見た映画を小学生並みの感想で記録する2/ゆれる人魚について

この記事は、2019/9/9にamebaブログに投稿した内容を転記して作成しています。

ΣISAKAです。

先日投稿した映画感想の備忘録その2です。
今回感想を書くのは2018年のポーランド映画「ゆれる人魚」です。偶然見つけて面白そうと思い視聴しました。

以下あらすじ(amazonプライムページより引用)

1980年代のポーランド・ワルシャワで、人間たちを捕食して生きる美しい人魚姉妹は海からあがりナイトクラブにたどりつく。ストリップやライヴ演奏を披露する大人の社交場で、ふたりは得意のダンスと歌を披露し、すぐにスターになる。そんななか、姉シルバーはベーシストの青年ミーテクと恋に落ちる。初めての恋に浮かれるシルバーだが、妹ゴールデンは、そんな姉を複雑な眼差しで見つめていた。人魚にとって、人間の男は“餌”でしかないからだ。やがてふたりの間に生じた緊張感は限界に達し、残虐で血なまぐさい行為へと彼女たちを駆り立てる……。

(C)2015WFDIF, TELEWIZJA POLSKA S.A, PLATIGE IMAGE

こんなあらすじだったため、最初は妹ゴールデンが姉の恋愛を阻害するためにミーテクを喰らってそこから物語が動くのかなという予想を立てて観ていました。違いましたが。ということでここから作品に対する自分なりの所感をただ淡々と書き連ねていきます。ネタバレもあるかもしれない

まずこの作品は所謂ミュージカル映画でした。人魚が歌を用いて人をおびき寄せて捕食するという点から歌が1つの要素として作品内でピックアップされているみたいです。正直ちょっとびっくりした。最初のイラストで「人魚は人を食らう」ということを明示したところから始まり、夜の森で人魚の姉妹が人を誘惑しナイトクラブの演者として連れられる。といった始まりを見せます。この森にいる3人組がナイトクラブの演者だったことは後々分かるのですが、姉妹の歌に誘惑される男2人→カット変わって女性の悲鳴という一連の流れでてっきり男性が人魚に食われたものとばかり思っていました・・・(ちゃんと観ようね)

そこから物語が始まっていくわけですが、個人的に印象的な序盤のシーンで「地上にいて干からびそうになっている姉妹を男たちがプールに投げ込む」というシーンがありました。相手が人間だったら絶対にプールに雑に投げ込むことはないはずです。ここで彼らが人と人魚を完全に区別し、下に見ているんだなという印象を受けました。

この後のシーンからミュージカル要素が全面に出されながら物語が展開していきます。

この作品の戦犯は間違いなくベーシストのミーテクな訳で、姉に対し「魚としか見えない」と言っておきながら、姉に惚れたと思えば他の女性と関係を持ってたりシルバーが彼のために人間の足を手に入れたにも関わらず自分は他の女性と結婚するわでまあ散々で・・・
結果彼は妹に首を食いちぎられ、彼と共に住んでいたクラブの夫妻も離婚し、彼らがもし姉妹を見つけてなかったらこんなことにならなかったんだろうと考える少し悲しい気持ちになります。嘘ですなりません。勧善懲悪として考えると王道なストーリー展開だったのではないでしょうか。

この作品において人魚の姉妹の行動は正に対照的で、ベーシストに恋をするも「君は魚としか見れない」と言われ、人間になろうとする姉と、人間を食い物として見ており人を食らう妹。周りに明るく振る舞う姉とそっけない態度を取る妹。
割と極端なくらい行動と思考が違う2人でも姉妹という繋がりで繋がっており、泡となって消えた(人魚は恋をした相手が別の女性と結ばれた場合翌日に泡となって消える)姉の復讐のために発狂したようにミーテクを殺害した妹の行動はその繋がりの強さの現れだと考えてます。こういうのすき。

映像的な描写としては少しばかりエログロ要素が混じりながらもリアリティある描写に惹かれました。姉妹が人間を襲い心臓を貪るシーンの躊躇の無さや野生感のある演技が印象に残っています。闇医者による人間の胴体と足を切り離してシルバーの尻尾と付け替えるシーンでは、シュールさ(まるで出荷される魚のようなベッド)と胴体と足を切り離す時のえげつなさがごっちゃになってなんとも言えない感情になりました。また人魚の姉妹は結構頻繁に服を脱いで全裸になることがしばしばあったのですが、これもまた野性味を出すための演出なのかなと感じました。

全体を通した感想として
・人の欲求と汚さ
・人魚の姉妹の野生感
の二点を強く感じた大人向けダークファンタジーといった印象でした。ミュージカル部分の煌びやかさと殺人シーンのえげつなさによる落差が大きく、双方がより際立った様な気もします。

所々理解できなかったカットやシーンがいくつかありましたが、これって「察して」ってことなのでしょうか。分からん。

こんな感じです。

これから毎日は多分無理なので最低でも週1本は映画見て感想書こうと思います。

おしまい

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