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(6) M5StickC Plusとペルチェ素子で恒温水槽を作る - モード自動判定と長期動作の報告

夏の暑い時期になりました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。前回(5)の記事は昨年度末でしたので、4ヶ月ほど経ったこととなります。

モード自動判定について

その後、冷房モードと暖房モードの自動判定を、いろいろと試行錯誤しました。動作停止時の温度変化を拾って、温度が上昇するようなら冷房モード、下降するようなら暖房モードとかもやってみたのですが、センサーの計測時の揺れとかもあって、平均化したりなんだりと面倒だったので、結局「通常動作時の設定温度近辺の想定される動作幅を考慮した温度より、現在の温度が高ければ冷房モード、低ければ暖房モード、通常動作の想定の温度幅内だったらモード変更しない」ということにしました。まぁ、要するに「暑けりゃ冷房だし、寒ければ暖房として動作してくれ」ということになりました。「その間だったら、とりあえずそれまで動作していた、どっちかのモードで動作してくれれば面倒くさいことは言わない(そうでなければの空白がその意図です)」というプログラムです。ちなみに初期化時は「暖房」として設定しています。暑ければすぐに「冷房」に切り替わります。

モードの自動判定部分を追加

長期運用について

結論から言うと、駄目でした。
あんまり特定の製品についてどうこう言うのもちょっと良くないとは思うのですが、おそらく、使用したモータードライバの「最大電流50A」というのが誇大っぽいです。理論上12Aが最大なのですが、短いとすぐに、長期で使用できたとしても1ヶ月ほどでMOSFETが焼損しました。4回交換しているので、たまたまでは、なさそうです。
動作時にMOSFET部が高温になって、ヒートシンクが触れないくらいになるのですが、そんなに負荷をかけていたらそうなるでしょう。いや、モータードライバをモーターで使用していない時点で、想定外の使い方なので、文句を言えることでもなく、組んでいる回路がまずい、と言われればそうなのですが、さっき覗いたらAmazonの他のレビューでも、「そこまで電流流せないんじゃないか?」との声があったりと、このモジュールを使用するのはあきらめました。

代わりに使用するようにしたのは、これです。

Cytron社の20A DCモータードライバ。
単価が少し上がりますが、定期的に壊れて複数台買うことと比べれば全然安上がりだと思います。

「サインマグニチュードPWM」方式なので、PWM信号でON・OFF、DIN信号で、回転方向を決める方式です。制御方式が変わるので、プログラム的にはちょっと変更しなければいけませんが、関数部分のみ変更で対応できました。関数化しておくとこの辺が便利です。

【変更前】Pin32、Pin33の組み合わせで正転・逆転を制御する方式
【変更後】Pin32をPWM信号(ON・OFF)に、Pin33をDIN信号(回転方向)に変更

2日前から運用開始しましたが、MOSFETは、ほのかに温かいくらいなので、おそらく平気でしょう。スイッチサイエンスさんのサイトでは「ヒートシンクなしで20 Aを継続的にサポートすることができます」エレファインさんのサイトでは「ヒートシンクがなくても20Aの大電流を制御することができます」との説明があるので、そのへんは心配いらなさそう。
これでちょっと、しばらく動かして見ます。

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