虹の黄昏を新道竜巳がライブに呼ぶ理由

  「虹の黄昏」とは、げんしじん事務所に所属するお笑い芸人です。野沢ダイブ禁止、かまぼこ体育館からなるコンビで、漫才でもコントでもないエナジーというジャンル(?)のネタを1回の舞台で3~30分ぐらいやります。
 かといってM-1グランプリやキングオブコントも避けることなく参加し、昨年のM-1グランプリ3回戦では爆笑を起こしたが、漫才とかけ離れているせいか、審査基準を飛び越えてしまったのか、敗退となりました。
 舞台に登場してハイパーオリジナルの自己紹介を終えて「ネタやりまーす」と言い出したときには、既に10分が過ぎているときがあります。しかし「長い」と言い出すお客さんはおらず。時間の過ぎるのを忘れ、毎回楽しんで帰ります。
 BSのネタ番組では、制限時間3分のところを15分やり、オンエアを見てみたら1分になるという、お茶目な仕上がりの時もあります。癖の強すぎる芸風のため、嫌いなお客さんも絶対にいるはずですが、アンチを見かけることがないのが「凄い」と思うところです。その理由は、劇場では「虹の黄昏」を知らない人の方が少なくなっているのと、時間をかけて知らず知らずのうちに虹の黄昏の芸風が、見ている人間に教育されていっているためだと思います。
 M-1、キングオブコントの1回戦では、知名度ウケをするようになり、地雷を踏んだぐらいの爆風が吹き荒れます。彼らほど大きな動きで表現する芸人を見ることは少なく、貴重な存在です。プロダクション人力舎と松竹芸能では、養成所の特別講師にも抜擢され、業界からも注目されている。一見、「EXIT」の兄貴分のような「イエー」というセリフの使い回し方や、かまぼこ体育館の趣味がクラブというところも感じるところがあり、いつかツーマンやってほしいとか思ったりしています。
 僕がライブに「虹の黄昏」をコンスタントに呼ぶ理由は、実はしっかりとあります。今回はその理由をじっくり書きます。

ここから先は

3,726字

¥ 300

お金ちょうだい~お金ちょうだい~