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歴史的町並みについて、生成型AIに聞いてみた【ChatGPT Q&A】

 目下、私が最近気になっていることについて、アメリカの人工知能研究所「Open AI」が開発した生成型AI「ChatGPT」と対話してみたやりとりを、以下にメモしておきたいと思います。

 今回のテーマは「歴史的町並みについて」。

 筆者の質問(以下「Q」)に、ChatGPTが回答(以下「A」)をしています。対話時のバージョンは「ChatGPT Jan 30 Version」及び「ChatGPT Feb 13 Version」(2023年)です。

▶︎Q1.「歴史的な町並みを残していく必要はありますか?」

A. 歴史的な町並みを残すことには、様々な意義があります。以下にその一部を挙げてみます。

1. 文化遺産としての価値
 歴史的な町並みには、地域の文化遺産としての価値があります。それらの町並みは、その地域の歴史や文化、生活様式を伝える貴重な資源となり、後世に伝えることができます。

2. 観光資源としての価値
 歴史的な町並みは、多くの場合、観光資源としても活用されます。それらの町並みは、多様な人々にとって魅力的なスポットとなり、地域の観光産業を支えることができます。

3. 地域のアイデンティティとしての価値
 歴史的な町並みは、地域のアイデンティティとしての価値もあります。それらの町並みは、その地域独自の特徴や魅力を象徴するものとなり、地域住民にとっては誇りあるものとなります。

 以上のように、歴史的な町並みを残すことは、地域の文化やアイデンティティ、そして観光産業にとっても重要な意義を持ちます。
 また、それらの町並みが今後も維持されることで、後世にその地域の魅力的な面を伝えることができます。したがって、歴史的な町並みを残していくことは、必要なことであると言えます。

▶︎Q2.「一部の住民が反対していたとしても、歴史的な町並みを残していく必要はあるのでしょうか?」

A. 歴史的な町並みを残すことは、その地域の文化や歴史、景観を守ることにつながり、地域のアイデンティティを形成するために非常に重要です。
 歴史的な町並みは、過去の人々が残してきたものであり、それを守ることは未来の人々への責任でもあります。また、歴史的な町並みは、地域の観光資源としても重要であり、地域の経済活動にも貢献しています。

 ただし、一部の住民が反対していた場合には、その反対意見にも耳を傾ける必要があります。反対意見がある場合には、その理由や要望について十分に検討し、調整することが大切です。
 歴史的な町並みを守るためには、地域住民や関係者とのコミュニケーションを密にし、協力して取り組むことが必要です。また、歴史的な町並みを保護するための法律や制度も整備されていますので、それを活用することも重要です。

 総じて、歴史的な町並みを残すことは、地域の文化や歴史、景観を守ることにつながるため、重要です。しかし、反対意見がある場合には、その理由や要望について十分に検討し、調整することが必要です。

▶︎Q3.「国や地方自治体などが行う補助金政策の弊害について教えてください」

A. 補助金政策は、国や地方自治体が特定の目的を達成するために企業や個人などに対して資金的な支援を行う政策です。しかし、補助金政策には以下のような弊害があります。

1. 産業の偏りを生みやすい
 補助金政策は、特定の産業や分野に対して優遇措置を行うことが多く、その結果、産業の偏りが生じることがあります。例えば、政府が太陽光発電の普及促進のために補助金を出した場合、太陽光発電メーカーや施工業者が恩恵を受けますが、他のエネルギー産業や関連産業が影響を受ける可能性があります。

2. 健全な競争を妨げる
 補助金政策は、補助金を受けた企業や団体が優位な立場に立つことになり、健全な競争が妨げられることがあります。例えば、政府がある企業に補助金を出している場合、その企業は補助金を受けた競合他社よりも競争上の優位性を持つことになります。

3. コスト増加を招く
 補助金政策は、補助金を受ける企業や団体にとっては利益がありますが、補助金を出す側である国や自治体にとっては財政負担が生じるため、コスト増加を招くことがあります。

4. ブーム後の不況が生じる
 補助金政策によって、特定の産業や分野がブームになり、景気が回復することがあります。しかし、その後の不況によって、補助金に依存していた企業や団体が打撃を受けることがあります。

