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令和3年度 口腔衛生管理体制加算、廃止だけど廃止じゃない?一体どういうこと??


皆さん、こんにちは。
歯科の居宅療養管理指導研究会のDHサコです。

歯科衛生士に復帰して今年で12年目のブランク有り歯科衛生士です。
詳しいプロフィールはブログも書いてますので、こちらからどうぞ


4月から介護保険が改定になりますね。
いつも思うのですが、その度に振り回されます💦

今年度の改定は一体どんな感じになるのでしょうか・・・

この記事では、口腔衛生管理体制加算と口腔衛生管理加算について書いていきたいと思います。

途中で有料記事になっていますが、体制加算の話は全部読めるようにしてますので、お付き合いくださいね!

口腔衛生管理加算の記事から有料となっていますが、プレゼントを用意しています。

口腔衛生管理加算の書類が今年度から新様式になっています。
これが使いにくいなあと思ったので、実施記録を2回記載できるようにして、厚労省の様式をアレンジして作成しました。

記事を購入するとPDFをダウンロードできます。
(パソコンからダウンロードすることをお勧めします)


厚労省のHP等を調べて、かなり加筆しました。
(全体で約1万7千文字あります)
口腔衛生管理加算の様式は令和6年度は、項目が少し変わりました。
それで、変更なった項目を直してPDFにしています。

過去に、この記事を購入した方も新しい令和6年版の口腔衛生管理加算の実施記録をダウンロードできます。

5月23日から250円、6月6日から300円、令和3年7月18日から400円で有料部分を販売しています。

別にそこまで必要じゃないよ~という方はスルーしてください。

有料にしたのは、今回本当に調べるのが大変だったのと、新様式に対応してアレンジしたものを作成したので、投げ銭的な感じで支援してもらえたら嬉しいなあと思い、有料にしてみました。

有料部分は、どこを探してもなかなか見つからない情報です。
調べて分かった事を加筆していくので、今のうちに購入していただいた方がお得だと思います。

一旦購入していただくと、有料部分の加筆したところも読めるようになっています。

実際、記事を購入してくだっさった方から

「制度について分からなくて困っていたのですが、この記事を読んで理解できました!ありがとうございます!!」

とご連絡をいただきました!

私としても、お役に立てて嬉しい限りです。


この記事を読むメリット
①令和3年度の口腔衛生管理体制加算の詳細について分かる
(令和6年4月からの情報も追記しました)
②口腔衛生管理体制の話し合いをする時の注意点が分かる
③口腔衛生管理加算の詳細について分かる
④LIFEにデータを提出する場合としない場合の管理加算についてわかる
⓹管理加算を実施する上で気を付ける点がわかる
⑥有料記事では、新しい管理加算の様式をアレンジしたものがダウンロードできる



※今年度から障害福祉サービスの「施設入所支援」で口腔衛生管理体制加算と口腔衛生管理加算を算定できるようになりました。
その記事は下記から読めます👇


※令和5年11月追記
グループホーム及び特定施設入居者生活介護の口腔衛生管理体制加算について、訂正しましたのでご参照ください


※令和6年3月31日追記
介護保険施設で使用する、「口腔衛生管理体制の計画書」が変更になりました。
また、グループホーム及び特定施設入居者生活介護事業所の口腔衛生管理体制加算についても、変更がありましたので訂正しました。ご参照ください



実は4月の前に分かる!介護保険の改定情報!


