見た映画を小学生並みの感想で記録する1/バクマン。について

この記事は2019/9/8にAmebaブログに投稿したブログ内容を転記して作成しています。

シグマイサカです。
最近アマゾンプライマーになったので、今まで見たかったけど見てない映画をちらほらと見るようになりました。
ただ観ておしまいというのもなんかアレなので、備忘録がてら記録していこうと思いましたのでやっていこうと思います。タイトルにもある通り実写版「バクマン。」を視聴しましたので、その記録です。

僕の個人的な話を事前にしておくと、バクマン。はマンガアニメ共にスタートから完結まで全て履修しておりました。元々大場つぐみ、小畑健コンビ作品である「DEATH NOTE」が好きでそこからこの作品に入っていきました。
アニメ放送当時の印象は「漫画家をモチーフにした特殊な作品でありながら、ジャンプ作品らしい王道展開を持ち合わせた少し邪道な作品」でした。実際ストーリーは漫画家の作品の制作過程や実情を合わせつつ、そこに苦難する若手漫画家亜城木夢叶(真城最高、高木秋人)を(恐らく)作者の実体験を元に描かれた作品です。
作中(漫画版)には実際の社名や作品名が出ており、ジャンプ作品でありながらリアル世界に限りなく寄り添った世界観から読者を「バクマン。」の世界に引き込み易くしている印象でした。

そんな印象の中で視聴したこの作品ですが、一番の感想は「所々頑張っているけど残念な部分が多く現れている作品」です。恐らくご覧になった方は同じような意見を持っているのではないでしょうか。

ではまず良かったと思った部分について

・マンガ制作のシーンの注力の仕方が独特かつ綺麗

→この作品で最も重要なシーンといえば無論「マンガを制作するシーン」です。マンガ制作というと膨大な時間と大量の試行錯誤を1つの室内で淡々と行うものですが、それをそのまま映像にしてしまうととてつもなく単調な構図になってしまいます。それこそまるで単調なドキュメンタリー映画のようになってしまいます。
そこをCGやプロジェクションマッピングを活用したアクションをつけることにより、単調な絵面に動きが生まれ、マンガ制作を端的かつ明確に表現しているのがとても印象に残っています。
また週刊連載の読者ランキングレースを「漫画家同士の対決」のように表現し、真城高木コンビと新妻エイジを戦わせる表現もまた面白い表現方法だなという印象です。

・役者の演技が秀逸

→これは新妻エイジ役染谷将太氏、平丸一也役新井浩文氏、川口たろう役宮藤官九郎氏、服部哲役山田孝之氏の4名の演技がとても秀逸で、原作のキャラクターに限りなく寄り添った印象を受けたところによります。
新妻エイジは所謂「ぶっ飛んだ天才」のようなキャラクターであり、マンガ制作の過程で擬音を発する、会話が成立しないことがあるなど普通の人から見ると「変人」と揶揄されるような人物です。このキャラクターを演じた染谷将太氏の演技は正に前述の新妻エイジの特徴を特に忠実(??)に表現しており、現実世界に新妻エイジが出てきたような印象を受けました。

他にも挙げた4名の方々の演技もそれぞれ特徴があって、原作を観た自分としてはとても安心感を持って観ることができました。

さて、ここまで良い部分を記してきましたが、ここからは少し批判的な意見を述べます

・主要人物がごっそり削られている

→原作中で主要人物である女性キャラクターが作中で全員いなくなっており、特に三好加耶がいなくなったことから作中で「亜城木夢叶」のペンネームが登場しないというシナリオになっています。「亜城木夢叶」という主人公2人のペンネームは「『亜』豆と真『城』と高『木』の『夢』を『叶』える」という意味でつけられており、そのペンネームをストーリー上から無くしてしまったことは作品として大きな損失であるように感じました。また、個人的に一番好きだったキャラクターの蒼樹紅(青木優梨子)が登場しないということがとても悲しかったです。
恐らくシナリオと作品尺を考慮した事による判断だと思われますが、ただ主人公2人を観に来る客層以外を捨てたように感じてしまいました。

・マンガ制作のシーン、凄いけど尺が長すぎる

→前述のマンガ制作のシーンの尺が個人的に長いように感じました。確かに表現としては非常に面白いシーンではあるのですが、作中で何度も見せられると飽きが来た印象です。
真城高木コンビと新妻エイジのランキングレースのアクションも、ただマンガの世界(イメージ)でお互いに巨大化したペンを振りかざして戦うシーンが続くという状態でした。この3名の演技を観たい人には良いかもしれませんが、それ以外の人にはただ巨大ペンを振り合う3名をただただ観せられるというシーンになっており、正直飽きました。

このシーンに関してはもっとアクションを減らしつつ、ランキングボードで絵替わりしながら徐々に摩耗していく真城高木コンビを表現する程度で良かったと思いますし、もう少し脇道に逸れたエピソードを他に入れても良かったのではないかと思っています。

・シナリオのラストにされたストーリーが微妙

→この作品のラストは「過労で倒れた真城が仲間と協力しながら巻頭カラー作品をどうにかして書き上げる」という原作中に似たストーリーでクライマックスを迎えます。正に「友情・努力・勝利」を体現したようなラストです。
しかしここで終わって良かったのかと頭に疑問符が浮かぶ結末であるような印象を受けました。実際問題原作は単行本にして20巻を数えるロングストーリーです。それを約120分の映像でまとめることは到底不可能です。そこで恐らく苦肉の策としてこの場面で完結としたのでしょう。ですが、原作中ではそこまで大きな区切りとしてこの場面(少々差異が見られるが)は描かれていません。故に僕が違和感を感じたのでしょう。

ということで以上が僕の映画「バクマン。」に対する印象でした。

基本的に漫画原作の映画作品は往往にしてこのようになる運命ではありますが、その中でどうにか1つのエンターテイメントとして昇華させようとする表現が多くあった印象です。しかしシナリオとしては所々疑問を持たざるを得ない場面が見られ、また前述のように演出としても違和感を覚える場面が散見されました。
原作を知らずにフラットな状態で観たならそれなりの作品として記憶できたのではないかという感想です。

おしまい

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