【後編】6プラスホールデム攻略記事、続き。

上記の記事で色々とショートデッキのコラムのようなものを書いてきましたが、50000文字と薄い本レベルの縦長になってきて、分ける必要を強く感じてきました。(読む側も編集側も負担に感じてしまうのは、本望でないので)

こちらでは新たに、中級者〜にも参考になるような6+ホールデム記事を書いていければ良いな、ということで続きを書いていこうと思います!

ハンドレンジやGTOなども含め、なるべく根拠や実際のデータに基づいた情報を、少しずつ載せていければと思ってます。

6+のプレイハンド数が10万ハンドを優に超え、強烈な下振れも経験しました。(上手いプレイヤーが増えたことで、EVが削られてる部分もあった)

ですがそこで破産レベルまで削られず、しっかり立て直せたことは、大きな自信にもなりました。

海外の有料教材を購入したり、友人とグループで議論を繰り返したりして、さらにショートデッキへの理解を深めることに日々尽力しています。

KKPOKERにおいては、月単位で6+環境面においてもプレイヤーはかなり入れ替わっていますし、前からいる人も打ち方がどんどん変わっていたり、切磋琢磨しあって成長していることを実感していますね。

というわけで続きをご覧ください。

(追加予定の見出し)
リバーでのブラフ・ブラフキャッチ考察
GTO戦略を用いた実際のハンドレビュー


中級編で参考になった文章など

ポーカーの勉強を深くしようと思うほど、「英語がもっと理解できれば...」と思うことが増えますね。

特に6+は日本語での教材などが少ないので、尚更そう思います。
直近では以下の記事は、最近ではとても参考になりましたので一部引用させていただいてます。

https://www.mypokercoaching.com/upswing-short-deck-course-review/
https://www.mypokercoaching.com/short-deck-poker-rules-six-plus-strategy/


上手いプレイヤーのプレイを見る重要性

・Tritonポーカー動画
・Kane Kalas
・ハイステークス卓の観戦 etc

私はTritonの6+動画をずっと垂れ流してる時期がありましたが、最近はスターズやKKなどのハイステークスキャッシュの観戦をすることが増えました。

海外の超ハイステークスは別世界すぎて参考にならなかったりするし、少し頑張れば手の届きそうなハイステークス卓の方が、よりリアルで現実味もあり、各プレイヤーの傾向と対策もできたりで良いことが多い。

同時に、上手いプレイヤーが誰で、どういうプレイラインを取っているのかを把握するということも大事になってきますね。

特に上手いと思うプレイヤーに張り付いて観戦してみると、「このハンドでリレイズするのか〜」とか色々勉強になることは多いです。


なるべく早い段階でコーチングを受けておく

コーチングを受けれるなら、なるべく早い段階で受けるとその後のポーカー人生が大きく変わるはずです。独学よりも圧倒的に早く上達でき、変な癖や勘違いの芽を潰しておくことができるので。

ただし、「本当に上手いプレイヤー」を探す必要があり、これは容易ではないです。短〜中期的に勝っているから上手いとは限らないのが厄介な所。

見極める目を持つのは初心者のうちは難しいですし、本当に上手い人にコーチングできる機会というのは滅多にないですが、もしそういう環境があれば、お金を払ってでも積極的にお願いすることで、最速で上達できるはずです。


コミュニティに参加する

コーチングを受けるのと同じくらい効果がある可能性があるのが、ポーカーコミュニティに参加することですね。

もちろん1対1でのコーチングには劣りますが、実質的にハンドレビューなどは部分的なコーチングと言えますし、有料無料問わず、熱心な議論が繰り広げられているところは質の良いコミュニティと言えるでしょう。


実はトゥワイスを使わない方がいい?

トゥワイス(2回や3回)を使った方が分散が減っていい、というコラムを前回のnoteで書きました。ですが最近は、場合によっては使わない方がいいなとも思っています。

特にタフコールしてくる相手ですね。「どうせこいつは毎回3回できるから」と思われてしまうと、相手が降りるか迷った局面でもコールが多くなり、フォールドエクイティが損なわれます。

もちろんナッツ級のハンドが入ってる時はタフコール歓迎ですが、セミブラフやブラフをする上では厄介で、実際は勝率の微妙なハンドでベットしていくことも多いですし、現状勝っていたとしても、ターンやリバーで捲られかねない。

