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ままならない。

今日もリハビリに行った。
通い始めてもう随分になる。
良くはなってきているらしいけど、三歩進んで二歩下がるような感じなのと、天候に体調が左右されまくるおかげで「良くなったわー!」という実感はあまりない。
昔の怪我がかなり影響しているらしく、もともとギリギリのところで踏ん張っていたのが一年前の怪我がトリガーになって悪いところが一気に出てきた感じなので、いろいろな部分を同時にケアしているのだけれど、とにかくままならない。
ただ真っ直ぐに立つということが、こんなに難しくなるなんて、想像もしていなかった。

今日はリハビリが終わって病院を出たら、ポツポツ雨が降っていた。
天気予報を信じてかさを持たずに家を出たので、酷くならないことを願いつつ、いつもの川沿いを歩いて帰った。
この道は桜並木で、開花がリハビリに通う楽しみの一つだった。
今ではもう大分散ってしまっているけれど、個人的にはどの季節、どの瞬間の桜も好きなので、散り行く様子も楽しんでいる。
川面を流れて行く薄い薄い桜の花びらは、そう永い時間も経たずに解けて水に混ざるのだろうけど、その儚さも良いと思う。

川面を流れて行く花びらが綺麗

桜は満開な時はさほど香らず、開花と散り始めに強く香るように思う。
桜餅より少しだけ華やかな、あれは多分花の香りというより、桜という植物の香りなのだろう。
咲くのも散るのも桜にとっては単なる生きる為の代謝で、だから香りは桜が大きく動く時に溢れてくる生命力みたいなものかもしれない。
今日はそれに雨の匂いが重なっていた。

今年の春は去年入院してみられなかった桜を、可能な限り見て回った。
本当に、貪るように「桜」を摂取した。
おかげでPCのフォルダもスマホのメモリーも桜の写真が一杯で、眺める度に幸せな気持ちになる。
少し無理して歩いたりもして痛みは強くなったけど後悔は無いし、なんならまだもう少し見られそうなのが嬉しい。

凄い場所にぽつんと咲いている蒲公英。
ちゃんと種を飛ばせますように……

もうすぐ抜釘のために再入院する。
去年は入院したその日に開花宣言が出たけれど、今年は桜が散ってから入院することになりそうだと予想している。
退院したら即リハビリに復帰の予定だ。
切ればおそらくまた腫れるだろうけれど、今後の事を考えて、担当の先生達とも相談して抜釘すると決めた。
術後の痛みやその後のリハビリの苦痛を思うと憂鬱になるので、今はそのことは考えないようにしているけれど、今回は歩いて退院することになるから、その時までには靴がちゃんと履ける程度に腫れが引いていると良いなと思っている。
来週は忙しくなりそうだけど、適度に息抜きしつつ備えたい。

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