J-POPカバー祭2020に
参加しました。よかったですね。
弊バンド「October Syndrome」では使用機材が大きく変化したということがあり、作曲ペースを少しずつ戻していこうという時に告知があったため、「5曲くらい作ったろうじゃねえか!」という気持ちがあったのですが、2曲しか作れませんでした。そりゃそうだ。
つーわけで今回はカバー曲の色々について書いていきます。参考になれば幸い。
boys in blue / BURGER NUDS
「バーガーで一番好きな曲は何か?」って問いには多分AM4:00とかミナソコとかを挙げるんですけど、「バーガーで一番コピーしたい曲は何か?」って問いにはこのboys in blueという曲を即答すると思います。
透明感の中にどこか寂寞の念を感じるビートに、ギターとベースがそれぞれ呼応するかのような単音フレーズの応酬、そしてサビの爆発するようなカッティングと、聴いてて気持ちがいい要素がこれでもかと言うくらい詰まっている名曲だと思います。
バーガーの中ではかなり異質というか、手癖でなんとなく作った感じではなくて新境地へと挑戦するような方向性なのもまた魅力ですよね(インタビューではレコーディング中に思いついてそのまま作ったと言ってましたが…)。
カバーする際に意識したことは2つあって、
1. クリーンとオーバードライブの音は明確に分ける等して緩急を大きく付ける
2. コーラスワークを強調させ、メロディーをとにかく楽しませる
をそれぞれ曲中で取り組んでみました。
1.クリーンとオーバードライブの音は明確に分ける等してとにかく緩急を付ける
イントロのアルペジオと単音フレーズはとにかく綺麗に、しかし芯のある音を目指しました。
シングルハムのデュオソニックでセンターピックアップのアン直で、中音を結構強調させるセッティングにして弾けば上手くいくと思ったんですが、地味にピッキングが難しいということが判明してとにかく時間がかかりました。
なにせ普段から自分のピッキングは結構雑で、力を入れずにピッキングしないと丸みのあるフレーズにはならないんですよね。
地味に左ギターのクリーンの単音フレーズはレコーディングで一時間くらいかかりました。これでも若干リズムがブレてるので妥協してしまったのですが…。
逆にサビとかの歪んだカッティングはほぼ一発録りです。というかギターソロもほぼ一発かな。
若干怪しい部分だけ録り直しましたけど、テイク的には2回です。俺にしては大分凄いほうですね。
右ギターは今回初お披露目のメテオラくんを使ってます。こっちはブルースドライバーを弱めにかけてアンプのゲインで調整する感じの音作り。
普段からトーンもボリュームもガン上げでエフェクターもガンガンかける感じのギターをやってるんですけど、この曲は逆に微調整を求められたので結構苦労しましたね。
クリーンギター、奥が深いですね。今後もやる機会あったら今回のことを思い出してみます。
地味に右ギターの弾く部分がほぼサビしかなかったので、急遽ギターソロに右も重ねてみましたが悪くはないかな。
原曲のあの薄い感じのギターソロも好きなんですが、重ねてみても勢いっつーかライブ感が出て結果的にはよかったかなと。
ベースは若干歪みっぽく。ムスタングベースだとあまりクリーンなベースが映えなかったのでゴリゴリにゲイン上げてみたけどこれが普段遣いとしてちょうどいいかなー。
2. コーラスワークを強調させ、メロディーをとにかく楽しませる
boys in blueって曲で最も強調されてるのって結局カッティングだとは思うんですけど、今回の催しはあくまでボカロのカバー。
つまりボーカロイドの部分を最も前に出さないと意味がないかなと考え、こちらをかなり意識しました。
とはいえ原曲がある以上そこを弄るのは嫌だったので、コーラスワークを中心に色々とやってみました。
原曲と聴き比べてみてもかなりボーカルがノッてるというか、サビとか3人くらい重ねてるんでそりゃ芯が出るわという感じで。とにかく紲星あかりちゃんのコーラスとしての適性が高いことを再確認させられました。
基本的にはオクターブ上重ねてるのが原曲なんですけど、本カバーだと3度上重ねたりしてみたりと試行錯誤はいっぱいしました。
普段はコーラスワークにあんまり力を入れないんですが、ここに力入れるだけでかなり締まるな~ってのを実感しましたね。
音感は正直ほぼ無い人間なので手探りだったんですが、その割には良いものになったんじゃないかと思います。いかがでしょうか。
ボカロの調教もVOCALOID5環境に変わってから始めて本格的に取り組ませてもらったんですが、地味にVOCALOID4よりも直感的にやれる部分が多くて再評価の必要性に迫られましたね(それでもやっぱ重いしやりづらい部分は多いんだけど)。
原曲が芯のあるけど少しヘナったボーカルということで、ゆかり凛にローファイっぽいエフェクトをかけてみましたが少しやりすぎだったかもしんないですね。
逆にコーラスは裏声っぽいあの透明感を上手く出せたんじゃないかなーと思います。ボーカルと重ねてみた時「こんなに凄いメロディーになるんだ!」ってなぜか感動しました(この曲何百回と聴いてるのにね…)。
以上の施策を使ってみて、最終的な成果物を評価してみると「まあいいんじゃない?」ってなところですかね。緩急は付いてると思うし、原曲のあの爆発的なサビの疾走感は出せたかなと思います。
結論としては「上手く出来た」と言っていいと思っています。割と自信作です。みんなもこのカバー聴いてバーガーナッズ聴いてみてね(今からだと復刻版すら手に入れるの若干むずいけど)。
ちなみに動画のジャケットのクソコラはバーガーナッズ再始動時のインタビュー写真より。カラーコーン被ってるイメージ昔から強いんですよね、バーガーナッズは。
サードアイ / the pillows