あまりタフコールされるのも困るので、たまに断るようにしておく。それによって少しはフォールドの選択肢も多く持ってもらえるでしょう。

ですが、基本的には分散を抑えるために、使っていくことを推奨するのは変わりません。分散が苦にならないステークスならパスしてもいいでしょう。


ショートデッキプレーヤーの一般的なリーク

・十分なハンドをプレイしていない(降りすぎ)
・アーリーポジションからリンプが多すぎ
・アーリーポジションからのレイズレンジが悪い
・ボタンを十分に守っていない
・レイズへのフォールドが多すぎる

リンプしすぎているプレイヤーには、レイズ範囲を広げてスチールを増やす。ボタンで降りすぎているプレイヤーには、ハイジャックやカットオフからレイズ率を上げる。レイズフォールドが多いプレーヤーは、特に絶好のターゲットになる。


アーリーポジションからは全てリンプインが正解?

アーリーポジションからは、リンプorフォールドが基本戦略になる。AAやAKなどもそうですし、UTGからはレンジ内の全てのハンドで、リンプで入るようにハンドチャートは示しています。

スタックが50アンティ程度であれば、レイズ→フォールドはオッズ的になくした方がよく、そういう意味でもリンプは有効な戦略になる。

アーリーポジションのプレイヤーが降りた場合、ハイジャック、カットオフからはレイズインするハンドも出てくる。


ブラインドスチールは実はそこまで重要ではない?

ボタンのプレイヤーは、既にアンティを2つ分払っており、フォールドした人のデッドマネーがあるため、広いハンドでコールをすることができる。(=ほとんどのハンドでコールするオッズがある)

つまりスチールに固執しすぎるのは、ボタンで広いハンドでレイズコールしてくる相手の場合、ポジションの悪い状況でのプレイを強いられる。

逆に、ボタンで降りすぎる人については、ハイジャックやカットオフから絶好のスチールレイズ対象になる。

ブラインドスチールはもちろん大事な要素の1つですが、スチールをするハンドレンジや頻度は、ボタンの人次第で大きく変わります。


スタックサイズへの理解

海外のハンドチャートなどを見る際、50A、100A、200Aといった表記を見ることになります。

アンティが1$のゲーム($50-150)だとすると、50$でのプレイが50A。
いわゆるミニマムバイインですね。

スタックサイズによってハンドレンジも当然変わりますし、ショートかディープ、どちらが自分の適性に合っているかを知ることも大切です。


最も有利な席(ポジション)はどこ?

特にプリフロップでのレイズ頻度が多いプレイヤーは、ターゲットにしやすいです。目安としてPFR20%以上くらいでしょうか。

PFRが異様に高いルースプレイヤー(Aさん)がいたとして、その人のどちら側に座りたいでしょうか?左側であれば、彼のあとですぐアクションをする形。右側であれば、彼のアクションのあと最後に回ってくる形です。

答えとして、基本的には「右側」を選択したいです。
(彼がBTNのときに自分はCO、彼がUTGの時に自分はBTN)

理由を実際の状況で説明していきますが、例えば自分がAAを持っていたとして、1$リンプインしたとします。そして彼がレイズ3.5$。全員がそれにコールで最後のアクションが回ってきます。

残りスタックが49$とします。アクションはレイズorオールインですね。
この場合はオールインで良いと思いますが。

3.5$のレイズにジャストコールしている人が、50$のオールインにコールするのはかなり厳しいはずです。稀にプレミアでレイズをジャストコールして潜るということもあるでしょうが、大抵はミドルポケット99やATやJTsあたりのハンドであることの方が圧倒的に多い。

残りのバックスタックが少なければコールになりますが、全員コールするという状況には滅多にならないでしょう。まぁ全員にコールされても勝率は最も高いので長期的に全く問題なし。5人全員が降りた場合、3.5×5で18.5$のスチールになります。

もしこれがAさんの左側だった場合。

AAでリンプイン1$、全員がリンプ1$、Aさんが5$レイズ。
こちらからリレイズやオールインをして全員がフォールドした場合、5+1×4で9$のスチール。先ほどの例では18.5$でしたが、ポジションの違いでこれだけの差が生まれます。

逆にいうと、PFRが極端に低くプレミア以外はレイズしてこないようなタイトプレイヤーの場合、その人の左側に座るほうが得策です。

「タイトプレイヤーの左側、ルースなプレイヤーの右側」を基本に、席が選べる場合は、座る場所を決めるのも良いかもしれません。


アイソレートやスチールに積極的なプレイヤーの対策法

上に付随しますが、アグレッションの高いプレイヤーは、レンジの広いプレイヤーのPFRに複数人がジャストコールしてポットが膨らんでいる状況で、AJやKQなどのそこそこ強いハンドで積極的にリレイズやオールインを仕掛けてきます。