 以上のように、補助金政策には様々な弊害があります。政策立案者は、これらの弊害を十分に考慮し、バランスのとれた政策を実施する必要があります。

▶︎Q4.「歴史的町並みの保存は、行政ルール(法律、条例など)による建物外観の規制や修理費用の補助などにより行われることが多いです。行政ルールに頼らずに、住民自身の力だけで歴史的町並みを保存していくことはできないのでしょうか?」

A. 歴史的町並みの保存は、行政ルールによってサポートされることが一般的ですが、住民自身の力での保存も可能です。実際に、歴史的町並みを保存するためには、地域住民や地元のコミュニティの協力が欠かせません。

 例えば、地域住民が歴史的な建物を所有している場合、建物を修復するために必要な費用を資金調達することができます。また、地元の団体やボランティアによって、建物の修復やメンテナンスを行うこともできます。

 さらに、地域住民や地元のコミュニティが協力して、歴史的な建物や景観を守るためのルールやガイドラインを策定することもできます。これによって、地域の住民が自主的に歴史的な建物を守ることができます。

 ただし、行政ルールがない場合、個人やグループによって建物や景観が保護される場合、保護や修復方法についての専門的な知識や資金力が必要になることがあります。また、歴史的な建物や景観の保存は、長期的な視野での継続的な努力が必要です。

▶︎Q5.「行政ルールに頼らずに、住民自身の力だけで歴史的町並みを保存しているまちの具体的な事例を教えてください」

A. 日本国内には、住民自身が歴史的町並みを保存している地域がいくつかあります。以下に具体的な事例をいくつか挙げてみます。

1. 岡山県美作市吉備中央町
 この地域は、江戸時代の町並みが現在も残る地域で、地域住民が自主的に保存活動を行っています。2006年には「吉備中央町まちづくり条例」が制定され、町の景観を守るためのルールやガイドラインが定められました。地域住民による建物修復や地域振興の活動が行われています。

2. 長野県駒ヶ根市
 この地域は、明治時代から昭和初期にかけての洋風建築が残る地域で、地域住民が保存活動を行っています。地域住民による建物修復や地域振興の活動が行われており、市民有志による「駒ヶ根西洋館保存会」が設立され、市内の洋風建築の保存活動を進めています。

3. 福岡県太宰府市
 この地域は、古代から中世にかけての歴史的な町並みが残る地域で、地域住民が保存活動を行っています。地域住民による建物修復や地域振興の活動が行われており、市民有志による「太宰府まちなみ保全会」が設立され、町並みの保全や観光振興を進めています。

 これらの地域では、行政ルールに頼らず、地域住民が自主的に町並みの保存活動を行っています。地域住民の協力や市民団体の活動が、歴史的な建物や景観の保存に大きな役割を果たしていると言えます。

▶︎Q6.「歴史的な町並みで暮らすメリットを教えてください」

A. 歴史的な町並みで暮らすことには、以下のようなメリットがあります。

1. 魅力的な景観や建物
 歴史的な町並みは、その地域独自の特徴や魅力的な建築物を持っていることが多いため、住む側にとっても魅力的な場所となります。古い建物や街並みが残っていることで、独特な雰囲気を味わうことができます。

2. 文化的なイベントや催し物
 歴史的な町並みでは、その地域の伝統的な文化やイベント、催し物などが盛んに行われることが多いです。住民は、そうした地域のイベントや文化に触れることができ、地域との結びつきを深めることができます。

3. コミュニティの形成
 歴史的な町並みでは、街の中心部に共有スペースがあり、そこで住民同士が交流することができます。また、古い家屋を改装してカフェやレストランにすることが多いため、地元の人々や観光客が集まる場所としても活用されます。こうした共有スペースや場所があることで、住民同士のコミュニティが形成されることがあります。

4. 交通の便やアクセスの良さ
 歴史的な町並みは、観光地として注目を集めていることが多いため、交通の便が良く、アクセスが容易な場合があります。観光客が多いため、公共交通機関の整備が進んでいることが多く、住民にとっても便利な環境が整っていることがあります。

 以上のように、歴史的な町並みで暮らすことには、魅力的な景観や建物、文化的なイベントや催し物、コミュニティの形成、交通の便やアクセスの良さなどのメリットがあります。