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3年前の介護保険改定では、居宅療養管理指導に関してかなり変更があったので、4月以降すごくアタフタしました。

それで、何とか今年度の改定では事前に情報が分かる方法がないものか、
と色々調べました。

結論としては

厚労省のホームページをチェックするしかない!(苦笑)​です😅

だいたい1月くらいに社会保障審議会の介護給付費分科会で概要が決まります。

そして、介護保険改定の最終案が2月~3月に出され、3月16日に決定されました。

3月末にかけて、「集団指導資料」が厚労省から各都道府県に通知されるはずです。

まあ、一番早いのは、
厚労省のホームページをチェックするのが間違いないですね。


厚労省の令和3年度の介護報酬改定についてはこちらをどうぞ↓

※令和6年度介護報酬改定については下記のページになります⇓

あとは、jointというサイトが介護保険の最新情報を配信しているので、定期的にチェックするのがオススメです。



1月の社会保障審議会のホームページからチェックしているので、
介護保険の改定情報についてはもう60時間以上調べています(苦笑)

ホントにね、これがまたわかりにくいんですよ💦
もしかして、わざと複雑にしているんじゃないだろうか・・・なんて思ってしまいます😓



令和3年4月から廃止になるって本当?口腔衛生管理体制加算!

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口腔衛生管理体制加算は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設のほかに、

グループホームや特定施設入所者生活介護の指定をとった有料老人ホームやケアハウス(軽費老人ホーム)でも、H30年4月から口腔衛生管理体制加算を算定できることになりました。


介護保険施設での口腔衛生管理体制加算について

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結論から言うと、特養、老健、介護医療院などの介護保険施設での口腔衛生管理体制加算は令和3年4月から廃止になりました。

単位数の算定はできません。

しかし、基本業務として口腔衛生管理を年2回以上行う、ということが明記されました。

厚労省の省令を読み込んでいくと、

口腔衛生管理体制について概ね6か月に1度、歯科医師又は歯科医師から指示された歯科衛生士が職員に対して技術的助言及び指導をすること、

とされています。


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上の図は、厚労省の「令和3年度の介護報酬の改定について」のページの
「令和3年度介護報酬改定における改訂事項について」に載っています。


更に「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に基準について」の省令では、口腔衛生の管理について記載されています↓

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ちょっと見にくいので、抜粋しますね👇


口腔衛生の管理
基準省令第 17 条の3は、指定介護老人福祉施設の入所者に対する口腔衛
生の管理について、令和3年度より口腔衛生管理体制加算を廃止
し、基本サ
ービスとして行うこと
を踏まえ、入所者の口腔の健康状態に応じて、以下の
手順により計画的に行うべきことを定めたものである。

⑴ 当該施設において、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士
が、当該施設の介護職員に対する口腔衛生の管理に係る技術的助言及び指
導を年2回以上行うこと。

⑵ ⑴の技術的助言及び指導に基づき、以下の事項を記載した、入所者の口
腔衛生の管理体制に係る計画を作成するとともに、必要に応じて、定期的
に当該計画を見直すこと。なお、口腔衛生の管理体制に係る計画に相当す
る内容を施設サービス計画の中に記載する場合はその記載をもって口腔衛
生の管理体制に係る計画の作成に代えることができるものとすること。
イ 助言を行った歯科医師
ロ 歯科医師からの助言の要点
ハ 具体的方策
ニ 当該施設における実施目標
ホ 留意事項・特記事項

⑶ 医療保険において歯科訪問診療料が算定された日に、介護職員に対する
口腔清掃等に係る技術的助言及び指導又は⑵の計画に関する技術的助言及
び指導を行うにあたっては、歯科訪問診療又は訪問歯科衛生指導の実施時
間以外の時間帯に行うこと。
なお、当該義務付けの適用に当たっては、令和3年改正省令附則第9条に
おいて、3年間の経過措置を設けており、令和6年3月 31 日までの間は、
努力義務とされている。