その主な目的としては、以下の2つです。

・膨らんだポットをスチールする
・あまり上手くないプレイヤーをアイソレート(日本語で分離・孤立の意)することで、フロップ後により有利な状況を作る

こういったプレイは比較的うまくて勝ち気なプレイヤーが好む傾向ですが、あまりにアイソレート目的のリレイズやオールインが多い場合は、AAやKK、AKといったプレミアムハンドでレイズをジャストコールして対策します。(但しこれは対象の相手が後にアクションを控えている場合で、既に先にアクションを終えている場合はプレミアハンドではしっかりリレイズしておきたい。)

もちろん毎回やるわけでなく、プレミアで通常通り素直にリレイズしていってもいいですが、フロップ後もトップヒットなどですぐ大きめのCBを打ってくるような相手であれば、より潜伏頻度は上げても良さそうです。

普通にリレイズやオールインをしたら警戒して降りられているところを、レイズにジャストコールしたことで、スチールのモチベーションや弱いプレイヤーのアイソレート欲も高まり、AQやKQなど広いハンドでリレイズやオールインをしてくれる可能性が高まる。その場合、こちらがAKやKK、AAを持ってぶつかれば、かなり勝率が高い勝負ができます。

上手いプレイヤーを出し抜くには、型にハマらない、常軌を逸したプレイも時に必要ですね。


ターンの重要性を再認識

6+ホールデムで最も重要なのは、プリフロップ・フロップ・ターン・リバー、どの段階でしょうか?

もちろん言うまでもなく全て大事ですが、早い段階で大きくぶつかりやすいという意味では、プリフロ>フロップの順に力を入れて学ぶと、初心者や最初の段階では、結果に結びつきやすいと思います。

ですが、中級者くらいの水準になってくると、ターンの戦略で大きく差が生まれていることに気づきます。(あくまで個人的見解です)

ターンでのポットベットは、ドロー系のオッズが合わなくなるため、オッズ計算ができる相手ほど降りてくれやすいのは、前回のnoteでも書いてます。

また、フロップで全員がチェックで回った状況も同じように、ターンで大きく進展する状況というのは限られます。(ボードによりますが)

そういう意味でも、ターンはフロップがチェックで回っている場合、大きく打ったもの勝ちになりやすい、ということはある。ただしこちらからターンで打つ場合、オープンエンド〜トップヒット以上を推奨します。打つサイズは2/3~POTベット或いはそれ以上が望ましい。もしくはガットやフラドロなどを含めたセミブラフですね。ピュアブラフで大きく打つのは、少しリスクが大きくなりすぎるかなと思います。

もちろん、相手からレイズが帰ってくる場合は危険ですし、スロープレイの多い(強いハンドで潜伏する)プレイヤーや、ターンでセミブラフ気味にリレイズをしてくるようなプレイヤーがいる場合は、ターンで打つハンドはより絞った方がいいでしょう。

こちらがターンで積極的にブラフやセミブラフも含めて打ってくるプレイヤーだという風に認識されていると感じる場合も、ターンで打つ頻度は当然下げる必要があります。ツーペア以上に限定するとかですね。


6プラって結局どんなゲーム?誰が勝つ?(考察)

最近改めて思うことですが、6プラは『確率の良いバカラ』だという認識をしています。笑

ギャンブルの主な期待値(還元率)は、以下のように言われています。
※大まかな数値です。

宝くじ 40~50%
パチンコ 80~90%
競馬(競輪・競艇) 75%

カジノゲームの期待値は以下の通り

ブラックジャック 96~102%
バカラ 98%
スロット 95%
ルーレット 94%

ルーレットやバカラはどう足掻いても長期的には、マイナスゲームですが、ブラックジャックにはカウンティングという手法があるため、これによりスキル差として期待値の上昇余地がある。

もちろんテキサスホールデム、ショートデッキも同様に対プレイヤーであるため、大きくスキル差が出ることで期待値100%を超えるゲームにすることが可能という感じ。

とはいえ通常のNLHより全体の勝率は丸くなっていることや、アンティで出ていく割合が大きすぎるため、比較的ルースにプリフロでじゃんけん(オールインやオールインコール)をしていく必要性も出てくる。

もし卓に1人ルースにオールインしてくるプレイヤーがいたとしたら、降り続けているととんでもないスピードで減っていきます。6人卓アンティ1に50アンティで入ったとして、1周(6ハンド)で7ドル減るので、7周(43ハンド)で自然死します。

