【R1-問2】ITストラテジスト 午後2

1.現行事業の特性と経営課題、ビジネスモデル策定の背景
1-1.現行事業の特性と経営課題
 A社はB地域を中心に複数店舗を展開するローカルスーパーマーケットである。日用品や食料品を中心に、地域の住民の生活に欠かせない品を販売している。
 事業特性としては、食料品の小売業界は、社会の少子高齢化を受けて市場全体が成熟しており、これからの成長が見込めないことが挙げられる。特に、A社の展開するB地域では、若者が都会に出ていくこともあり、特に高齢化が進んでいる。例えば、ある地域では、人口の40%が高齢者に該当するといった調査報告まである。また、B地域はいわゆる車社会であるため、どこに行くにも車が必要なことも特性といえる。A社の店舗においても徒歩で来店している顧客は少なく、多くの顧客は車や公共交通機関を利用して来店している。このようなB地域の特性から新規顧客をいかに獲得し、売上を伸ばしていくかが経営課題となっていた。そのため、モノだけでなくコトを提供するような本業支援型の新事業の検討が必要だった。
 
1-2.ビジネスモデル策定の背景
 A社の経営課題の解決に向けて、現状の販売データを確認したところ、売上は横ばいであるのに対して、来店顧客数が減少傾向にあった。これについて対応策を検討しなければ、顧客が減少し売上も低下していくことが予想された。そのため、離れていった顧客を呼び戻すとともに新規顧客獲得を目的としたプロジェクトが立ち上がり、ITを活用したビジネスモデルを策定することとなった。
 私は、A社のITストラテジストとして、このプロジェクトのリーダーを任命された。
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