見た映画を小学生並みの感想で記録する3/いびつについて

この記事は2019/9/11にAmebaブログに投稿したブログ内容を転記して作成しています。

ΣISAKAです。たまたま発見した「いびつ」という2012年の作品を見たので個人的な感想を書きます。視聴後に調べてみたところ原作は「すんドめ」などを描かれた岡田和人先生による漫画作品だそうです。何と言うか納得しました。

ということでアマゾンのページから引用したあらすじがこちら

気弱なフリーター柿口啓吾は、ある日電車で女子高生の森高円に痴漢だと間違われる。円に捕まった啓吾は駅のトイレまで連れて行かれ、無理矢理無様な格好をさせられ、写メを撮られてしまう。

よく分かりませんでしたが男性が女子高生に弱みを握られたことは分かりました。

個人的に好きだったところは

・開幕の掴みは結構引き込まれた
→最初のシーンで満員電車からありがちな男性と女子高生が近くにいてしまった所から始まり、大方の予想通り痴漢として鉄道会社の人間に連れて行かれます。最初の方から主人公は、チラ見された(疑われた)際に全力の愛想笑いを返したり、鉄道会社でリュックの中から身分証を出そうとした時の異常なほどの慌て具合など所謂「変なヤツ」としての印象が強く残りました。そのリュックの中からディルドが出てくるのは予想の斜め上を行きました。草。

・主人公の少しいびつな性趣向が露見したこと
→何やかんやあって()主人公柿口と女子高生円は柿口の家で同居生活を始めることになるのですが、柿口は決して円に直接手を出すこともなく、理想の女性の模型像を作ることに執心します。一方で円から渡された(アリバイのために押し付けられた)下着を模型に着させて致したり、円からニーハイを貰うために全裸になった上に直接片方だけ脱がせ、挙句学校の掃除用具入れの中で致すという(その上全裸で学校から逃走)自己完結に終始した趣向を見せています。

これは個人的な想像なのですが、彼は女性をある意味で神格化しており、中でも円は自らの理想たりうる存在だった様に感じます。それを顕現させるために自ら模型像を作り、円がモデルになることを受け入れたのではないでしょうか。故に彼は本当の女性に手を出すことが出来ず、彼女の身につけていた衣服を入手するためには手段は選ばないものの、自らの中で終結する方法を取っているのではないのかと思いました。一方で円の性格はドSそのもので、そこについては気に食わなかったのか、彼女に挑戦的な態度を取る姿が描かれていました。大体轟沈してましたが。

・たまに出るパワーワードが好き
→一番印象に残ったのが、主人公に対して彼のバイト先(アダルトショップ)の女性オーナーが言った「君は生涯オナニー顔をしている」です。これ自分が真正面から言われたら舌噛み切るかもしれん。

続いて少し批判的な意見をば

・起承転結が弱く、全体的にダラダラした構成に感じた
→この作品は現実世界での一コマを切り抜いた作品であるがためにこの様になってしまうことは仕方のないことかもしれません。しかし、大きく物語が進展した場面が中盤以降あまり見られず(序盤は結構あったけど)少し冗長な印象を受けました。視聴後に作品について検索したところ、原作の序盤(コミック3巻程度)しかこの映画で描かれてないそうでした。コミック3巻分に約2時間使っているとなると確かに少し長いのかもしれません。製作者が描きたいシーンが山ほどあって選べなかったとかそんな所でしょうか。

・オチが何とも言えない
→マンガなどの長編作品の映像化において一番難しいのは完結の部分だと思います。ただでさえ長い原作を圧縮した上で途中で完結させるとなると構成制作も気が滅入りそうです。よくあるパターンとしては途中途中の小さな章の完結部分を映像作品のオチに使うパターンです(バクマン。がそれでした。若干違いますが)。僕が原作を知らない「いびつ」では非常に何とも言えない部分で作品が終了します。まるで続編があるかの様な最後でした。もしかしたら原作中では重要なシーンかもしれませんが(初キスシーンだったので、2人の距離感の変化を描いていたのかもしれません)。がしかし、一見すればただの物語の転換場面だったようにも捉えられます。

映像制作において個人的に最も難しい点の1つとして「何も知らない人に対して如何に情報を伝えるか」という点があります。制作者は当然のことながら自らが作った世界、作品の全てを知っています。しかし視聴者それぞれの知識量は異なります。その人たちに向けて同じ様な認識をさせるということは非常に難しく、全て丁寧に伝えようとすれば「ただ説明的なつまらないもの」になりますし、隠喩や専門情報を含みすぎると「訳の分からないもの」となってしまいます。僕は映像系の大学に在籍して4年になりますが、未だにこの部分についてほとんど全くと言っていいほど会得できていません。本当に難しいです。つらい。卒制やだぁ・・・

はい。

作品全体としては、日常的かつ現実的な非日常を切り取った作品であり、その内容には非常に興味を惹かれました。一方で少しヒロイン役の方の演技が気になったり、内容が冗長だったりと勿体無い部分も多い作品だった様に思えます。最初から前後編で原作の最後まで描き切ることが前提の作品であればもう少し評価の違う作品だったのではないかと思います。少しえっちぃ内容も含まれる作品なので、個人的に深夜ドラマで1クールやってほしいです。多分いい感じになりそう。ネット配信でもいいよ。

映像技術的な部分でも若干低予算感は否めないものの、日常を切り取る様な画角や質感は好きです。所々怪しいもの、具体的にはアニメパロのオナホのパッケージなどが出ていたのが少し笑いました。何となく制作された時期が察せたので。

割と今時間の余裕があるので、この調子で観ていきたい。

アニメ全然観れてねえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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