老健や介護医療院の省令も確認しましたが、同じでした。

結局、単位数は算定出来ませんが
基本業務として実施しなければなりません。


令和6年の3月31日までは努力義務、
令和6年4月1日からは、完全に実施しなければなりません。


ちなみにですが、口腔衛生管理体制の計画書も厚労省のホームページから新様式がダウンロードできます。


通知を読み込んでいくと新様式を参考に計画書を作成しても良いようです。

ア 助言を行った歯科医師等
イ 歯科医師からの助言の要点
ウ 当該施設における実施目標
エ 具体的方策
オ 留意事項・特記事項

上記5点が記載されていれば、条件を満たすようです。

新様式でなくても、上記5点が記載されていれば
今まで使用していた体制加算の計画書の(口腔ケア・マネジメント計画書)でも問題ないと思われます。

とりあえず、施設が令和3年4月から使用する新様式を表示しておきます。

※令和6年4月から使用する、「介護保険施設の口腔衛生管理体制の計画書」を下記に表示しておきます。
令和3年度の計画書と比べると、「口腔アセスメント」の項目が増えました。
これは、介護保険施設で、入所時と入所後の口腔アセスメント(入所後は1ヶ月に1回)することが義務化されることになったからだと思います。


上記の計画書の具体的方策のところは、例えば、実施目標を「口腔清掃の方法・内容の見直し」にしたならば

口腔清掃の方法について、「歯科医師から受けた助言内容」「いつ頃」までに職員に伝達し共通の認識として「適切な清掃方法で入所者の方への口腔ケアを行なっていくか」ということを記載します。


※令和6年3月31日
計画書の記載例を下記に表示しておきます。
計画書は施設全体で1枚作成します。一人一人に作成するものではありません。


口腔衛生管理体制の計画書の説明の詳細は、厚労省の「令和3年度介護報酬の改定について」のページに載っています

※厚労省のホームページ「令和6年度介護報酬改定」のページから上記の計画書をダウンロードすることができます。

令和6年度の介護保険施設の口腔衛生管理体制の計画書のリンクは下記になります。

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001228018.docx


※上記の令和6年度の厚労省のホームページに「リハビリテーション・機能訓練、栄養、口腔の一体的取組について」というPDFの資料があります。
その40ページに口腔衛生管理体制について記載がありますので、そちらもご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227996.pdf



歯科医師や歯科衛生士が使用する「助言を記載する用紙」については従来通りの「口腔衛生管理にかかわる助言内容」の様式で問題ないと思います。
※助言する内容に「食事状態、食事形態等の観察」という項目が増えました。
必要があれば、食形態についても歯科専門職は助言を行います。

(※令和5年11月追記
アサヒグループ食品のリンクが無効となっている為、下記に記載した老年歯科医学会の資料「介護保険施設等入所者の口腔衛生管理マニュアル」の20ページに助言内容の記載例があります。ご参照ください。)

※助言の用紙の見本を下記に表示しておきます⇓
助言の用紙も、施設に対して1枚作成します。個人に対して作成するものではありません。



老年歯科医学会でも平成30年に
「介護保険施設等入所者の口腔衛生管理マニュアル」を出していますが、
その中にも「口腔衛生管理にかかわる助言内容」や「口腔ケア・マネジメント計画書」の見本があります。


 平成30年度の介護報酬改定に合わせて作成しているので、今年度の改定と合わない部分もありますが、計画の立案方法などが詳細に記載されています。

全部で61ページありますが、興味のある方はこちらからどうぞ↓

老年歯科医学会「介護保険施設等入所者の口腔衛生管理マニュアル」

(21~23ページに計画書の記載例があり、20ページには歯科医師、または歯科医師から指示を受けた歯科衛生士が作成する助言の用紙の記載例が載っています。)


口腔衛生管理体制を行なっていく大まかな流れとしては、

①介護職員と歯科医師もしくは歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、最低減6か月に1度はミ―ティングを行い、口腔ケアにかかわる技術的指導や助言を行います。
この時に「口腔衛生管理にかかわる助言内容」の用紙に歯科医師、もしくは歯科衛生士が助言内容を書きます。
(時間がない場合は、話し合った内容を、後日用紙に記載して施設へFAXします)

②助言内容をもとに、介護職員が口腔衛生管理体制の計画書を作成します。
(助言内容をいつ頃までに職員に伝達し、口腔ケアを行なっていくか、などを記載します。)

③その計画書をもとに、介護職員が入所者の方へ口腔ケアをおこなっていきます。


グループホームや有料老人ホームでの体制加算はどうなるの?

