したと思っていたマハールッカデヴァータでしたが、その世界樹の化身であった彼女は「禁忌の知識」に対処しているうちに自らがそれに汚染されてしまっていたことを知ります。世界樹の化身であるマハールッカデヴァータが侵されている限り、世界樹を通して「禁忌の知識」は世界を蝕み続けるでしょう。
マハールッカデヴァータ本人が死んだとして、世界樹から消去されるわけではありません。死はPCのごみ箱に入るというだけであり、“ごみ箱を空にする”でPCから完全に消えるわけではないからです。そして、ごみ箱の中から自分に“ごみ箱を空にする”を実行できないように、死んだ彼女自身を他者の記憶、さらには世界樹から消す方法もありません。

よって、彼女はまだ「禁忌の知識」に侵されていない世界樹の枝を折って“新しい草神”として輪廻転生、手がかりを辿らせて世界樹から自らが存在していた記録を消去してもらうことを決断しました。
 分かりやすく言うと、ウィルスソフトを何とか潰したと思ったらアンチスパイウェア(ウィルスバスター)自体がウィルス源と化していたので、安全な新しいアンチスパイウェアをプログラムして、PCから自らを完全に消すために己をバスターさせることを決めたわけです。男気。
そして、500年前にマハールッカデヴァータは没し、幼いナヒーダが発見されたのです。

世界が…私をどうか忘れてくれますように…

マハールッカデヴァータ
ストーリームービー「折れた枝、落ちた夢」より。
ナヒーダの手で残された意識も消去されていく。

世界樹からマハールッカデヴァータという存在を消去したことにより、今度こそ完全に「禁忌の知識」は消滅しました。
これにより、死域は新しく出現することがなくなり、魔鱗病は完治しました。マハールッカデヴァータという偉大な前草神の足跡は消え、全てクラクサナリデビの偉業に改変されました。
こうして、スメールに平和が訪れたのです。

旅人 in ダールアルシファ(自由行動)

 さて、こうして魔神任務第3章『虚空劫灰のプラーナ』が幕を下ろしたわけですが、原神はこれで終わりというわけではありません。
魔神任務の他にも、世界任務(特別なクエスト)やゲーム内の書物、NPCのストーリーまでもが作り込まれています。

そして、それはダールアルシファも同じです。

学者ラザックが取り残されていた場所に行くと、「古びた鍵」が落ちています。それを拾い、地下の病室へ降りる梯子がかかっている部屋の小さな棚を開けると、カルテ診断書が発見できます。そこには患者アッバスの状況と、患者たちがナンバリングされて実験台となっている様子がありありと書かれていました。

█████が担当医師になってから激変した。
人間を○番サンプルと呼称している。

このカルテと診断書を発見するとアチーブメント『「私」が生まれる前に』を獲得できます。

人々/彼 は 患者/█████であると推測される。

また、廃病院の正面右側にある不自然な凹みに落下攻撃をすると、ダールアルシファの地下に行くことができます(ムービーを挟みます)。

地下で発見するメッセージの一例。
「神」への赦しを乞い、己の行いを悔いている。

この洞窟は一見すると袋小路に見えますが、破壊可能な脆い岩の壁が何枚もあり、最終的にダールアルシファ南の崖から名も無きオアシスの前に通じます。
外に通じる最後の脆い岩壁を破壊すると、再度ムービーが挟まれます。

 外に出られたことに驚く旅人とパイモン。

 ムービー最後に映った農具を調べると、アチーブメント『病院の巣の上で』を獲得できます。

「俺」が死ぬ前に

 旅人 in 魔神任務の項目では触れませんでしたが、壁や花瓶、食器には一週間の献立や職員・患者の名前が書かれています。どうやらこのダールアルシファには少なくとも7人の人間がいたようです。

緊急事態が発生した場合は、当直の医師に直ちに連絡できます。
月曜日: イブラヒム
火曜日: ██████
火曜日:アムディ
(残りの部分は空白になっている。)

「今週の当直」

(瓶の口から中を覗くと、黒い枝の一部が残っていた。多分花を飾っていたのだろう。)
(瓶の底には、「エバンへ」という文字が刻まれている。エバンという人物への贈り物らしい。)

古い花瓶

(お椀に名前が入っている。「ハーキム」)

埃を被った食器

(缶の口にゆがんだ文字で「アルバーツ」、「アッバス」、「キャンディ缶」と刻まれていなければ、この汚い缶がキャンディ入れだったとは想像できなかっただろう。)

