まかぎ祭SUMMER2024
久しぶりのnoteです。そして、久しぶりにイラスト統一祭に参加しました。今回の曲は、ちょっと弁明(言い訳)が必要なところもあり、記事に残しておくことにします。
イラスト統一祭「まかぎ祭」については、以下のYouTubeリンクを参照。
イラスト統一祭は、イラスト・曲名・時間を統一した「三統一祭」に一度参加したことがあります。その後に開催された「ふかみ祭」には、オケは完成したものの歌詞が間に合わず、参加を断念していました。今回は自分へのリベンジです。
イラスト統一祭ですが、1つのイラストをもとに曲を作るので、やはりモチーフやテーマが被りがちです。歌詞は特にその傾向が出ます。今回のイラストでいえば、
・夏 ・ヒマワリ ・風 ・空 ・雲
これらのモチーフが多く用いられそうだな、という印象でした。
僕は弱小DTMerなので、みんなと同じモチーフを使っても埋もれるだけです。これらのモチーフ”以外”を利用してメロディや歌詞を作らなければ!!
ということで、もうちょいイラストから捻ります。「風」が吹いているし、「夏」という季節があるということは、「時の流れ」「時間」はもう少し踏み込んだモチーフになりそう。ということで、「時間」をテーマに制作を始めることにしました。
そして、制作に取り掛かるちょっと前、僕はThe PharcydeのMVを見ています。
逆再生の音源と映像がおもしろく、しばらく頭の中に残ったままでした。僕は、「時間」をモチーフにした曲に逆再生の音源を使えば、時が遡っていくようなニュアンスを出せるのではないかと考え、逆再生を利用した曲で方向性を固めました。
ただ、思いつきでやってもうまくいくかわからなかったので、とりあえず持っているサンプルから、逆再生で良さげになるものを探しました。逆再生で映えるものは、おそらく”音の減衰”がわかりやすいものだろうなとアタリをつけ、それっぽいものを探します。
サンプルをいくつか逆再生しているうち、とあるサンプルがいい感じに。「ん?この感じどこかで聴いたような…」と思い、リバーブの効いたピアノを載せてみると…「おおっ!これ坂本龍一のTokyo Storyにニュアンス近くなるやんけ!!」
あ、実際聞いたらそこまで近くないや💦(コード進行が一部近いのかしら)。でも儚くも美しい雰囲気が出せそう!。ということで、このサンプルの逆再生をそのまま使っちゃうことに。
ここで悪い考えが頭をよぎる。
音が逆再生なら、歌詞も逆から意味が通る回文にすればいいんじゃね?
いやそれは難しいでしょ?ともう一人の僕。でも、試しにやってもおもしろそうでしょ?と悪い僕。とりあえずやってみて、ダメだったら諦めちゃえばいいし。
はい難しい。回文難しい。あまりに難しかったので、ひとまずChat GPTにキーワードを与えて尋ねてみます。以下はChat GPTの回答。
大発見。AIは回文が(今のところ)苦手です。課金したらわかんないかもだけど。一つ目のたけやぶやけた、はまあ許そう使えないけど。それ以降は全然ダメだ笑。回文にもなっていないし、意味も通らないし。
これではっきりしたのは、AIも回答しているとおり「日本語で回文を作るのは難しく、特に意味のあるフレーズにするには工夫が必要」とのこと。つまり、せっかく回文を完成させたとしても、ともすれば全く意味のない単語の羅列や文章になりかねない、ましてや”歌詞”にするには工夫が必要っぽい。
ということで、回文の方向性はそのままに、若干戦略を変更する。イラストからのモチーフである「夏」「ヒマワリ」「風」「雲」などはなるべく使うことにしました。それは、意味のあるフレーズにするのが難しい回文において、イラストを構成している要素の言葉を使わなければ、あっというまにイラストから歌詞が乖離してしまうのではないかと考えたため。むしろ積極的に使って、イラストとの結びつきを強めておかなければ。
もう一つ戦略の変更として、通常「曲先」でつくるプロセスを「詞先」にする。それは、歌詞が回文であるため文字数の調整が難しく、メロディに当てはめる回文を考えるよりかは、回文にあったメロディを作る方が断然難易度としては低いと考えたため。作る回文も、ある程度文字数のパターンをそろえて作成します。
あとは、文頭・語尾検索を駆使し、モチーフを散りばめた回文を作るのみ!単語検索で思わず「ナイス!」と言ってしまった言葉たちは
余孼(よげつ):
① 残った切り株に生じる芽。ひこばえ。
② 滅びた家のあとに残っている子孫。滅亡した家の余類。遺類。
散華(さんげ):
仏に供養するため花をまき散らすこと。
須屋(すや):
御陵や貴人の墓をつくるときに、工事の間覆いとして設ける仮小屋。御須屋
これらはいずれも「死」をイメージさせる言葉で、世界観を統一できます。中でも「須屋」を見つけたのは大きな意義があり、これのおかげで時間が巻き戻るというニュアンスの歌詞「時計戻れども行けと」の回文を完成させることができました!
完成した曲は以下のリンクです。できた歌詞は、よろしければ曲でご覧ください(ちゃっかり)。
歌詞が回文なので、タイトルも回文にしたくなりました。回文を使った歌だから、回歌かな。いや、でもメロディーはシンメトリーになっていないので、回歌を名乗るにはちょっとおこがましい。普通に回文にしようと思ったけど、タイトルっぽくならない気がする。「じゃあ重ねちゃうか」ということで、「かいかいかいか」としてみました。漢字にすると「廻々怪歌」。怪という漢字を当ててもしっくりこなかったので、懐を当てました。「かいかいかいか」ってどこかで聞いたようなリズム感だなと考えていたら、多分「前前前世」ですね。あ、前前前世も回文だったのか!
リズム感は悪くないんだけど、もう少しクセを強くしようと思い、「かい」を一個増やしました。会の旧字体「會」にすると、その後の「懐」の意味が引き立つな、ということで「廻々會懐歌」としました。
となると、もう少し回文にこだわりたいところ。まかぎ祭開催が9/21であることから、投稿時間を1:29にして数字の回文にしました。おかげで中途半端な時間での投稿となりました。
ついでに、予告も同様。
予告の段階で、回文使っているということを知られたくなく、曲のタイトルの読み方はあえて入れませんでした。
このポストも、予告が目的というよりもむしろ、9/18 8:19という数字の回文が目的なところもあります。
こうして、自己満足感いっぱいの曲を投稿することができました!曲の反応も、回文や音に関するコメントをいただくことができ、嬉しい限りです。楽しく参加することができました。ありがとうございました。