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※令和6年3月31日追記
令和6年4月以降も口腔衛生管理体制加算が算定可能な施設は、
「認知症対応型のグループホーム」と「地域密着型の特定施設入居者生活介護事業所(市町村指定、定員29名以下)」です。


※都道府県指定の「特定施設入居者生活介護事業所」は、令和6年4月から口腔衛生管理体制加算が廃止され、基本業務になります。

令和9年3月までは、努力義務
令和9年4月からは基本業務になり、完全に義務化される予定です。



「グループホームや特定施設入居者生活介護事業所で口腔衛生管理体制の計画書を作成する場合、新様式と旧様式のどちらを使用したらよいですか?」

と聞かれることがありますが、


グループホームや地域密着型の特定施設が口腔衛生管理体制加算を算定する場合、

平成30年度様式の今までの「口腔ケア・マネジメント計画書」を使用します。
(※歯科医師、歯科衛生士が記載する「助言の用紙」や施設職員が作成する「口腔ケア・マネジメント計画書」の見本は日本老年歯科医学会のマニュアルを参考にしてください。)

※令和6年3月追記
法令でも、グループホームや地域密着型の特定施設入居者生活介護事業所の有料老人ホーム等では、「口腔ケア・マネジメント計画書」を作成する、と明記されています。
口腔衛生管理体制について、詳細に計画を立てられるようになっていますので、こちらを使用しましょう。

口腔衛生管理体制加算について
①「口腔ケアに係る技術的助言及び指導」とは、当該施設における利用者の口腔内状態の評価方法、適切な口腔ケアの手技、口腔ケアに必要な物品整備の留意点、口腔ケアに伴うリスク管理、その他当該施設において日常的な口腔ケアの実施にあたり必要と思われる事項のうち、いずれかに係る技術的助言及び指導のことをいうものであって、個々の利用者の口腔ケア計画をいうものではない。
 また、「口腔ケアに係る技術的助言及び指導」は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。なおテレビ電話装置等の活用にあたっては、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守する。
② 「利用者の口腔ケア・マネジメントに係る計画」には、以下の事項を記載する。
イ 当該施設において利用者の口腔ケアを推進するための課題
ロ 当該施設における目標
ハ 具体的方策
ニ 留意事項
ホ 当該施設と歯科医療機関との連携の状況
へ 歯科医師からの指示内容の要点(当該計画の作成にあたっての技術的助言・指導を歯科衛生士が行った場合に限る)
ト その他必要と思われる事項
③ 医療保険において歯科訪問診療料が算定されて日の属する月であっても口腔衛生管理加算を算定できるが、介護職員に対する口腔ケア・マネジメントに係る計画に関する技術的助言及び指導を行なうにあたっては、歯科訪問診療又は訪問歯科衛生指導の実施時間以外の時間帯に行う

出展:医学通信社 介護報酬早見表 2021年4月版183ページより

※上記の表にも記載していますが、助言や指導を行なう会議は、歯科医師の訪問歯科診療や歯科衛生士の行なう口腔ケアの時間帯とはぶつからないように行います。


都道府県指定の「特定施設入居者生活介護事業所の口腔衛生管理体制の基本業務で使用する計画書」はどれを使用するか?


