MATCH終演。

9月になったら、風が変わった。
そう感じてます。テルです。

ステージタイガー「MATCH」劇場での終演から2週間が経ち、出演者・関係者から体調不良者が出ていないことが確認出来ました。無事に公演が終了致しました。

改めて、公演に関わった全ての方、お客様、そっと応援してくださった皆様。本当にありがとうございました。心から感謝致します。

稽古中のことや小屋入ってからのこと。色々書いておきたいとは思うのですが、あまりに長文になりそうです。端的にいうと、長いこと芝居してきましたが、今までしたことないようなことをたくさん経験したと言うことです。

稽古中、常にマスクをつけておく・外さない。というのは最初苦しかったんだけど……今年のこの酷暑やし、プラス大汗掻く芝居やし！・・でもいつしか、このしんどいのを経験したら、あれ？これ私、次どんなしんどい芝居もやれんじゃね？という気持ちに変わってた。

若い演劇人ならあるかもなんですが、2ヶ月半の稽古で一回も飲みに行かなかった。仕方ないけど寂しいなと思ってた。けど、帰り道だけで話すこと、その日の稽古のこと、どうでもいいこと。向かい合わず、ただただ同じ方向を、同じ月を眺めて話しながら歩く道が、最後らへんはなんかもう愛おしくなってた。

劇場に入ってからは、仕込みは全てスタッフさんがして下さり、私達が入ってからは完全にエリア分けがされていたので、役者は一度も客席やロビーに入っていないのです。なので音照スタッフさんとは会話も出来ずに終わり、申し訳ない気持ちやった。いつも場当たりで自分の出てないシーンの明かりを客席から見たりするけど、今回は自分がどんな明かりを浴びているのか、最終明かりは配信映像を見て初めて知ったという・・。でも、役者でありながらそれをお客様のように見ている自分がいて、とても新鮮でワクワクして、うわめちゃ楽しいやん！と思った。

お客様に検温や消毒をして頂くのに、お客様も緊張するよね・・と言う話になり、なんか楽しく出来ないかと言い出した誰かが、何人かに1回、消毒のプシュ押したら、谷屋さんの笑い声が鳴るシステムを作ろう！笑い声出た人は当たり！！とか言い出した時はみんな爆笑した。実はその時、私は涙出して笑っていた。（実際はやってないと思います・・）

劇場入ってからもたくさんしなければならないことがあり、本当に大変でしたが、この公演に携わって学んだことがあります。

しんどいことを、めちゃ楽しいことに変えるチカラ！

かな。
勿論、そんな呑気なこと言ってられるかい。と思う方もいると思います。でもこの状況でもやる！となった時には、こういう気持ちになれること、それを実行していくことが、とても大事なんじゃないかなと思った。

皆さん（皆さんでもないかな）ご存知のように、私はですね、とても運が悪くて、まあまあのネガティブシンキングな人なのですよ実は。でも、この公演に携わっている間は、周りにしんどいことを楽しく変える力が溢れかえってましてね。

ああ、こういうの…
こういうの、いいなぁ。

ってずっと感じながら稽古してたんです。それが古巣のステージタイガーの公演であったことも本当に嬉しかった。なんでこんな力が湧いてくるのかなと考えたんだけど……。多分「すごく信じてる」くらいしか思い浮かばなくて。

私、まあまあ人のことは強く信じてるんですが、今回ほど、作品を、劇場を、役者を、スタッフを、お客様を、公演の全てを信じたことはないかもしれません。自分の劇団の旗揚げ以来違うかな・・。それくらい信頼してました。強く信じるということはパワーになる。人間ってすげえな。演劇ってすげえなって改めて思いました。多分やってるメンバー皆そんな気持ちになってたんじゃないのかなと思ってるんです。

これからまだまだ続くであろう、この今の状況を生きていく上での、私にとっての大きな力を貰いました。

同じ時期に、公演の開催を断念された方もまた英断だったと思います。
今行った公演が無事に終えれたことは幸運なことであったと思っています。

一緒にやった役者・スタッフの皆さん、感謝でいっぱいです。そしてご来場くださった皆様、配信を観てくださった皆様、そっと気にかけてくださっていた皆様、本当にありがとうございました。公演が無事に終われたこと感謝致します。

また劇場で元気に皆様にきっと会えますように。
本当にありがとうございました。