秘書のような手帳

母から言われたことがある。
「あなたは準備変態だわ……」
旅行の計画が決まろうものなら、それが1年後だろうと、2ヶ月後だろうと、1週間後だろうと、直ちに天気の調査と旅程と照らし合わせて着る服をチェックして、荷造りを始める。しかも出発まであーでもないこーでもないと荷物を変更したりする。仕事のスケジュールは常に前倒し。仕事で受講する教育の事前課題も提出がはやすぎて課題だと認識されずに「提出期限を過ぎてますよ」とメールがきたこともある。
そしてこれらの性質は、全て父と同じなのである。母からは「ほんとにそっくり!」と呆れられる。
ただ父と違うのは、私が手で書くという行為そのものが好きなことである(父は書く行為をキーボードに頼りすぎて、サインすらおぼつかなくなった)。
準備に必要な全てのことを記憶していられるわけではないので、書くことがさして好きではなくても手帳がかかせない存在ではあるのだろうなぁと思う。

手帳を「過去の経験を踏まえて将来の計画作りに活用するもの」と定義すると、2024年に私が使っている手帳は次の4冊である。
①どこにでも持ち歩く薄いマンスリー綴じ手帳
②デイリータイプのフランクリンプランナー(A5綴じ手帳)
③目標設定&進捗確認のA5綴じ手帳
④システム手帳(バイブルサイズ/ジップタイプ)
順番に使い方を紹介する。
①のマンスリー綴じ手帳は、公私の区別なく常に持ち歩く。仕事ではイベント的なミーティング(=休まない日)、プライベートでは習い事や歯医者の予定を書いている。何か思いついたときにメモする場所が少ないので、これまた薄っぺらいノートを挟んで、何かあったら書きとめている。
②のA5デイリーは、会社のデスクに置きっぱなしの一次メモ帳だ。いつ何があったか、どんなことを思ったのかということを、思いつくがままにメモする。1週間ごとの目標やタスクを設定するページもあるので、そこに殴り書きもしている。休日は書かないので余白となるため、今年のやりたいことリスト108(煩悩の数)のドラフトを書いたりすることもある。月次でやりたいことリストの進捗確認をして、残り分を書き出したりもする。この手帳に書いたことを、整理して③や④に落とし込む。
③のA5綴じ手帳は、私自身の価値観(判断基準)、どのような形で世界に貢献していきたいか、そのためには10年後にどんな自分になっていたいか、その10年後の自分になるには、5年後、3年後、1年後の自分がどのような状態であればよいかといったことを記している。夢をぎゅうぎゅうパンパンに詰めこみがちになって年末に「全然達成できとらん」となると翌年は控えめに設定してしまうので「いうてもこんくらいできてりゃまぁアリじゃん?」くらいの目標も設定してある。そして1年後の姿から3ヶ月ごと、月次、週次と目標を落とし込んでいくウィークリー手帳である。なんだか私がドエライ手帳使いのような書き方をしてしまったが、それができるようなフォーマットの手帳がスゴイのである。ここで設定した週次の目標に従って、②のデイリー手帳で日次目標を設定する。③は週末に自宅で書いたり、休み明けの前日夜に確認するため、所属事業所に出社するときは常に持っている。
④のシステム手帳は、仕事の時、常に持ち歩く。①の薄いマンスリーを間に挟んでひとまとめにすることも多いが、鞄の中で①と泣き別れになることもない、信頼のジップ。私は本業で技術開発的なことをしているため、出張先で試験データを取ることもある。新しい装置の導入やら展示会やらであちこち行ったりすることもある。そういったときにメモしたいことを書き留めることもあれば、それらのメモや②で書いたことを書き直して、思考の整理をすることもある(展示会のときはM5サイズのシステム手帳にメモすることの方が多いが、これは手帳にカウントしない)。
出張時は③も持っていきたいところだが、A5はなかなか鞄の場所を取るので、日帰りであれば必要事項を転記して④(と①)だけで行くことが多い。

過去には手帳を1冊にしようと思ったこともあったのだが、最近は複数使いにも慣れてきた。
1冊に整理はしたいのでリング式がいい、でもリングに邪魔されずに広々と書きたいといったことを求めると、おそらく私はA4バインダーを選択するだろう。持ち運びが大変すぎる。
そして思考を整理する際はあちこち行き来したいので、複数あると便利である(システム手帳ならメモを並べられるが、リングから紙を外すのが手間)。
今後もえっさほいさと複数の手帳を持ち歩き、人生プランの妄想を膨らませて楽しんでいきたい。

この記事が参加している募集

わたしの手帳術

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?