厚労省の令和6年度介護報酬改定のホームページに、特定施設入居者生活介護事業所の「口腔衛生管理体制の計画書」が載っていました。
リンクはこちらです⇓

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001228019.docx


注意点としては、
都道府県指定の「特定施設入居者生活介護事業所」が令和6年4月より、「口腔衛生管理体制の基本業務」になった為、計画書は「口腔衛生管理体制の計画書」を使用します。施設全体で1枚作成します。

市町村指定の定員29名以下の「地域密着型の特定施設入居者生活介護事業所」は口腔衛生管理体制加算を令和6年4月以降も算定可能なので、計画書は「口腔ケア・マネジメント計画書」を使用します。これも施設全体で1枚作成します。

なお、特定施設入居者生活介護事業所の「口腔衛生管理体制の計画書」は令和6年度の介護保険施設の口腔衛生管理体制の計画書と比べると、月に1回行なう口腔アセスメントの項目はありません。
食事状態や食形態等の確認の項目はありますので、必要があれば歯科専門職は、食支援のアドバイスもしていきます。
(令和3年度の口腔衛生管理体制の計画書と同じ様式でした)

※特定施設の口腔衛生管理体制の計画書です⇓

この章のまとめ:
グループホーム及び地域密着型の特定施設入居者生活介護事業所の有料老人ホーム等で令和6年4月以降に口腔衛生管理体制加算を算定する場合は、「口腔ケア・マネジメント計画書」を作成する。

都道府県指定の「特定施設入居者生活介護事業所」は、令和6年4月以降は、基本業務の為「口腔衛生管理体制の計画書」を使用する。


【令和6年3月追記】オンライン会議について


歯科医師や歯科衛生士を交えた「口腔ケアに関わる技術的助言や指導」を行なうミーティング(会議)はWEBを使い、オンラインで開催してもよいことになりました。


コロナウィルスの影響で、訪問を自粛しなければならない時は、オンラインの会議が認められるとありがたいですね!

※令和6年3月31日追記
オンライン会議は、「口腔衛生管理体制加算」及び「口腔衛生管理体制の基本業務」の会議で行うことが認められました。


※令和5年11月追記
オンライン会議は、今のところ、「グループホーム及び特定施設入居者生活介護事業所で口腔衛生管理体制加算を算定する場合」に認められています

介護保険施設「口腔衛生管理体制の基本業務」は、概ね6か月に1度以上行い、1年間に2度以上行うこと、が条件なので、
例えばコロナウィルス感染症などの影響で、会議を行なうことが出来ない場合
は、「翌月に集まって行う」、でもよいですし、
集まれない場合は「オンライン会議」をおこなって、歯科医師、歯科衛生士が施設職員に指導することが可能になりました。

また、グループホームや地域密着型で「口腔衛生管理体制加算」を算定する場合は、1か月に1度以上集まって、歯科医師、歯科衛生士が施設職員に対して、口腔ケアに関する助言や指導を行なわなければならないので、何らかの理由で集まれない場合、オンライン会議を開けるとありがたいですね。


会議(ミーティング)をする時の注意点

書類


質問を受けたので、追記します。

口腔衛生管理体制について、会議(ミーティング)をして
歯科医師、もしくは歯科医師から指示を受けた歯科衛生士が介護職員に技術的指導及び助言をした時に、

会議(ミーティング)を何時何分から何時何分まで行なったか、その都度お互いに確認します。

話し合いが終った後、「今日のミーティングは10時から10時20分で行いましたね」と言う感じです。

そして、施設の日報などにミーティングの時間や参加した職員の氏名を記載してもらいます。

何故こんなことをするかというと、介護保険施設などの介護サービス事業所は5年に一度、指導が入ります。

その時に、書類などを事細かに見られます。

「本当に体制加算について会議を行なって、歯科医師や歯科衛生士から指導や助言を受けているか」ということをチェックされます。

歯科医師や歯科衛生士が記載した「口腔衛生管理にかかわる助言内容」の用紙や、施設の「口腔衛生管理体制についての計画書」を勿論確認されますが、
ミーティングを何分間くらいおこなったか、参加した職員の氏名なども確認されることがあります。

その為、私は時間を確認して、施設の日報に「時間や参加した職員の氏名、話し合った内容の概要」などを書いてもらっています。

まあ、指導対策?的な感じですね。


歯科医院側は、診療患者の日報表などの余白に、ミーティング時間を控えておいて、その時間の数分後から診察や口腔ケアを始めます。

診察時間をカルテに記載する際、ミーティングの時間とかぶらないようにする必要があります。
(ミーティングをしている時間帯は診察できないですよね(笑))


施設で研修を行なったら、それを口腔衛生管理体制の会議としていいのか?

