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グルーヴなコースター

 もしかして終わってしまうのでは?と心配しているうちには終わらず、それから数ヶ月経った頃に終わってしまう。
『シンクロニカ』が当時よく通っていたゲーセンから消えた時もそうだった。いや、グルーヴコースターは終わっていないけども。
 今年のエイプリルフールになにもやらなかった時、うすうす嫌な予感はしたんだよな。
 


 アーケード版『グルーヴコースター』のHDD容量がいっぱいになり、現行の筐体ではこれ以上曲を入れられなくなってしまったらしい。
 新筐体は出すことができず、以降同ゲームでは楽曲の追加を停止し、オンラインサービスのみを継続していくそうだ。悲しい。歴史の重みだね。


 グルコスは、『太鼓の達人』を除けば私がはじめて触れた音楽ゲームだった。
 デレステ(あれはアイドルゲームだと思っている)にハマった時、なんとなくリズム系のゲームがやりたくなってググったら出てきたのがアプリ版のグルコスだった。「音ゲー」という言葉すら知らなかった頃だ。
 昔パズドラをやっていたこともあり、興味を持って入れてみると、プレイできる楽曲は一部クラシックを除いて知らない曲ばかり。正直とっつきにくい。
 しかし音楽と背景の世界観の交差が美しく、なんとも不思議なグルーヴや浮遊感に惹きこまれたものだ。それなのに操作は片手でもできてしまうほどシンプルで、それも純粋なグルーヴを感じられるようで好きだった。

 容量の問題でアンインストールしてしまい、再びグルコスに出会うのは太鼓の達人にハマってからのことになる。今度は「音ゲー」としての出会いだった。
 改めてグルコスに触れてみると、音楽、演出、そしてシンプルな操作感がどれだけ優れているかということを再確認させられた。
 数年間も触れていなかったにもかかわらず、曲や譜面のひとつひとつに確かな記憶があり、自分でもおどろいた。
 アーケード版をプレイしたのも太鼓の達人にハマって以降だった。「おっ、グルコスあんじゃん、1クレだけやろうかな」的なノリだったのに、アプリ版とはまた違った楽しさに病みつきになってしまい、何クレも投入してしまった覚えがある。


 そんな感じで(どんな感じ?)グルコスには少しばかり思い入れがあったので、今回の件を知って寂しく思った。
 しかしグルコスは終わったわけではない。家庭用やアプリ版がまだあるし、アーケード版だってオンラインサービスは継続される。
 いや実質的なサ終だろといえばそうなんだけど、既にオフライン化している音ゲーを陰ながら推している身としては恵まれているなあと思いますよ。
 実質サ終してるのになんの音沙汰もないまま年単位で放置されているアケ音ゲーの話とかも聞いたことありますし。責任者自ら表に出てこと細かに説明するなんて、誠実だなあと思います。喋り慣れていないのか、だいぶたどたどしかったけど……。

 まあそんなわけで途方に暮れていてもどうしようもないので、いま自分ができるのはグルコスを好きでい続けることくらいだ。
 とはいえ、私がもっとも愛するアプリ版はソート機能が微妙だったり、ダウンロードしたデータが次の日にはなぜか消えていて毎度ダウンロードを挟んだりするせいでほとんど触れていない。マジでダルいのでどうにかしてほしい。あと『きたさいたま2000』と『ナムコットメドレー』と『夜明けまであと3秒』ください。
 サブスクで曲を聴くことくらいかなあ、できるのは。私の好きな曲は『Play merrily』や『Spring to mind』、『It's a pit world』等です。Shohei Tsuchiya曲はいいぞ。


 グルコスはそれほど万人受けするようなゲームではなかったかもしれない。それでも楽曲のセンスや演出、シンプルな操作感、それらによって織り成されるグルーヴは素晴らしいものだと思う。
 新筐体なんて夢物語は難しいにしろ、『グルーヴコースター』がこれからも末永く続くことを願う。
 あと太鼓コラボよろしくお願いします。シンクロニカはやったんだからできるよね? ね?

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