やるやで(yaruyade)に対する一考察~やるやで概論~

本アカウントに対し、匿名で謎の論文が送付されてきたため、この場を借りて公開に踏み切ることとした。以下にその内容を掲載する。




今回、深層祭2開催を祝い、先駆けて「やるやで」についての私なりの考察を述べさせて頂く機会を得た。至らぬ筆との自覚はあるが、是非ともこの機に、やるやでを知る者、知らぬ者共に目を通して頂けたなら幸いである。

やるやでの概略について

やるやでとは、正体不明の存在である。一説によると、日本の大久保周辺地域で信仰されている、或いはされていた土着神の一柱であるとされるが、後述するように、類似した存在が世界各地に見られる、という不可思議な特徴がある。

やるやでの信仰について

やるやでという存在がいつ頃から人々に信仰されていたのかは不明だが、とある存在を指す名称であり、それを信仰する者達にとっては合言葉のような意味合いをもっていたと考えられている。実際に、2024年3月よりX(旧Twitter)上において、「#やるやで」というハッシュタグを用いた布教活動を行っている様子が確認されている【注釈1】。
主に東京都新宿区大久保の地で信仰されているとされるが、信奉者は全国に存在すると考えられている。信奉者の特徴として、深層組所属のVTuber・『息根とめる』のリスナーないし『息根とめる』を認知している者達が過半数との指摘がある。しかしながら、『息根とめる』とやるやでの関連性については不明な点も多い事には留意したい。

やるやでの名称について

やるやでの名称については若干の揺れが散見されており、ヤルヤデ、ヤールヤーデ(主にインド)、ヤールヤデー(主に地中海)、殺るやで(主に蛮族)等が挙げられるが、本来であれば平仮名での「やるやで」が正式な表記であるとされる。
名称の差異については、「ヤルヤデ」はカルデア人が信仰していた戦争の神、「ヤールヤーデ」はインドの聖典に登場する英雄、「ヤールヤデー」はギリシア神話の破壊と再生を司る神、「殺るやで」はオークボーの蛮族達の挨拶としてそれぞれ用いられていたようである。

図1:出土品の指輪のスケッチ、ルーン文字でYRYDと刻まれている



現在、「ヤルヤデ」「ヤールヤーデ」「ヤールヤデー」については口伝口承にのみ、その存在が示唆されているだけであるが、「殺るやで」はオークボーの蛮族達のケバブ礼讃と併せて実際に確認する事が可能である(図2)。

図2:ケバブを授けるヤルヤデ

やるやでの謎について

やるやでは世界各地で多種多様な在り方を見せているが、日本においてはその詳細が一切の謎となっている。というか謎でしかない。
このような存在の類似としては、アラハバキ神(荒覇吐、阿良波々岐)が挙げられるが、アラハバキ神が名前に使用される文字からある程度の神格が推察されるのに対し、「やるやで」はその名が何を表しているのか、どのような理由で「やるやで」を冠しているのかは解明出来ていない。これは日本神話の神々に共通するような名称のルールからは逸しており、諏訪のミシャグジに並ぶ程の歴史を有する土着神である可能性も考えられる。

やるやで研究の歴史について

やるやでが如何なる存在なのか、その正体についての議論は古代から行われており、近世に入り隆盛を迎えた。日本では江ッッッ戸時代に長崎・出島など海外に門戸を開いていた地域に伝わった「ヤルヤデ」と、日本土着の「やるやで」との類似点が注目され、国学者の間で熱心に研究されるようになった。

図3:国学者がまとめた訂正 八流留出本

その後、明治~昭和期まで研究は盛んに行われていたが、第二次大戦後のGHQの検閲により、やるやでの研究は一時的に衰退する事になる。

図4:GHQによる検閲を受けたヤルヤデ研究書

平成期になり、1995年に中東のオーキュヴォ(Olqvo)【注釈2】で約7974年前のものとされる、やるやでの壁画(やるやで関連の遺物としては最古※2024年現在)が発見されると、再びやるやで研究は日の目を浴びる事となった(図2)。以来、継続的な調査・研究がなされているが、一次史料の不足や他分野研究者からの「これって息根とめるの事でしょ?」という謎の圧力により、未だ正体の特定には至っていないのが現状である。

やるやでの神話について

西暦29年頃の成立とされる『ヤル・ヤデ記』は、やるやでが明確な神として登場する唯一の文字史料である。内容は序文から始まり、

一章・やるやでと人類の邂逅
二章・契約
三章・配信の導き
四章・やるやでの死と魂の再生
五章・化身の受肉(Κωκυτός)
六章・復活

の七章構成となっている。以下に序文冒頭の一部を抜粋する。

電子の海、深層の底、昏きもの来たり。
鞘なき刀、矛盾の矛を振るうものなり。
「やるやで」
言天地を震わし、人は彼のものを見た。
彼のもの、人にケファ・ヴを授く。
人はケファ・ヴを口にし罪を知り、
それを彼のものに捧げる事を誓った。

図5:ヤル・ヤデ記の碑文

現在の学会においては、『ヤル・ヤデ記』は偽書であるとの意見が一般的である。しかしながら、『ヤル・ヤデ記』の内容は他の史料と一線を画しており、また唯一の文字史料である事などから、全く研究がなされていない訳ではない。
他にも、国の重要文化財に指定されている『馬鹿が代』(詠み人しらず)は最古の和歌の一つとされており、古い時代に天下を治めていたやるやでを讃える歌だったのでは?と一部の研究者の主張もあり、当時の時代背景及び文化方面からのやるやでを考察する上で必須な史料となっている。

図6:ヤルヤデ記を英訳したと思われる手記

総括(まとめやで)

ここまで、やるやでに関する私見を述べさせて頂いた。結論から言うと、やるやでとは「?」である。つまり、良く分からんものである。唯一理解し得るのは、やるやでは誰もが知っているが、誰もがその本質を知らない。或いは、知らないフリをしている者も居るかも知れないが、それを確かめる術が存在しない。だが、今となってはそれでも良いと思えてしまう。やるやでについて調べ、考え、思いを馳せる。脳を酷使し、そして充分に満たされた。さて、脳味噌を捏ねるのはもう終わろう。ここからは祭の時間である。考えるよりも先に、動かねば損というものだ。私もそろそろパンツを履いて、彼の地へ向かうとしよう。

最後に、ここまでお付き合い下さいまして、畏み畏み感謝を申し上げて、結びとさせて頂く。

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【注釈1】同時に#深層祭2のハッシュタグも用いている為、この祭がやるやでの例大祭にあたる可能性が考えられる。

【注釈2】バッカドキア近郊。オークボーとは姉妹提携都市を結んでいる。


以上が当アカウントに送られてきた論文の全容である。
果たしてどういった由来があるものかは今なお調査中である。


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