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これまでの結果実績から血統背景を改めて考察し今後を考える ~アンテロース編①~

こんにちは。silencebitです。
インゼルレーシングの4歳牡馬、アンテロース号に出資しています。
アンテロースに出資しようと考えた理由は、1歳時のカタログ写真や動画の立ち姿と、父モーリス、母シャブリ(母父ディープインパクト)という血統背景でした。
出資してからは、新馬戦の頃から歴戦をずっと追いかけて観戦したりしています。

そして4歳春を無事に迎え、1勝馬として奮戦してくれていますが、ここで改めて答え合わせ的に血統分析をして、今後どのような活躍をしていってくれるのか考察検証してみようと思いました。
自分の拙い競馬知識と考察が主体の主観になりますが、ブログで展開したいと思います。
(あまり突っ込まないでくださいね笑)

ちょっと長くなりそうなので、全5回程度の連載でいきます。
今回は第1回目。

尚、掲載しているデータおよび写真に関しては、インゼルTC様より許可を得て掲載しております。

アンテロース Anteros(JPN)  牡馬4歳
馬主名 (株)インゼルレーシング      調教師名 岡田 稲男(栗東)
生年月日 2020年2月18日   毛色 鹿毛
戦歴(2024年2月末現在)
1勝クラス(14戦1勝)

【5(6)代血統表】

5代内クロス
サンデーサイレンス(USA):M3×S4 ノーザンテースト(CAN):S5×M5 Lyphard(USA):S5×M5

改めて、
本ブログのコンセプトは、自分が出資する際に血統背景等を検討し、どの様な競走馬になるのかイメージしていますが、それが現状と比べて、良きにしろ悪しきにしろイメージの違いを修正し、今後さらにどのような活躍馬になっていくのかを、おもに自論の血統考察ベースで検討していくものです。
血統ベースとは、父系、母系、クロスやニックス、隔世遺伝による影響等を、自己流ですがそれぞれを掘り下げるものになります。
(自己流自論なのでなにぶん、ご了承を m(_ _)m )

1. 父系モーリスについて

まずは、父系から。
父モーリスは、安田記念連覇、マイルCS、天皇賞(秋)、香港チャンピオンズマイル、香港Cと、マイルから2000mのGⅠ5勝。サイヤーラインは、日本ではグラスワンダーから4代GⅠ馬を輩出する血統です。(※モーリス産駒にはピクシーナイト、ジャックドールの複数のGⅠ馬がいる)。
ここで注目したいのは中興のグラスワンダーから直系サイヤーラインではなく、スクリーンヒーローの母ランニングヒロインの血筋。
社台が導入したその父サンデーサイレンスは言う及ばず。その母ダイナアクトレスは、最優秀4歳牝馬に選出された名牝母モデルスポートの仔であり、かの社台グループ総帥・吉田善哉をもって「ノーザンテーストの最高傑作になるかも知れない」と評された超名牝です。(※同期には史上初の牝馬三冠メジロラモーヌがいたためGⅠは結局取れませんでしたが重賞で好走しています。)
いわば社台グループの結晶ともいえる存在で、その血を繋いだ血統です。
そして母方のメジロフランシスは、シンボリ牧場からの流れを汲むメジロ牧場が長距離の天皇賞勝利を目標に、5代前のメジロクインから紡いできた母系血統。そのメジロクインの3代前(モーリスの8代前)デヴオーニアは、吉田照哉氏の祖父善助氏がサラブレッドの生産を行うため1928年に社台牧場(社台グループの前身)を白老に創業、その際に翌1929年にアメリカから輸入した繁殖牝馬16頭のうちの1頭です。
社台グループにとっては創業時にゆかりある血統筋であるため、社台ノーザンが本腰を入れ、種牡馬入りした当初から名馬を出そうと相当の良血牝馬に付けられたのも分かります。
モーリスは毎年オーストラリアにシャトル種牡馬として出向。現地では豪ダービーを勝利したHitotsuなどを輩出しており、非常に人気ある種牡馬でもあります。

種牡馬としてのモーリスは、産駒は晩成傾向で、芝のマイルから中距離が得意とされています。
ただ、どんな牝馬からでも走る馬を送り出す万能型ではありません。実際、最新のAEIは1.53、CPIは1.95なのでA/C (AEI ÷ CPI)は0.78と1.00を割ります。
しかし近年は産駒の育成ノウハウ確立と、配合傾向もみえてきた関係で、走る馬、それもかなり強い競走馬が産駒に目立つようになりました。(世代別AEIは1.08(2018年産駒)→1.38(2019年産駒)→1.77(2020年産駒)と近年大幅に改善しています。)

● AEI(アーニングインデックス/Average Earnings Index)=出走馬1頭当たりの収得賞金の平均値を1.00として、各々の種牡馬の産駒の平均収得賞金の割合を数値で表わしたもの。
● CPI(コンパラブルインデックス/Comparable Index)=どのぐらい良質の繁殖牝馬と配合されたかを示す値。種牡馬の交配相手の繁殖牝馬群が過去に他の種牡馬と交配されてできた産駒のアーニングインデックスの平均。
● BMS(ブルードメアサイアー/Broodmare sire)=競走馬の母馬の父馬、人間でいう母方の祖父にあたる馬のこと。

ちなみに、モーリスの"走る配合"のパターンは、

  1. 母父系(母父父)に、デインヒルがいると非常に効果的。豪州で人気なのはこれが理由。(例 Hitotsu、Mazu、ダノンエアズロック、ダノンマッキンリー)

  2. またはDanzig、Lyphard、Mr. Prospectorなどスピード系のクロスがありつつ、さらに影響力の大きいNorthern Dancerまたはサンデーサイレンスのインブリードも存在する。インブリードのクロスは比較的、数種類あると効果的。(例 ジェラルディーナ、ピクシーナイト)

  3. 母系の母父にBMSの高い種牡馬がいる、また母系に競走成績の高かった牝馬がいるとさらに効果的。(例 ノースブリッジ、ジャックドール、シュトラウス)

以上の傾向があるのが近年判明してきました。
※とくに①の(Danzigから続く)デインヒルの血統が入ると、よく走る仔が出るようです。

アンテロースは5代血統クロスにサンデーサイレンス3×4があり、またスピードに優れたLyphardクロス5×5があります。上記の"走る配合"論の②に該当し、モーリス産駒でも活躍が期待できる血統構成ともいえます。2歳の新馬戦で見せた、後のGⅠ馬ドゥラエレーデを阪神のゴール前の坂で差し切ったり、芝とはいえダート強豪のデルマソトガケの追撃を振り切っただけの素質は、こうした血統のなせる業だったと思います。

とりあえず今回は以上まで。
次回は母系あたりをみていきたいと思います。近日公開予定。
ではでは。

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