目下、私が最近気になっていることについて、アメリカの人工知能研究所「Open AI」が開発した生成型AI「ChatGPT」と対話してみたやりとりを、以下にメモしておきたいと思います。
今回のテーマは「日本の少子化対策について」。
筆者の質問(以下「Q」)に、ChatGPTが回答(以下「A」)をしています。対話時のバージョンは「ChatGPT Jan 30 Version」(2023年)です。
▶︎Q1.「日本がこどもに厳しい国だと言われている理由を教えてください」
▶︎Q2.「なぜ日本ではこれまで実効性のある少子化対策がなされてこなかったのですか?」
▶︎Q3.「日本が少子化を克服するための処方箋を教えてください」
▶︎Q4.「女性のキャリアアップが出生率を上げるという因果関係を具体的なデータで示してください」
▶︎Q5.「どの程度の少子化対策を行えば「異次元」といえますか?」
【Feedback / 生成型AIと対話をしてみて感じたこと】
今回、日本の少子化対策について、生成型AIにいろいろと質問をしたのは、2023年の年頭記者会見、及び1月通常国会の施政方針演説で岸田文雄首相が掲げた「異次元の少子化対策」発言が波紋を呼んでいるからでした。
生成型AIの考える少子化対策は、仕事上の「ワーク・ライフ・バランス」「テレワーク」「男性の育児参加」の推進などの働き方改革の重要性です。
このことについては、政府も同様の方針を示しており、これまでも国としてなんとか進めようとしていた動きはあったかと思います。
ただ、働き方改革における女性活躍の一環として挙げられていた「女性のキャリアアップ」については、当然推進していくべき課題ではあるものの、少子化対策との繋がりは、個人的には疑問でした。
例えば、以下の日本経済新聞の記事のように、フランスやスウェーデンなどの国では、国の政策によって夫婦共働きでも出生率を上げられることが実証されています。
しかし、女性のキャリアアップと同時に、フレックスタイム制度の導入や男性の育児参加なども積極的に行われなければ、日本ではむしろ男女ともに長時間労働のあおりを受けて、より一層出生率が低下してしまうこともあり得るのではないかと、少し懸念しています。
生成型AIの回答のとおり、女性のキャリアアップが出生率を上げるという因果関係については、今後の研究によってより一層明確になればと思います。
なお、経済産業研究所が以下の記事で紹介しているヨーロッパの少子化に関する研究では、出生率は子育てにかかる総費用だけでなく、夫婦間の子育て分担の割合によって左右されるため「母親の育児負担を軽減する政策」の推進が、出生率を大幅に改善する可能性があることを示しています。
同時に「金銭面での育児支援に関する給付金や税控除はほとんど効果がない」ということも述べられており、今のところ、児童手当の拡充が議論の中心になってしまっている日本政府には、よく耳を傾けてもらいたい研究結果です。
今後、日本が真剣に抜本的な少子化対策を講じるつもりなのであれば、少子化対策で成果を挙げているヨーロッパ諸国のように、婚外子や選択的夫婦別姓などの婚姻制度の見直しや、外国人労働者の受け入れ拡大など、日本がこれまで真正面から向き合ってこなかった議論にも、取り組んでいかざるを得ないのではないかと思います。
生成型AIのいうとおり、「異次元」という言葉は、現実世界では解決できないような問題を解決する、非常に革新的なアプローチのことかと思います。日本の少子化対策がただの言葉遊びに終わることなく、ぜひ、有言実行されることを願っています。