プレミア(AAやAKなど)に絞ろうと考えた場合、プレミアが入る確率は全員長期的には当然等しいため、相手が持っていることもあるわけですよね。

AAに対して、T9などは35〜40%近く勝率があり、勝率は全体的に丸くなっている以上、降りすぎていたら損。タイトすぎるのも、このゲームで長期的に勝つことを難しくするかもしれません。ルースアグレッシブがいいというわけではなく、むしろハンドは絞ってタイトにやるべきではあるけれど、卓によってはルースにオールイン側やオールインコール側に回ったりする必要もあるというのが、最近の認識としてありますね。


マルチウェイ・オールインの勝率を高めるために

「マルチウェイ・オールインはどんなハンドで受けるべきなのか?」について。マルチウェイ(3人以上)でプリフロオールインになる場合、当然ポットはそれだけ大きくなるため、取れるかどうかは非常に大きくなります。

ここの勝率を高めるためには、3人目や4人目でコールしやすいハンド(勝率がしっかり残るハンド)を選ぶことと、相手のオールインレンジを考えることが不可欠になります。

例えばアンティ1の6人卓で、タイトプレイヤー(VPIP38%・PFR8%)がMPから50アンティオールイン。それにCOの平均的なプレイヤーが50A持ちオールインコール(VPIP48%・PFR15%)。自分がBTNで持っているハンドでマルチオールインにコールするのは、どのようなハンドが望ましいかを考えてみます。

自分はアンティで2ドル払っており、ポットに全体のアンティ分7ドル、それに上乗せ49ドルとして、105ドルが入っている。48ドルを出すことでコールでき、勝つと単純計算で153ドルが得られるとする。

48を出して153を取るためには、『31.73%』が必要勝率としては算出されます。

具体的な頻出ケースとして、以下のように考えてみます。

MP(タイト):AA、KK、AK
CO(平均):AA、KK、AK、QQ、AQ、JJ、JTs、T9s

MP側からのいきなりオールインにJTやT9s、AJなどが含まれている可能性は低く、AAやKK同士といったこともコンボ的には当然少なくなります。

よくあるぶつかり方としては、AAとKKだったり、AKとQQであったり、そのような形が最も考えられます。

COがMPのレンジをある程度認識していそうな場合、上を取られる可能性の高い、AQ〜ATといったドミネイトされやすいハンドは通常より少なくなりそう。その分、JTsやT9sが出てくる割合は少し上がりそうですかね。

〜相手がAAとKKの場合の3人目オールインコール勝率〜
T9s:32〜35%
JTs:30〜33%
89s:29〜32%
67s:22〜26%
KQs:16〜20%
〜相手がAKsとQQの場合の3人目オールインコール勝率〜
T9s:30〜32%
89s:29〜32%
JTs:27〜30%
TT:25〜27%
KQs:19%
〜相手がAAとJTsの場合の3人目オールインコール勝率〜
T9s:25〜27%
89s:25〜27%
QQ:20%
KQs:20〜22%
JTs:18〜20%

※スートの絡み方により、最大3%程度の誤差は生じます

これからから言えることは、T9sなどといったミドルスーコネは比較的広く勝率が残り、KQなどもろに相手のレンジと数字が被るハンドは、大きく勝率が落ちるということです。

もちろん2人目のJTsに対してJTでコールして丸かぶりするなどが起きた場合は、大きく勝率が下がってしまいますが、逆に相手がAK同士であった場合は、それ以外のほぼ全てのハンドで上を取れます。

〜相手がAKsとAKsの場合の3人目オールインコール勝率〜
QQ:51%
T9s、JTs:50%
89s:46%
KQs:36%

このことから言えるのは、「相手の想定レンジに多くありそうなA・K・Qの絡んだハンド(KQやAQなど)は、マルチウェイのオールインコールハンドに適さない」

「数字が被ることの少なそうな89sや9Tsといったハンドは、比較的勝率が残る可能性が高く、マルチウェイのオールインコールハンドに適する」

ということが言えそうです。

もちろん相手のレンジ次第で調整する必要があり、逆にどちらもルースなプレイヤーであることが分かっている場合、1人目がJTs、2人目が99みたいなことも出てきます。こういう場合は、JJやQQなどのポケットやAQ~ATのようなハンドでもコールしていっても勝率がしっかり残りますし、逆にJTやT9などを降りた方がいいケースも増えるでしょう。





今後、さらに追加していく予定です。

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