【ポケモンSV】トリックルームのジレンマ【その2】
※前回の記事はこちらです。
キ「前回の話を振り返ると、こちらのサケブシッポがトリックルームを打ったことにより素早さ関係が逆転し、滅びの歌ラストカウントは次のターン、相手のクレセリアから始まります」
サ「ワザと後攻になる事で、こちらのカウントダウンを遅らせて勝とうという作戦だった」
キ「そうですね。次のターンに守れば見事勝利となります」
サ「しかし、ここで大きな問題が発生している」
キ「もしかして……トリルひっくり返されるとか……」
サ「そう、実は相手のクレセリアも『トリックルームを持っている』んだ」
キ「それって、根拠があるって事ですよね」
サ「試合の序盤で、こちらのトリックルームをクレセリアにトリル返しされている」
キ「マジですか」
サ「なのでこの時点では、勝負の行方はまだ分からない」
キ「なるほど。それで話が複雑なんですね。以上の事を踏まえて今一度、盤面を整理したいですね」
サ「これが、この試合最後の選択画面だ」
キ「うわ、サケシさんめっちゃ体力削られてるじゃないですか。相手の体力は満タンだし、これ歌っていなかったら必敗形ですよ」
サ「本当にそうだな。そして見ての通りこの盤面は、単純なトリル合戦という訳でもないんだよ」
キ「相手のムーンフォース喰らったら、サケシさん間違いなく吹き飛んじゃいますね」
サ「そうなんだ。この盤面は、こちらが有利なように見えて実は五分五分なんだ。むしろダメージを負っている分、心理的にはこちらが不利に思えるかも知れない」
キ「考慮時間が残り10秒近い様子から言っても、しっぽさんは相当迷っていますね」
サ「ここで、どうすれば勝敗が決まるのかを確認しておきたい」
キ「そうですね」
サ「お互いが取るべき行動を場合分けすると、以下のように分類される。それぞれ検証していこうと思う」
①サケブシッポ「守る」VSクレセリア「ムンフォ」
サ「これは、こちらが守って勝とうとするのに対して、相手は攻撃をして倒そうとしてきた場合だな」
キ「普段はこれで問題ないですよね。1番分かりやすい行動です。この場合は、こちらの勝ちになりますね」
②サケブシッポ「守る」VSクレセリア「トリル」
サ「次は、相手がトリルをしてきた場合だ」
キ「これは、こちらが守って勝とうとしているのを読んでトリルのお返しをして、行動順を元に戻そうとする動きですね」
サ「さっきと違って、相手はこちらの動きを予測した上で行動を選択している。攻撃を防がれたらそのまま負けになってしまうから、だったらトリルをやり返して相手の滅びカウントを先にしてしまおうという訳だな」
キ「この場合は素早さ関係が元に戻ってしまうため、お互い技を使った後の行動順はサケブシッポが先、クレセリアが後になります。従って、こちらの負けになりますね」
③サケブシッポ「トリル」VSクレセリア「トリル」
サ「それならばと、相手が攻撃して来ずにトリックルームをするのを読んで、敢えてこちらもトリックルームをした場合だ」
キ「これはお互いに読み合っていますね。こちらがトリルを打つのは相手の攻撃を受けるリスクがあるので、かなり危険な感じがします」
サ「一方で相手からしてみれば、トリル直後に自ら再トリルは、やり難い行動に見えるな」
キ「この場合、素早さの順番は変わらないため、こちらの勝ちになりますね」
④サケブシッポ「トリル」VSクレセリア「ムンフォ」
サ「最後は、それならばと相手がトリルをやり返さずに、攻撃してきた場合だ」
キ「実際の試合でこれをやって負けたら、何で守らなかったんだって話になりますよね」
サ「これまでの読み合いを踏まえると、全然起こり得る行動ではあるんだがな」
キ「この場合は倒されたらそのまま負けですし、相手の攻撃を耐えたとしても、トリルを打ってしまうので素早さ関係も元に戻ります。いずれにしてもこちらの負けになります」
サ「あとはこれまでの相手の行動を振り返って、どちらの行動を選択して来るのか予測するしかない」
キ「こちらは守るか、トリルを打つしかない。しかし同時に相手もこちらを倒すか、トリルを打つしかないというお互いに正解の無い状況であることが分かりました。この試合は結局どうなったのですか」
サ「では、試合の行方がどうなったかについては、次回に持ち越す事としよう」
キ「結末が気になります。早く知りたいですね」
続く。
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