黒くなったキャンディ缶

最低でも3人の医師(黒塗りを別人とカウントして)、4人の魔鱗病患者が過去に存在していたようです。
そして、その中でもアッバスは末期患者であったことが地下病室の壁に書かれています。

 アッバスの未来は明るくはなかった。

アッバスたちダールアルシファの患者は、治療という名目で(恐らく)火曜の当直である█████から様々な実験を施されていました。
カルテこそ回復の傾向が書かれていましたが、それは診断書にあるような過酷で倫理に反する実験によるもので、その治療というものは新たな皮膚や四肢との交換を行う置換療法、臓器████████████(診断書にある実験はこのように黒塗りばかりである)という、まるで患者をモノ扱いしているようなとても酷いものでした(実際、担当医師である█████は診断書内でアッバスをIV番サンプルと呼んでいます)。

そして、医師█████の実験に耐えきれなかったアッバスは隙をついて逃亡します。

 アッバスは何処へ?

脱出したアッバスは、脆い岩壁があったダールアルシファ地下の洞窟に逃げ込んだようです。岩を崩し、地下を進み続けた痕跡が洞窟に残っています。

壮絶な掘削作業とアッバスの苦悩が綴られている。

アッバスは逼迫したこの現状に煩悶し、神に祈りを捧げます。死んでいった患者たちの救済を願い、神への謝罪を述べます。

 先に逝去したであろう患者たちを想っている。
アッバスの本音。
また別の場所に書かれたメッセージ。

壁のメッセージを見る限り、ハーキムが先に亡くなり、エバン、アルバーツも続いて亡くなってしまい、最終的にアッバスが残されてしまったようです。アルバーツに至ってはまだ子供で、アッバスとキャンディを共有しているほど仲がよかったようです。

エバンがハーキムを弔うのをアッバスは見ている。

彼は洞窟の壁を崩して掘り進め、ようやく外に出ることができたようです。外に出ることができた、もしくは外の兆候を感じた彼は洞窟の壁にこのようなメッセージを残しています。

簡潔だが経緯を知ると強い感情を感じる一文である。

何はともあれ、アッバスは生きてダールアルシファから脱出することができました。そして彼は採掘に使っていた道具を手放したのです。その道具こそが『病院の巣の上で』を獲得した際、出口の脇に打ち捨てられていた農具です。
ボロボロの農具は、長期間または荒々しい用途で使われていたであろう様子が見て取れます。

姿の消えた患者、名前が消えた医師

アッバスの担当医師、火曜当直の█████は一体誰で、どのような人物だったのでしょうか?
これについては、他の世界任務やスメール各地に散らばるヒントからある程度推理できます。

先に結論から言うと、ファデュイ執行官第二位「博士」(ドットーレ、以降博士)である可能性が高いです。彼は今回の魔神任務で暗躍していただけでなく、同第六位「散兵」(スカラマシュ)に関する問題の元凶でもあります。

その前に、これから話す上で前提とする博士についての簡単な情報を予めまとめておきます。

  • ファデュイ執行官の第二位である。

  • 博士は自らの研究のためなら手段を選ばず、人の命を何とも思っていない冷酷かつ非情な人物で、学者の嫌な点のテンプレお中元みたいな男である。

  • 博士は年齢ごとにクローン(「断片」)を作っている。

これらを踏まえつつ、█████が博士だと主張する根拠を話していきます。

1.魔鱗病研究

博士は3.0で解放されたスメール雨林エリアの各地で足跡が確認されています。
世界任務「森林書」では草神の眷属で森の精霊と呼ばれるアランナラを捕まえることを試みていたことが判明します。
森林書「ヴァルナ伽陀」で訪れるアパーム叢林の地下にあるヴァルナ神器、その近くに落ちていたボロボロの記録から博士の意図を知ることができます。

アランナラが操る「夢」の力の兵器転用が目的。

「森林書」では、ヴィマラ村の子供たちが失踪するも、前後の記憶を失った状態で発見されるという事件が起こっていました。
これは博士の実験サンプルとしてさらわれた子供たちがアランナラの手によって救出され、アランナラによって記憶を消去されていたことが真実だったようです。
この際、博士はアランナラ捕獲のために子供たちをさらったわけではなく、死域の研究のために子供だけではなく大人も誘拐していました。

