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5車立てが抱える本当の問題

5車だと配当が安くなる、とか、5車のほうが当てやすいとか、ファンの側から競輪の5車立てを考えると、車券に対しての感想が出てくるものでしょう。ボートの5艘立てとか、競馬の5頭立てに対しても同じ感想になるはずです。

ですが、競馬やボートなどと違い、競輪の5車立てには車券に対してではなく、競技としての問題があります。

選抜より一般のほうが競走得点をもらえる問題

このツイートは2021年2月にしたものです。G3記念競輪における3日目と最終日の選抜戦と一般戦の競走得点と着順の表です。画像だけ別途貼ります。

一般戦が6車以下だと選抜戦9着より点数がもらえちゃう

問題点は明らかで、もし一般戦が5車立てや6車立てで開催されてしまうと、上位である選抜戦の最下位である9着よりも、一般戦で最下位の5,6着のほうが点数をもらえてしまうのです。

これが他競技よりも問題なのは、競輪がトーナメント形式での開催であることです。

その日の着順に応じて、翌日出走できるレースの格が決まる競輪において、これは公平性を著しく欠きます。頑張った結果、翌日格上のレースで大敗しした場合より、頑張らずに格下のレースで大敗したほうが点数をもらえる、ということになるからです。

競輪選手の級班は競走得点の平均と失格数で判断しています。ですので、もらえる点数の大小は非常に重要です。

また、選抜と一般の最下位着点数が逆転までしていない例(7車立て開催での5車立て)でも、点差が著しく接近しています。

たとえばS級7車7レース3日制での場合、最終日は決勝、特選、一般の3クラスになりますが、特選7着が99点なのに対し、一般戦が5車立てで最下位の5着は94点で5点差しかありません。

一般戦が7車立てであったならば、最下位7着は90点なのです。そして、これにより降級争いにも悪い影響がでます。

一般戦が7車立てになった開催に出走した選手と、5車立てになった開催に出走した選手とでは平均競走得点の「下げ幅」が全然違ってくるからです。

売上優先にして公平性が失われるのは悲しい

主催者としては、車立てが減ったとしても「レース数」をできるだけ確保したほうが売上がよいのでしょう。ですが、競技としての公平性を保つためには、車立てを減らす調整よりも、レースカットをする調整をするべきなのです。

例えば5車立てが3レース、6車立てが1レースできてしまうのであれば、7車立て3レースにする調整をするべき、ということです。

コロナによって現れた問題なので、いつまで考えねばならないかという話はあるでしょうけども、優先すべきは車券の売上ではなく競技としての公平性であるべきなはずです。

そして、公平性は予想にも影響します。選手が上の競走を目指すことを前提としない予想をせねばならないとなると、選手意識によって程度の差が生まれ、非常にモヤモヤした予想をせねばなりません。

もう補充や追加に障害がおきて数年経ちますが、一時的な対応としてではなく、公平性を基に見直して欲しいと願ってます。

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