Overマガジンのイベントにおける女性蔑視表現との指摘について

今回、webメディアNOISIEの飯田光穂さんに以下のツイートでOverマガジンのイベントの内容に女性蔑視的な表現があったとのご指摘を受けました。

https://twitter.com/mihoiida_tw/status/1557939025629294593?s=20&t=D08cm4L9DGgeoYHp1o86cA

正直言ってこれが当方のイベントのことであるとは当初、全く気づかず、飯田さんの一連のゲイのミソジニーを指摘するツイートとともに、賛同の意でリツイートしました。このこと自体、シスジェンダーのゲイの鈍感さであるという誹りは免れないかもしれません。

ただし、イベントにおける登壇者の発言は、女性に対する女性器呼びではありませんし、女性蔑視でもありません。登壇者は無数の女性器をあしらった衣装を着ており、その衣装に言及にする形で、女性器が嫌いかを問うています。それは女性器そのものについての言及でもあり、その先に女性器呼びを含むゲイのミソジニーを指摘するものでした。

その背景を説明すると、あのイベントは『LGBT SCANDAL!!』と題したもので、LGBTムーブメントの中でかえりみられることの少ない暗部、スキャンダルについてもきちんと語り継ぎ考えていくべきという問題意識が背景にありました。その中で、第3回レズビアン ・ゲイパレードにおけるいわゆる「レズのくせに事件」についても取り上げており、ゲイのミソジニーもテーマの一つとしてありました。世間ではLGBTという言葉がもてはやされ、当事者も何気なくその言葉を使っているが、本来それは連帯の意を表すものであるにも関わらず、そうした実態を伴わないものなのではないかという批判であり、そのような現状を乗り越えて連帯していくにはどうすれば良いのかを考える趣旨でした。

そいういうイベントの前振りとして、女性器の衣装やあの発言があったわけですが、本論でその前振りがきちんと回収されていなかったことを反省しています。件の発言はゲイのミソジニー、あるいは自分の中のミソジニーを突きつけ自覚させるものであったと思いますが、それが伝わっていなかったとしたら私のトーク部分の構成のミスだったということです。実際に、時間的な制約もあり、LGBTムーブメントの流れを俯瞰的に振り返ることが主になり、ゲイのミソジニーについての深い議論や、それを踏まえたレズビアンとゲイの連帯についてなど詳しく語れませんでした。

ゲイのミソジニーについては常に警戒すべきという自覚を持っており、飯田さんのようなそれを指摘する人に全く逆のメッセージを伝えてしまったことは残念です。今回、飯田さんのように感じた方がいるということに気づかせていただいたことに感謝いたします。今後は、さらに、シスジェンダーのゲイとして自らが差別する立場にもなるということを意識しながら誌面、イベントにおける表現を行なっていきたいと思います。

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