見た映画を小学生並みの感想で記録する7/TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬについて

この記事は2019/9/16にAmebaブログに投稿したブログ内容を転記して作成しています。

僕です。俗に言う二回行動です。「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」を見ました。どうまとめようかなと考えている内に結構な時間が経ってしまったので、忘れる前に記録しておこうと思います。
以下にamazonのページのあらすじを記しておきます。

フツーの高校生・大助は、同級生のひろ美ちゃんのことが大好き。修学旅行中のある日、大助は不慮の事故に遭ってしまう。目覚めるとそこは―深紅に染まった空と炎、ドクロが転がり、人々が責め苦を受ける、ホンモノの【地獄】だった!! なんで俺だけ!? まだキスもしたことないのに、このまま死ぬには若すぎる!! 慌てる大助を待ち受けていたのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で、地獄専属ロックバンド・地獄図(ヘルズ)を率いる赤鬼のキラーK。キラーKの“鬼特訓”のもと、生き返りを賭けた、大助の地獄めぐりが幕を明ける!!!!!(C)2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. / KDDI CORPORATION / GYAO Corporation

何と言うか、勢いのあるあらすじですね。うん。

個人的に面白かった、良かったところ

・静か(?)な立ち上がりから一気にフルスピードに入るオープニング
→1カット目にスマトーフォンで映像を見て会話する男子高校生2人のシーンから始まり、それから修学旅行のバス内に場面が移ります。ここから一気に映像内の情報量が増え、騒々しい車内のシーンが続きます。ここから作品内の伏線張りが始まり、一見すると分からないような伏線も多々ありますが、ちゃんと後々回収しているのも好印象です。
ここからバスの転落事故に繋がる訳ですが、ここでの描写も情報量が大量にあって面白いオープニングになっています。オープニングの勢いで観客の気持ちを掴んでいる気がします。ここのノリ好き。


・地獄落ちて早速音楽ライブが始まって一気に混沌としてくる
→前述のバス転落事故で死亡した主人公関(正確にはバナナを喉に詰まらせて窒息死)が進んだ先は荒廃した世界のような地獄(バスの車内で散々地獄の話が出ている)。ここでいきなり鬼がライブを始めます。ワケガワカラナイヨ。ここから関の犯した罪()が明かされたり、突然現れたバンドのボーカルが元々関の知り合いだったりと色々明かされます。一見ワケガワカラナイのですがこれが結構整合性があるように感じてしまうのが結構面白い。この後もトンデモ設定欲張りセットが続きますが、地獄の何でもあり感がよく出ている印象があります。

・黄泉がえりのシーンの複数の役割
→作中で関は畜生界行きとして(合ってる?)小鳥や犬、オットセイなどに生まれ変わり現界します(気がつくと必ずバンドスタジオのトイレにいる)。その度に彼が片想いしていたひろ美を探し回ります。

作中の設定として
「地獄での1週間は現世の10年間に相当する」
「地獄では週に一回閻魔大王の審査を受け、次にどの世界に進むか決められる機会が与えられる」
「7回地獄に落ちると鬼になってしまい二度と地獄から抜け出せない」(合ってる?)
という設定があり、関は毎週のように審査を受けては畜生(昆虫や動物などの本能で生きる生物)として現界を繰り返します。地獄での関とその周囲の活動のみでは映像が非常に淡々としたものとなり、飽きが来てしまいます。そこに現世での関の活動を並行して描くことでストーリーに飽きがこないような展開を作っているのかなと感じました。2つの世界を行き来できる設定だからこそのシナリオだと思います。

・天国と地獄の対比
→作中では主に地獄が描かれていますが、終盤に少しだけ天国でのシーンが描かれます。一般的に地獄より天国の方が良いものとして描かれます。しかしこの作品では地獄はコメディの舞台、即ち滑稽な世界、楽しいもの、時間経過が早い世界として描写され、映像的な部分としては少し安っぽいセット(他の映像技術や美術面からしておそらく故意)で描かれています。一方で天国は退屈で無機質、情報量が圧倒的に少なく描写されており、時間経過も非常に長く設定されています(設定時間忘れた)。映像面でもCGを駆使したデジタルチックに描写されています。完全に対照的に設定され、相対的に地獄を面白いもの、天国を地獄の引き立て役として利用しているのがあまり見られない演出だったように感じました。

一方で少し批判的な部分が

・ネタを質より量で攻めている印象
→序盤から大量のネタで容赦無くラッシュを仕掛けているように感じる印象がありました。所々シュール通り越したようなネタも散見されました。下手な鉄砲も数打てば当たるようなイメージです。結構面白いシーンもあったので、何とも言えない気持ちになりました。このネタの数が物語全体の疾走感の演出になっているのではないかという印象も一緒に感じました。何にせよ全体の情報量が多かった。

こんな感じです。全体としては突拍子もない世界観や描写でありながら、テンポが良く高いテンションが続いていたので視聴も苦ではなかったです。作中で主人公関の地獄でのナビゲーターポジションである鬼、キラーK(関の使っていたスタジオの元店員でもある)に長瀬智也氏、その他にもみうらじゅん、古田新太、中村獅童、マーティー・フリードマン、ゴンゾー、シシド・カフカ(敬称略)など様々なキャスティングが凝らされています。中には一瞬のみの出演の方もおり、キャスティングの無駄遣い(無論いい意味で)も要所要所に光っていました。

少し異色のコメディー作品であり、レビューも賛否両論あって少し視聴をためらう事もあるかもしれませんが、軽い気持ちでこの世界に踏み込んでみるのは大いにありだと思います。
1つの複合バラエティとして楽しめると思います。

おわりー

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