研修会場


これは、研修内容が「口腔衛生管理体制について」なら問題ないと思います。

ただし、気をつけなければならないのは、講師は歯科医師もしくは歯科医師から指導を受けた歯科衛生士である必要があります。

そして、研修日時を記載し、講師である歯科医師名、もしくは歯科衛生士名、受講した職員の氏名の一覧表、その時使用したレジュメをファイリングしておくとよいと思います。

あとは、忘れずに「口腔衛生管理にかかわる助言内容」を歯科医師もしくは歯科衛生士に記載してもらいます!


この用紙に助言内容を書いてもらわないと、
介護保険施設の場合は「口腔衛生管理体制の計画書」を、グループホームや特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームなどは「口腔ケア・マネジメント計画書」を作成できないので、くれぐれも忘れないようにしてください。


感染対策の研修をしたのですが、口腔衛生管理体制の話も含まれていたので、これも会議としてみなされますか?と言う質問も受けたのですが・・


この場合は「感染対策の研修が17時半から18時まで」
「口腔衛生管理体制の研修が18時5分から18時35分まで」というように2つの研修を実施したのであれば問題ないと思います。

感染対策の研修はそれはそれで行わなければならないので、
2つに分けて実施したら問題ないでしょうね。

それぞれについて参加した職員の氏名の一覧レジュメを作っておく必要があると思います。

重ねて言いますが、口腔衛生管理体制の研修の講師は歯科医師歯科衛生士になります。施設内研修で、介護職員が講師になっていたら、それは「口腔衛生管理体制の会議」にはなりませんのでご注意を!


【令和6年3月追記】介護保険施設での入所者の口腔アセスメント義務化について



令和6年4月より、特養、老健、介護医療院などの介護保険施設で「入所時の口腔アセスメントと入所後の1か月に1回の口腔アセスメント」をすることが義務化されました。

この、口腔アセスメントは、施設職員、歯科医師、歯科衛生士、の
どの職種がおこなってもよいことになっています。

口腔アセスメントを行なう歯科医師、歯科衛生士は、「協力歯科医療機関」もしくは「その施設に定期的に訪問歯科診療をしている歯科医療機関」の歯科医師、その歯科医師から指示を受けた歯科衛生士になります。

※例えば、「協力歯科医療機関」の歯科医師が、施設に勤務している歯科衛生士に指示を出して口腔アセスメントを行なうことも可能です。

実施にあたっては、施設と歯科医院で話し合いをおこない、「施設と歯科医院がどのように連携し、口腔アセスメントをどのようにおこなっていくのか」文書を作成して取り決めます。

文書作成例は、例えば

施設と歯科医院との口腔アセスメントの取り決めの文書作成例

①入所時の口腔アセスメントは出来る限り歯科医師、歯科衛生士がおこない、歯科専門職が口腔アセスメントを行なうことが出来ない時は、施設職員がおこなう。
②口腔アセスメントは、1か月に1度おこなう。
③入所後の口腔アセスメントについて、歯科衛生士が訪問歯科衛生指導で口腔ケアをおこなった方、歯科医師が歯科訪問診療をおこなった方については、口腔アセスメントをおこなったものとする。
それ以外の入所者については、施設職員がアセスメントを行なう
④施設職員が口腔アセスメントをすることが、難しい方は歯科医師、歯科衛生士がアセスメントを行なう。
⑤施設職員が口腔アセスメントを行なった結果、口腔機能が低下している方、口腔内にむし歯や歯周病などがあり、なんらかの問題を抱えている方については、歯科専門職に相談する。