「空想の友達」はアランナラだ。
アランナラは大人になると見えなくなってしまう。

この成人サンプルIII、IV番とされた男女二名は博士の実験によって凄惨な死を遂げています。

森を救う冒険劇のはずがエグい描写を見せられた。
3.0実装時のスメールで五本指に入るホラーシーン。

彼らは死域に含まれる正体不明の物質を故意に投与され、皮膚の病変や臓器、血液に異変が起きています。
これらの部位はダールアルシファにあった診断書で言及・示唆された部位と一致しています。
皮膚は言わずもがな、臓器██(長い黒塗り)、██(長い黒塗り)循環と、何やら二つの研究には関連性がありそうです。そもそも魔鱗病と死域はどちらも「禁忌の知識」によってもたらされた災いなので、似たような症状が出てもおかしくなく、人間版死域/森版魔鱗病と考えてもよいでしょう。実際、ナヒーダも魔鱗病のことをそのように表現しています。

魔神任務第3章第3幕の冒頭より。

また、博士は過去から意図的に魔鱗病患者を増やしていたようです。長くなるのでここでは詳細を語らず、代わりに有志の方の考察がまとめられているのでそちらのリンクを貼っておきます。
(2023/9/4追記: サイト移行のため、noteに投稿されている記事が非公開となっているようです。下のリンクは篝火文書店さんのザンディク=「博士」説という記事でした。お手数ですが同名の記事をお探しください)

2.共通点

ボロボロのメモとダールアルシファの診断書には共通点が多くあります。人間をサンプルと呼び、番号をつける冷酷さ、災禍から兵器転用の可能性を見出だす点などがそうです。
スメールは知恵の国であり多くの学者が教令院に在籍しています。しかし、他者を能動的に害し研究のために危険に身を易々と投じる人間というのは多くはありません。

以上の理由と有志の考察から、
博士=ザンディク=診断書の医師=実験の責任者
という考察に至りました(博士はスメールを追放されていたため、診断書の医師と実験の責任者は博士の「断片」である可能性が高いですが)。
スメール各所で暗躍する博士、彼の悪行は今後も各地で語られていくのでしょうか?

ハッピーエンドか、それとも否か

 まとめると、ダールアルシファで起こったことの顛末とは“「博士」による凄惨な人体実験と患者アッバスの決死の脱出劇”でした。

しかし、アッバスはどうなったのでしょうか?

彼のその後については、ver3.3配信時点では語られておらず、動向が掴めていません。
そもそも、ダールアルシファ自体が旅人がスメールに到着する数年前に閉鎖しており、すっかりボロボロとなって多数のエルマイト旅団が居座ってしまっているほどの状況で、彼の安否確認は困難です。
彼は農具で洞窟を掘って外に出ることには成功しました。しかし、彼の四肢のうち置換療法で回復したと名言されているのは左腕だけです。診断書が書かれた時点、二十週目の時点ではその左腕すら回復傾向にあるだけで完治には至っていません。そのような状態で脱出に成功しても、アアル村まで生きて辿り着くことができるとは限らないのではないでしょうか(出口はオアシスの目の前ですが)。
また、完治する前に逃げ出したのだとしたら、例えアアル村まで生きて辿り着いたとしても他の患部の悪化により亡くなってしまっている可能性は大いにあります。その場合、残念ながら元々末期患者であるアッバスが長く生きられる可能性は低いでしょう。

 最後に

 これで、ダールアルシファで起こったことについての解説(という名の長話)は終わりです。未だダールアルシファ、ひいては魔鱗病研究には謎が秘められていますが、これ以上の情報はメインストーリーの進行や新エリアの解放頼みでしょう。
しかし、私としてはmiHoYoはこれ以上アッバスについて語ることはなく、考察の余地を残してこの物語は終わりにするという予感が(何とな~く)あります。
何はともあれ、アッバスが黄砂に溶け入らず安寧を得られていることをただ願うばかりです。

おまけ

原神の作り込みは半端なく、作中に登場している国ごとにアルファベットに対応している文字があるらしいです。何と、洞窟の壁に書かれていたこの文字(下画像)も一応読むことができるらしいです。
いわゆるスメール雨林文字で書かれているこれらの文章、翻訳してみるのもまた一興では?

DO NOT MANIC DO NOT MANIC DO NOT MANIC
YOU GREATER THAN THE SANDSTORM
BRIGHTER THAN THE SUNLIGHT
CEASE THE TEMPTATION

一回しか表示されないダールアルシファのメモ・診断書の見やすい画像の使用許可をくださった原神回覧板さん、リンクを許可してくださった篝火文書店さんに深く感謝いたします。

下に原神回覧板さんのリンクを掲載しておきます。

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