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タイ滞在記 一日目

いよいよ、タイ王国の首都バンコクにあるスワンナプーム国際空港へと降り立った。飛行機に慣れていないので6時間のフライトは何をして過ごせばいいかわからなかったが、とにかく無事にタイへ入国することができたことでホッとした。

空港に着くと、サポート・スタッフが迎えに来てくれた。バスで彼らと共にフードコートのようなところへ行って夕食をとり、それからバスでホテルへと向かった。

彼らと午後を過ごして実感したことは、私は東アジア的というよりむしろ、東南アジア的な風体をしているということだった。

そんなことは、日本にいる間に散々言われてきた。少なくない人たちが「日本人っぽくない」と私の顔を評価してきたし、ベトナムと日本人のハーフだと言えば、十人中九人はそれを信じた。しかし、それは日本人がただそのように言っているだけだと、心のどこかで思っていた節があったような気がする。

私はこの身をもって実感した。タイの人々は、他の日本人に対しては、大げさに言えば洗練された東洋人としての扱いをするが、こと私に対しては、まるで初めて会ったタイ人のように接した。これは、この旅の最大の発見となるかもしれない。しかし、私はこの状況が好ましくないとは全く思っていない。むしろ、歓迎すべき事態であると好意的に捉えている。

私は元々持っていた日本人というアイデンティティの上に、アジア人であるというアイデンティティを確立せんとしている。

ちなみに、上に貼り付けてあるのはフードコートで食べた夕食の写真である。一皿50バーツ前後(およそ160円)なので、やはり物価の低さがうかがえる。しかし、本場のパッタイ(一枚目)は辛さで汗が止まらず食べるのに苦労し、タイ人との舌の出来の違いを痛感した。

顔立ちは生まれつきだが、舌は食文化に育まれるものなのだということか。

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