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八丈富士トレッキング

八丈富士はガイド無しでも登れます。
お友達とワイワイ登るのも楽しいし、ソロで黙々と登山をするのも楽しい山です。
実際私も本州の山に行くときは1人もしくは旦那と2人で自由に登ります。
なので必ずガイドがいた方が良いとは思っていませんが、普段自然に囲まれて歩くことをしていない方や、地域を知る山歩きをしたいならぜひガイドと登ることをお勧めします。

普段トレッキングガイドの時にお話ししていることを書いてみますね。
箇条書きですが・・・
・八丈島の成り立ちを地球のプレートから紹介
・八丈富士と三原山の違い
・太平洋にひょっこり生まれた火山島にどのように生き物達がやって来たのか
・その生き物たちの特徴
・人が運んだ外来種の脅威
をベースに、参加者が興味を示した部分のボリュームを多めにし景観の良いところで休憩しながらお話しします。

が。

八丈富士登山道の標高700m付近

必ず順序良く解説しているわけではなく、
山歩きをしていて発見した今その瞬間の生き物達の観察を最優先に楽しみます。

そろそろ紫陽花の葉が育ってきたので、ガクアジサイとラセイタタマアジサイの葉の感触を確かめてもらいました。
「どちらかがカンジョーシバと呼ばれていて、昔はなくてはならない日用品でした」と質問をします。
勘の良い方はすぐにガクアジサイの方を指し、トイレットペーパー!と答えてくれます笑
ぜひ感触を比べてくださいね。
拭きやすそうな葉が分かります。

まだ紙が貴重だった頃、八丈島ではガクアジサイをお尻ふきに使っていました。
「カンジョー(閑所)シバ」ですね。
閑所はトイレの古い呼び方です。
2〜3日陽に乾かしてしんなりさせてから使っていたそうで、
昔の閑所の側にはガクアジサイを植えて、すぐに摘み取れるようにしていたと聞きました。

八丈富士の火口

紫陽花の種子はとても小さくて風に飛ばされやすいので、風に運ばれ海を超えてやってきた生き物のひとつです。

・・・
で、解説をやめればカッコいいのですが、大抵調子に乗って
八丈島で変な呼ばれ方をしている植物も探して葉の感触を確かめてもらいます。
その植物は毒があるので汁が皮膚の柔らかい箇所につくと被れるんです…
島の先人が昔その葉で拭いたことがあったんでしょうね。
八丈島で「ケツクサリ」と呼ばれています。(何故そう呼ばれたかは想像してね)
参加者のウケが良いので良く話します笑
センニンソウ(ケツクサリ)の汁はカブれるので気をつけてください。
ちなみに他地域では「馬の歯落とし」「馬の歯こぼれ」「牛食わず」と別名がついています。
八丈島ではケツク・・・笑
先人の知恵が名に残る魅力的な植物だと思います。

山頂からの景色

さて、風は多少あり、雲の中を山頂に向かって歩き景色は期待できない状況でしたが、
山頂に着いたら一瞬だけ雲の切れ間から三原山を望めました。
とても高い山に立っているみたいで参加者と感動を共有。

晴れの山歩きも良いですが、実は雲が走る八丈富士の山歩きが大好きです。
雲海や火口に吸い込まれる雲の動きがとても魅力的。

長くなったので火口内の散策は次回に続きます。

読んでくれてありがとうございます。

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