実は別のピロウズの曲をカバーする予定で結構練習してたんですが、直前になっておれが正社員として復帰することが決まってしまいました。
そのため「3曲目に取り掛かることを考えると余裕はないかもしれない!」と日和ってしまい、かつて少しだけ作ってたサードアイのカバーをやる運びとなりました。
サードアイという曲はおれが大学生になって真面目にバンド活動を始めてからなぜか10回は(ベースだけだけど)カバーした曲であり、ピロウズの中でも中間くらいの好きさにも関わらず妙に思い入れのある曲です。
なのでピロウズをカバーするときにはサードアイをとりあえずやっとこうという意識があったんでしょうか。しらんけど。
んでこの曲、すっげー苦労しました。
まずおれはサードアイのギターをよく知らなかったというか、変なカッティングが重なってることは知ってたんですがこれが予想以上に変なコード揃い。
しかもリズムとリードで割と違うことをしてるのでとにかく戸惑いながらレコーディングに臨んだ覚えがあります。
boys in blueと違ってサードアイの方はあまり時間がなく、強いて言えば「ボーカルがかっこいいので調教を真面目にやろう」くらいしか意識してなかったと思います。
そのためこれだけギターがかなり怪しい出来です。申し訳。
バンドスコアの解説ではどちらのギターもリアで弾いてるということが書いてあったので、リズムはデュオソニックのハムリアのディストーション、リードはメテオラのリアのクランチ気味な音作りでやりました。
結果的にはとにかくリズムのバッキングに後悔が残るものとなってしまいました。リアディストーションで弾くならもっとトーン下げないといけないですね。あとアタック感強すぎるし。
リードもピッキング感強すぎてイマイチだし、ソロもそこまで良い感じにならなかったですね。ブースター代わりになんか歪みもう一個踏めばよかったかな。
ベースはまあ、弾き慣れてるのでそこまで困んなかったですね。これだけは良い出来だったと思います。
ボーカルは悪くはないけど少し悔いの残るものになった、というかさわおのボーカルが無茶苦茶かっこいいのでハードルが勝手に上がってしまった部分があります。
巻き舌の再現も中々上手く行かず、中途半端になった部分が多々。もっと時間があれば…とは言いませんが(なんか沼だったので妥協するしかなかったです)。
ここまででも苦戦したのがわかるかと思いますが、本当に苦戦したのはここから。
まず、レコーディング終了時にCubaseがフリーズ。30分ほど待ったが復旧しなかったためにやむを得ず強制終了するしかなかったのですが、プロジェクトは復旧できませんでした。
幸い録音したオーディオファイルは復元できたんですが、ミスったテイク毎全部復旧されてしまったため、どれがOKテイクだったのかを見極めながら配置していく作業が発生してしまいました。
これだけでも疲れるのに、ボーカロイドもプロジェクトが破壊されてしまい、バックアップで保存されていたプロジェクトを復旧するのにも時間がかかってしまいました。
しかもこの際調教したデータも全部吹き飛んでしまい、作業2日前に4,5時間かけた作業をまたやらなければなりませんでした。
かなり疲弊しながらもおれの労働が始まってしまい、その帰りにミックス作業が始まったのですが、なんだか上手く行かない。
というのもバッキングとボーカルにかなり違和感があり、どれだけ時間をかけても上手く馴染まないのです。
バッキングが元々音作りが甘いことは上述しましたが、これのせいでボーカルの音域と被ってしまっているために納得の行かない感じになってしまっているのではないかと思いもしました。
5,6時間ほどのあらゆる試行錯誤を尽くしても違和感は払拭されず、「これはおれの耳がおかしくなっているだけだ」と思い、急遽盟友であるところのCマさんに協力を仰ぎました。
その結果、「ボーカルのキーズレてね?」という報告をもらいました。
サードアイは男性ボーカルであり、原キーだと少し低く歌うこととなってしまいます。
そのためパンチ力を出すためにキーを2つ上げていたのですが、ボーカロイドのプロジェクトを復旧する際にこのキーがなぜか原曲のものになってしまっていたのです。
違和感の正体は、バッキングでもなんでもなく、ボーカロイドのキーでした。
キーを上げたら一発で違和感は払拭されました。ついでに試行錯誤してEQで削り取ったギターのせいでスッカスカになってしまいました。
以上から教訓があります。
「ミックスの仕上がりはまず原曲と聴き比べよ」
最終的な評価は「イマイチ」ですね。とはいえ原曲があまりにかっこいいので人に聴かせるレベルにはまあ達してるかな…と思ったため、蔵に入れるよりも放り出すことを選びました。ぶりぶり。
なお動画のクソコラは言うまでもないと思いますがサードアイのジャケットです。凝ったものにする時間も気力もなかったのでこっちも手抜きです。愛着ある曲なのになんだか妥協の跡が多くてすみません…。
今後のこと
まず今後の活動についてですが、オリジナル曲の制作に戻ります。
カバー、今まで2曲作ったけどマジで伸びませんし、そもそも自分でもボカロのカバーってめちゃくちゃ好きな曲でも無い限り食指は中々伸びませんからね。
作ってて楽しくはあったけど、継続的にカバー活動する気は完全に失せました。数字を気にするわけでもないけど、自分がろくずっぽ聴かないようなタグに投稿し続けるのも失礼だと思うので、今後は多分あまりやらないと思います。
またJ-POPカバー祭が開催されるなら当然取り組みますけど、基本的にはオリジナル曲の制作をやろうと思っています。
とりあえず構想だけあるのが何曲かあるので、そのうちの一曲をなんとか今月中にデモだけでも作りたいですね。
色々書くべきことはあった気がするけど飽きたので以上です。
またどこかでお会いしましょう。さいなら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?