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202404




 「真空ボトルの醤油の方が美味しい、私たちには違いがわかる」と訴え続けてきた。そして、ついに我が家でも真空ボトルの醤油が認められた。正義を求めて声を上げてきた甲斐があった。


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 母親がパウルクレーの天使(と思わしきもの。検索したが、夢に登場した絵画は当然なかった)をLINEのホーム画にする夢を見た。


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 誰にでも愛想のいいあなたに、私は牙を剥かれたいのです。


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 バイトの休憩時間でポテチを食べたら、人差し指に匂いがついて取れなくなった。桜エビの香ばしい匂いだった。


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LINEのスクリーンショット。私が「なんか西口ないんだけどーっ」「ない西口にいます」と送信し、既読が3ついている。
6年の付き合いになると
これでピックアップしてくれる


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青いガーベラ、しろい勿忘草、白い実などで構成された花束

 休学祝いに花を渡した。休学した友達は金髪になっていたので、それに映えそうな青の花束。後日、「枯れるのを見ると悲しくなる」と聞いて、悪いことをしたと思った。


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「桜を愛でる人は花だん の中にゴミを捨てません」と書かれたポスター。花だんと「の」の間に何故か空白がある。
野生の字空け

 実際、花壇の中にゴミはなかった。


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  中をのぞきこんで、セィミヤは、思わず息をのんだ。
 箱の中には王宮があった。

(中略)

 ダミヤはセィミヤの手をそっととって、模型の木々の先に、指をあてた。筆の先に触れたようなくすぐったい感覚に、セィミヤは身を硬くした。
「すごいだろう。このやわらかさ。――神々が天から手を伸ばして、森の木々に触れたら、きっと、こんな風に感じるのだろうね」
 ダミヤの声を聞きながら、セィミヤは、じっと、くすぐったさに耐えていた。

獣の奏者Ⅱ 王獣編/上橋菜穂子

 桜の花に触れて、ふと思い出した。こうして既存の記憶と繋がってしまった出来事は、もう容易には忘れられないと思う。



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すごい雨とすごい風だよ 魂は口に咥えて君に追いつく
/平岡直子

風に、ついてこいって言う。ちゃんとついてきた風にも、もう一度言う。
/谷川由里子

 そういう雨が降っていて、そういう気持ちよさだった。私には暗唱できる短歌が少ない。


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 桜の盆栽がバイト先にある。蕾のころはけっこう「咲きそうですね」とか話していたのに、咲いたら誰も触れなくなった。



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 「生のワカメの方が美味しい、私たちには違いがわかる」と訴え続けてきた。そして、ついに我が家でも乾燥ワカメでない、生のワカメが認められた。正義を求めて声を上げてきた甲斐があった。


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 配信開始、とのことで「カラオケ行こ!」を見た。そのあと、原作続編の「ファミレス行こ!」を買って読んだ。


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 新しい薬が、肌色のソフトカプセルで、ちょっと気持ち悪かった。



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 褒められたことはわかって、でもどんな顔をすればいいのか、わからなかった。

椅子があり光があってその部屋にいてよいのかはわからなかった

日時計/沙羅みなみ

 心像の部屋が、限りなく現実へと接近する。実景、という ”選択された景色” について、詠む、そもそも認知するということ。実際のところ、脳で処理された実景は、わたしたちがそう呼ぶところの心象/心像とどれほどの差があるんだろう。

 また会いたいです。


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 友達が、「ブルベな私をより引き立ててくれるネモフィラ」とコメントをつけて、インスタに自撮りを載せていた。隅から隅まで未知の言語で驚いた。「より」もすごいし、「くれる」もすごいし、そもそも発想がすごい。彼女のこういうところを、昔も今も愛おしいと思う。


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 ロスト・イン・トランスレーションの方法2の作品紹介で面白かった文章。

 「あ」から始まって「ん」で終わるこの筆名が気に入っている。画数もちょうどいい。

浅利芯(あさり・しん)

 ちょうどいい画数なんて意識したことなかった。


 短歌を詠むときはいつもひとりですが、あなたがいるから生まれる言葉があると思っています。

神崎梓(かんざき・あずさ)

 そうだね。


 人の作品をもとに絵を描くことの責任感と緊張に耐えられずなかなか筆を持てずにいたのですが、こう解釈したら駄目なんてことはないですし、自分が感じたことを素直に出そうと思い、まずは頂いた短歌を自分で書いてみて文字の上に思い浮かぶ色を塗りました。

宮島森羅(みやじま・しんら)

 制作意図を書くところで、率直に綴れるのがかっこいい。制作過程も非常に興味深かったです。


 では「固定」すればその消滅を、忘却を、防ぐことが出来るのか? 防いでしまっていいのか? かたちに残せば何度でも繰り返すことのできるものを、残さなかった/残せなかったことはありますか?

鈴原礼惟(すずはら・れい)

 鈴原さんのペアの岡庭さんの文章もよかった。作品もよかった。ちゃんと作れば、ちゃんと伝わるんだと思った。



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 イントロの映像……!



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 献血をした。ずっと貧血でできなかったから2年ぶり。自分の血液のパックを見ると、なんかちょっと温かい気持ちになる。産んだことないけど、子供を産むってこんな感じなのかもと思った。違うか。



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私達はこんなに遠い 時間も場所も
ここへ置いていって
静かな微笑みを 遠い日々のうたを

David/矢野顕子

 聞くと、「遠いなあ」って感じがする。槇原敬之さんのカバーも必聴。


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 お花を見たり、あげたり、気持ちいい風を感じたり、人と話したり、笑ったり泣いたり、ちゃんと生活したぞって感じの一か月だった。来月も引き続き生活をやっていきたい。

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ふろく