▶︎Q7.「歴史的な町並みに暮らす住民を増やしていくためには、どのような方法が有効ですか?」

A. 歴史的な町並みに暮らす住民を増やすことは、その町並みを活かしていく上で重要なことです。以下は歴史的な町並みに暮らす住民を増やすためのいくつかの有効な方法です。

1. 住宅改修援助
 古い建物の改修費用を援助することで、住民を増やすことができます。

2. 交通アクセスの改善
 歴史的な町並みに暮らすためには、交通アクセスが良いことが重要です。交通アクセスの改善によって、住民を増やすことができます。

3. 生活インフラの整備
 歴史的な町並みには、近代的な生活インフラが整っていないことがあります。生活インフラの整備によって、住民を増やすことができます。

4. 町並みのブランディング
 歴史的な町並みの魅力をアピールすることで、住民を増やすことができます。ブランディングによって、歴史的な町並みの魅力をアピールすることができます。

5. 商業施設の整備
 歴史的な町並みには、商業施設が少ないことがあります。商業施設の整備によって、住民を増やすことができます。

 これらは歴史的な町並みに暮らす住民を増やすためのいくつかの方法ですが、具体的な対策は地域や町並みによって異なりますので、適切な方法を検討する必要があります。

【Feedback / 生成型AIと対話をしてみて感じたこと】

 今回、歴史的町並みについて、生成型AIにいろいろと質問をした理由。

 それは現在、私が豊田市足助町の歴史的町並みに関わる仕事に携わるなかで、地域住民や行政職員の心の内に、さまざまな葛藤を感じたからでした。

 歴史的町並みの保存については、国内外さまざまな手法によって行われていますが、日本国内で最も国家予算を投じて取り組んでいるのが「重要伝統的建造物群保存地区(以下「重伝建」)」という選定制度です。

 重伝建とは、全国各地に残る歴史的な集落や町並みを守っていくために、各市町村が保存地区を決定し、条例を整備したもののうち、国(文化庁)が全国的にも価値が高いと判断したものを選定する制度。

 令和3年8月2日の段階における重要伝統的建造物群保存地区の数は、全国で126地区104市町村にのぼり、これらの地区のうちの1つに豊田市足助町も含まれています。

 この重伝建の制度をつかうと、保存地区内の建物を修理する場合などには、多額の補助金が充てられる一方で、その設計内容は歴史的町並みの景観を損なわないものとなるよう、比較的細かな制約条件(以下「許可基準」)があります。

 補助金の上限額や保存地区内の許可基準については、各自治体の条例のつくり方によって違いはありますが、豊田市足助町の場合は、1棟あたり最大5,000万円もの補助金がもらえる基準となっています。

 日本各地の歴史的町並みごとに、重伝建の選定を目指したきっかけや目的は異なるかと思いますが、多くの場合は、保存地区内の全ての住民に同意を得ることは難しいなかで、多額の補助金が得られることをひとつの口実にして、重伝建制度の利用に踏み切っているのではないかと思います。

 その後、制度運用がはじまり、いざ補助金をもらって建物を修理しようと試みた建物所有者や設計者などからは「保存地区内の景観基準が厳しくて、自分の思った通りに家がなおせない」などの苦情が寄せられることになります。

 それ以外にも、建物所有者から「古い建物を解体したい」「新しい建物を建てたい」などの要望があった際には、何とか思いとどまるよう説得したり、保存地区内の許可基準に見合う設計に変更してもらうなどの折衝が必要となってきます。

 その他、元々古い建物が多い地域で少子高齢化も進行していくため、当然空き家の増加も目立ってくるなど、歴史的町並みを取り巻く地域課題は山積しています。

 例えば、中世末期より約400年続く歴史的町並みで、全国的にも有名な重伝建のひとつである奈良県の橿原市今井町でさえも、地元メディアが以下の記事で取り上げているとおり、事態は深刻です。

 私が現在関わっている豊田市足助町でも、重伝建に選定されてちょうど10周年を迎えた昨年度(令和3年度)、地域住民と行政が歴史的町並みの未来を一緒に考えていく活動を行いました。
 もちろん前述した課題についても、さまざまな議論がありましたが、その対策の実施や成果の発現については、いまだ道半ばといったところです。

 こうした歴史的町並みについての捉え方は、実際にそこに住んでいる人々の目線と、それ以外の人々の目線では大きく乖離があり、素直に議論しようとすることで、致命的な対立を生んでしまうことも多いように思われます。

 こうした当事者性の強いセンシティブな議論が必要なケースにおいては、ChatGPTのような生成型AIを使った問答を行なってみるのも、割と有効なのではないかと感じました。

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