見出し画像

100年の演算

Vivy -Fluorite Eye's Song-最終話を観ました…。毎週の楽しみがひとつ終わってしまった。あんなに毎週待ち遠しかったのに。

さて、意外な終わり方だったと思うんだけどツイッター見てみると普通に感動してる人ばかり、というわけでもない感じ。

まあ俺が書いてた予想みたいなものは結果的にはずいぶんと的外れでしたwエヴァのせいで考察病みたいになっててダメだな素直に物語を楽しもうと猛省しました。

ところでこの作品は個人的にはとても素晴らしいと思うのですが猛烈に批判してる人もいます。まあ、何にでも否定的なことを言ってると気持ちいいと錯覚してるタイプの人が多いんですが、ちょっと難しいというかわざと説明不足にしてる部分があるせいかなと。

まあ普通に見てれば多くの人は気付くと思うんだけど気づかないでなんか批判してる人がいたから書いてみようかなと(また違ってたら大草原だけど)

最終回の最後でショートヘアになったヴィヴィが目覚めて終わるんですが、お客さんたちの服が古い(というか我々に近い)んですよね。あの緑の謎の線が入った未来人の服じゃない。

では、アーカイブによる人類虐殺事件の後に人類は再びAIが歌うテーマパークを建設し、人類を救ったキューブ型のAIとパートナーの歌姫AIを似せて作ったのが最後のあれなのかとすると変ですよね。あとヴィヴィの服も普通っぽいのもなんか気になったけど。

そして毎話の冒頭で当然のように提示されてきた正史と枝分かれするツリーのイメージ画像。そしてアーカイブがヴィヴィに言った言葉の数々を総合すると…

チーン

そうですね。これ全部アーカイブの演算上の仮想の歴史を我々見せられてたんですね。「シンギュラリティ計画」っていうのはその演算の名前なんだと。

そうすると特に説明されなかった「啓示」のことやマツモトが博士に過去に送られた「以降の人類の被害」を知ってたこととか何やら腑に落ちない部分がすっきりするというか。全部アーカイブの自作自演であり時間移動なんていう非科学的なこともノープロブレムになるわけです。まーそう言っちゃうとなんでもありじゃんって感じもしますが。

SFではターミネーターが代表的なように「AIが人類を滅ぼすことを決める」ってのはよくあるパターンですが、この作品は「ちょ待てよ」とAIがもう一度試算しましたって話なんじゃないかと。

これ、俺もよくニュースとか見て考える時にやるんですが自分の中に賛成派と否定派の人格を作って議論させるんです。そうすると最初の印象とは違うより客観的な見方ができるという。

この作品の場合はアーカイブが自身の中にヴィヴィという「歌で人を幸せにする」というざっくりしてるけど「人間に味方する」存在を作って今後起きうる人類とAIの衝突する歴史を歩ませて最終的にアーカイブが出した結論と一致するかどうかをやったのかと。ほんで、なんかちょっと曖昧な結論だったから念のためもっかい最後の部分だけ演算した結果、例えAIと人類が戦争を起こしても人類は再びAIに理解を示し手を取り合ったという最終話のエンドロール部分までの演算結果が導き出されたのかなと。

まあ今でも「富嶽」が飛沫の飛散とかを試算してますがコンピューター使えば100年の歴史も別に実時間使わないですからね。シムシティとかめっちゃ早送りできますしw

そうだとすると夢オチみたいなもんでなんかあの感動も空虚なものなのかと思いそうですが、そうはいってもアーカイブというAIが集積した存在の中に生み出された無数の人格たちが100年を経た物語なのは間違いないわけで、我々は30分13話のアニメで歩んだようにその感動の重みは時間とか実在するものかどうかは別に関係ないんだなとなんか哲学的なこと考えちゃいました。

最終話で遂に歌詞がついて歌われたエンディング曲の内容がえらい説明的だとは思いますが、あれこそが演算結果なんでしょう。

で、そうだとすると別にあのショートヘアのヴィヴィはアーカイブが作り出したヴィヴィと別物だとしても問題はないのですが、あれはアーカイブが「人類は滅ぼすべきか」の演算の副産物として現実世界に生み出されたのかなって。そうじゃないと「心を込める」ことが「思い出」であれば思い出がなければ心を込められないんだから、アーカイブの演算の中で100年を旅した仮想AIをインストールしないと意味がないというか、あの笑顔が目覚めた瞬間に出ないんじゃないかなと。だったらマツモトと初対面っぽいのはおかしいなって気もしますが…。そうじゃないと寂しいじゃないですか…。

ところでOPで制服姿で垣谷さんと戦闘してるあれはなんなんですかね。

サポート頂けたら…どうしよっかなぁ〜。答えはもちろん、イヤァオ!