仏法的グリーフケアに際する一考
ー急死された方のご遺族や近しい方へのケアー
コロナ禍となり、働き盛り、そして若者の自死が統計上にても明らかに増加しています。
また、コロナはじめ、心不全、脳梗塞などの要因により急死される方が、私の周りで多くいらっしゃり心を痛めております。
私は僧侶の役割として、ご遺族との関係性に応じてグリーフケアのお手伝いをさせていただいています。
まず葬儀へのご縁をいただきました折には精魂込めて勤めさせていただいております。
さらに葬儀・火葬後、四十九日までのケアが特に大切だと思っております。それはこれからの故人との関係性再構築、そして自らの今後の生き方基盤になる大切な時期だからです。
この時期に際し、私は自らが葬儀執行有無にかかわらず、ご縁をいただいた方にはできるだけ丁寧に寄り添わさせていただいています。
グリーフケアの働きかけとは、故人とご遺族や近しい方との関係性を再構築する手助けをさせていただくこと。当人が、その力が沸きだすまで信じ見守り続けること。
その再構築となる指針創りの大きな初動が仏教では葬儀となります。
しかし、葬儀だけでは足りなすぎると感じています。なぜなら故人のいない日常の辛さと、これからずっと付き合い続けなければいけないので。そして故人とともに歩まなければいけないので。
ご遺族のこれからの生き方の意味付けを、体感的に寄り添いながら共に構築していくお手伝いをしていくこと。
これこそが、仏法という智慧を授かっている僧侶の役割かと認識しています。
僧侶は本来葬儀をやって終わりでなく、葬儀からがご遺族の人生を見守る大切な役割と責任を担う存在。本来葬儀のお布施というのは、そこまで含めお任せしますという意味だと捉えています。そして、そこまで請け負う覚悟のない僧侶には、お布施の高低を唱える資格すらないはずです。
お別れに際する方々は、請け負う覚悟のある僧侶にもっと頼ってほしいと願っております。
ご遺族だから。近しい者だから。24時間悲観し続けなければいけないということはありません。
故人と向き合いながら、これから自分がどう生きていくかを見据えていくことを、一生かけて構築し続けていくこと。
そのスパンとやるべきことの指針の叡知が仏教には多々備わっています。
グリーフとなられた方が、ケアの指針として。故人との関係性再構築の指針として。
仏法を学ぶことがその助けとなれば有難いです。
私でよければいつでもご相談にのらせていただきます。お声掛けください。
2021.7.19
zafu代表 藤井隆英 拝
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