上記のように作成します。

歯科衛生士の口腔ケアや歯科医師の訪問診療は、口腔アセスメントしたことに代えられる


歯科衛生士が口腔衛生管理加算で口腔ケアした方、
歯科衛生士が訪問歯科衛生指導で口腔ケアした方、
歯科医師が歯科訪問診療で診察した方、は

口腔アセスメントに代えることができる、とされています。

それ以外の方は、口腔アセスメントをしなければなりません。

施設職員のおこなう口腔アセスメントの項目は、歯の汚れ、舌の汚れ、歯肉の腫れ、出血など8項目あります。
そして、この8項目のどれか1つでも、「あり」「できない」があると
歯科医師、歯科衛生士による、口腔内の確認の必要性が「高い」と判断されます。

介護保険施設で使用する口腔アセスメント表
(口腔の健康状態の評価及び情報共有書)は下記リンクからダウンロードできます。↓

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001228020.xlsx


※厚生労働省 令和6年介護報酬改定 リハビリテーション・機能訓練、栄養、口腔の一体的取組についてのPDF資料の43~45ページに口腔アセスメントの8項目について、説明が載っています。

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227996.pdf


※令和6年7月11日追記

日本歯科医学会のホームページに介護保険施設の口腔アセスメント義務化に伴う「口腔健康の評価」について記載がありました。

日本歯科医学会  歯科診療に関する考え方(令和6年版)のページに
「入院中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の評価に関する基本的な考え方(令和6年3月)」という資料があります。
この資料に8項目のアセスメント方法について詳しく説明が載っています。

こちらのリンクを記載しておきます。
日本歯科医学会のホームページ


8項目のアセスメント方法について、説明があるのはこちらのPDFです。
⇒「入院中及び在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の評価に関する基本的な考え方(令和6年3月)」

https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r06/document-240325.pdf


口腔衛生管加算は従来通りでいいの?

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(R3年5月3日、追記します)

口腔衛生管理加算は介護保険施設が算定する加算です。

令和3年3月までは、「口腔衛生管理体制加算を算定した上で口腔衛生管理加算を実施する」と定められていました。

冒頭でも説明しましたが、4月からは口腔衛生管理体制加算は廃止されたので、「基本業務として実施し」その上で口腔衛生管理加算を行います

例えば、5月から口腔衛生管理加算を初めて行う介護保険施設(特養、老健、介護医療院)の場合、5月中に口腔衛生管理体制の話し合いと計画書を作成しておいた方がよいでしょう。

そして、「月2回以上歯科衛生士が入所者の口腔衛生管理を行い、介護職員に技術的指導及び助言をする」と口腔衛生管理加算Ⅰを算定できます。

Ⅰの要件に加えて、データを厚労省のデータベースLIFEに提出し、PDCAサイクルで改善を目指す口腔衛生管理加算Ⅱも新設されました。

(令和3年4月より、厚労省のデータベースCHASEはLIFEに名称が変わりました)

口腔衛生管理加算Ⅰ・・・90単位/月

口腔衛生管理加算Ⅱ・・・110単位/月

ただし、介護療養型医療施設では口腔衛生管理加算Ⅰの90単位の算定になり、Ⅱの110単位の算定は認められていません。

これは、介護療養型医療施設は2024年3月に廃止が決定しているからだと思います。

(※令和6年7月11日追記
介護療養型医療施設は廃止された為、取り消し線をつけております)

口腔衛生管理加算は「歯科衛生士が入所者の口腔ケアを月2回以上おこない、口腔衛生管理について助言や指導をおこなうこと」が算定要件です。

これは、口腔ケアの指導のみならず、誤嚥性肺炎の予防に関することや、摂食・嚥下についても必要があれば指導を行なう、ということです。

口腔ケアをせずに口腔衛生管理加算の実施記録を書くのは認められていませんので、ご注意くださいね。

(この算定要件については、医学通信社の「介護報酬早見表」や社会保険研究所の「介護報酬の解釈1」の算定本に記載しています。)

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