見た映画を小学生並みの感想で記録する10/バトル・ロワイヤルについて

この記事は2019/9/21にAmebaブログに投稿したブログ内容を転記して作成しています。

ΣISAKAです。昨日久しぶりに外走ったら足めっちゃ筋肉痛になりました。酷い衰えようである。
先日皆大好き「バトル・ロワイヤル」を視聴しましたので、その感想を書き連ねていこうと思います。
以下アマゾンのページから引用したあらすじ

中学生同士が殺しあう、という衝撃的な内容で賛美両論を巻き起こした高見広春の原作を、アクション映画の大御所、深作欣二が完全映画化!本作も原作同様世間を騒がし、国会で議論になるほど破門を広げた。

この作品は2000年公開という時代の変わり目に投下された超大型爆弾のような作品のようです。この作品では若き日の藤原竜也氏や栗山千明氏などが出演しており、今見直すとまた楽しいものかもしれません。
ということで色々箇条書きしていこうと思います。

個人的に良かった点・面白かった点

・そもそものコンセプトの厨二感が凄い
→この作品で取り上げられる「ひとつの国」は経済的に非常に危機的な状況にあり、そのために大人を信用できない子供達は大人に対し牙を剥き暴走状態にある。その為子供を恐れた大人たちは「BR法(バトル・ロワイヤル法)」を制定。BR法とは、毎年全国の中学3年生のクラスから無作為に1クラスが選ばれ、その中で最後の1人になるまで殺し合い(バトルロワイヤル)を行わせるというもの。厨二感がまじですごい。しかしこの作品はR15指定の作品であるため、当時の中学生は映画館で見ることができなかったそう。流石に内容が内容なので仕方ない。

・中学生の殺し合いを凄惨に描いた本編
→この作品は、初めに前述のような説明に始まり、その次にいわゆる学級崩壊状態にある「とあるクラス」(後の白岩学園中学3年B組)の描写から始まります。黒板に書かれたボイコットのメッセージ、そしてそれを眺める教員キタノ。この時点でもうビートたけし氏の存在感が凄い。そして1人だけ遅れてやってくる生徒。その後キタノは教室を去りますが、そこで足を切りつけられてしまいます。田舎のガラ悪い中学校でもこんなことはそうそう起こりません・・・
次の場面が移動中の生徒を乗せたバスの車内。そこで車内にガスが放出され、運転手以外が眠ってしまいます。
生徒たちが目覚めると廃校舎の教室の中。そこに兵隊を連れたキタノが現れ「今から皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」という発言。それからバトルロワイヤルについての説明が始まりますが、ここで早速死者が出て、クラスはパニックに陥ってしまいます。ここでのクラス全員が教室内を逃げ回る一連のシーンの演出が壮大で結構好きです。人数多い場面の演出って絶対難しいと思いますし、その中でこのようなカットを作り出したのは流石の一言です。
この一連の流れは、ルールと場所に制約を置いたゲームチックな殺し合いを題材とした作品ではよくある流れですね。もしかしたらこの作品がその走りかもしれません。知らんけど。
それから装備の支給の後、それぞれ別れて戦いが始まります。ここから各キャラクターの性格が大きく出てくるところが好きです。例えば廃校舎の外でボウガンで出待ちをする人間。複数人で結託してゲームを破壊しようとする者たち。1人生き残るために奔走する者。戦いを放棄しようと声を上げる者。などなど様々な人間模様が見られます。その中で段々死というものが当たり前になってゆく感覚を作中では味わうことができた気がします。少し気が狂う様な感じになりました。

・チープながらも痛みを感じる描写
→作中で支給される武器には様々なものがあります。銃火器や刃物、毒物まで多種多様です。それぞれが支給された武器を使用して戦いに臨むわけですが、それぞれ描写が中々にえげつなかったです。1番えげつなかったのは毒入りの食べ物を口にして1人が死亡するところから始まる女子生徒グループの殺し合いです。元々協力して生き残ろうとしていたグループに痛手を負った主人公が現れ、彼女らに介抱されます。1人は献身的に主人公を助けるのですが、別の1人が主人公を疑い、彼を殺すために食事に毒を入れます。その皿を誤って受け取った人物が死亡し、グループが崩壊。全員入り乱れた殺し合いに発展してしまい、最後に生き残った少女(毒を盛った少女)は絶望から投身自殺をしてしまうという、ほんの少しの出来事から始まる疑心暗鬼の恐ろしさを描いた一連のシーン。この部分以外もですが、2000年当時の技術ではどうしてもグロテスクな描写は特殊メイクなどによる演出となり、少しチープに感じてしまいます。しかし演者の必死な演技のためか非常に痛々しく感じるシーンが多かった印象です。前述の一連のシーンも毒を盛られて死ぬ、銃殺される、投身自殺を図る、それぞれ演出も演技と相まってとても痛々しかったです。普通に辛かったです。

・グロテスクな内容に隠れたメッセージ性
→この作品は中学生が殺し合いをするという凄惨な内容が表立って印象に残りがちな作品ですが、その裏に「少年犯罪」や「学級崩壊」といったテーマも描かれており、子供の大人への不信感が爆発した結果をSF的内容で表している様に感じました。大人への不信を募らせた子供が暴走し、それを大人が強大な権力で押し潰そうとしているのが現実となったのが本作品です。BR法みたいなぶっ飛んだ内容は無いにしても子供を権力で押さえつけようとする法律が今後出てこないとは限りません。この作品ではその極地を見せているのではないでしょうか。

・とにかくビートたけし氏の演技がすごい
→キタノ役のビートたけし氏の演技が兎角凄かったです。鬼気迫る表情から時折見せる狂気。最後の最後まで目が離せませんでした。兎に角見れば分かります。きっと。

次に少し批判的な内容をば

・グロテスクな印象が前面に出過ぎている印象
→前述の内容に被りますが、作品のメッセージ性が中学生同士の凄惨な殺し合いという本編に隠れて少し見えにくくなっている様な印象を受けました。多少仕方ない所もありますが、各々の内面をもう少し描けばまた違った作品になった気もします(バトル・ロワイヤル特別編がそれに該当するそうなのですが、未だ未視聴・・・)

大体こんな感じでしょうか。2000年に制作でありながらそのスケールの大きさは現代の映画にも負けず劣らず。普通ではあり得ない狂った世界を舞台に繰り広げられる凄惨な戦い。主人公たちの選択する行動から目が離せない作品でした。続編の酷評ぶりが中々凄いのを見てしまいましたが、余裕があるときに見ようと思います。

オシマーイ

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