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ありがとうMade in Japan【Artisan 疾風乙レビュー風感想】

 0.はじめに

デバイス沼に足首が浸かるようになってから大体1年くらい。ようやく国産マウスパッドに触れました。Artisan 疾風乙 soft  XLです。
購入当時はStoria Greed rubyを使用しており、その前後でRazer Striderを使っていたりと、比較的スピード系と呼ばれるマウスパッドを多用している時期でした。これらのマウスパッドに共通することとして、「滑るけど止まらない」という悩みを抱えて使っていました。顕著なのがRazer Striderでした。

Razer Striderは、滑走面と中間層が共に固く、マウスを止めることに結構苦労していました。よく滑るけど止めにくいマウスパッドはどうしても日によってパフォーマンスにムラが出てしまいます。

そんな中、今回購入したArtisan 疾風乙 softは、スピード系らしい滑走速度と扱いやすい止め感を両立させた高性能なマウスパッドでした。ちなみに、現行の疾風乙は終売となり、今後帯電性などに対策を施した疾風乙V2が発売予定とのことです。こっちも楽しみ。
それでは使って感じたことなどをまとめていきます。

1.製品のサイズと硬度について

サイズはLサイズ(39cm×47cm)XLサイズ(42cm×49cm)XXLサイズ(49cm×50cm)の3種類、Artisanおなじみの3種の硬度(mid、soft、xsoft)の中間層を組み合わせたバリエーションがあります。サイズと中間層の硬度で9通りの組み合わせになります。

2.マウスパッドの特性について

滑走速度は一般的なマウスパッドと比較すると早く、コントロール系のマウスパッドでのフリック操作に慣れている場合にはオーバーフリックをしてしまう可能性が非常に高いです。滑走速度が異なるから当然といえばそうなのですが、これについては疾風乙の滑り始めの速さからこうなっているように感じられました。

マウスパッドの特性を分類する際、等速でマウスを滑らせた場合の滑走速度と別に滑り始めの滑走速度と切り返しの抵抗感に特性の差異が生じることが多いです。布製マウスパッドの場合、マウスを動かしている時にはそこまで滑走速度に差を感じないものの、マウスの動きを切り返そうとした時の抵抗感に違いを感じたことはないでしょうか。

疾風乙の滑走面の特徴は、滑走速度が速いだけでなく、動かし始めと切り返し時の抵抗が少ないことが挙げられます。動かし始めと切り返し時に抵抗があるマウスパッドを使用してから乗り換える場合、この特性を特に感じることになると思います。
マウスの振りはじめと切り返し、止めの際に力んで動かしている場合、その力みがマウス操作にそのまま反映されます。そのため、思ったところでマウスが止められない。僕はなりました。

慣れてくるとこの感覚が癖になってきます。マウスの動かし始めと止めの際に力まずに止める。そうすることで疾風乙softが滑って止まるという理想的なマウスパッドに化けました。

止めやすいマウスパッドに必要な要素は、滑走面だけでなく、滑走面と中間層の柔らかさだと言われています。Artisanの公式ページに中間層の硬さの違いによる操作感の違いが表になって掲載されています。

リンク:https://www.artisan-jp.com/fx-hayate-otsu.html

これを見てみると、中間層が柔らかくなればなるほどストッピングの性能が強くなり、同時に滑走安定性と滑走速度が下がるというように記載されています。midとxsoftの硬度については、それぞれ滑走速度と止め感に強い特徴があるため、arsisan公式のアナウンスとして最初に購入するのはsoftがよいと言われています。

3.実際に使ってみて

前述の通り脱力した状態であればマウスを止める動作が的確に行えるのですが、いざというときには大きなフリック操作もできる点もこのマウスパッドの強みと思っています。力を入れてマウスを動かせばその分大きく動いてくれます。そのため小さな動きも大きな動きもカバーできる滑走面と言ってもよいのではないでしょうか。

インゲーム、特にVALORANTでの話をすると、ゲーム内で最も必要とされる精密な射撃という点ではマウスを握る力をなるべく弱め、脱力した状態で操作することで視点移動やフリック操作に明確な精度向上が見られました。いっとき疾風乙を使用していない時期があったのですが、直近でまた使用を始め、マウスの操作方法を理解できたところでHS%とキルレートが明確に上がりました。これがチルエイムというものなのでしょうか。。。
また、ジェットのテイルウィンドによるブリンク時の索敵、レイズのブラストパックを使ったエントリ、ネオンのアルティメットを使用した際のトラッキングを行う際にはマウスを握る力を少し入れて大きなマウス操作も行えることができるようになりました。特にネオンのアルティメットが今まで得意ではなかったのですが、Kovaaksでの練習の甲斐もあってか前よりもキルできるようになりました。

トラッキング、フリックともに精度向上ができるマウスパッドですが、同時にマウスの動かし方を限定するマウスパッドでもあるように思えます。今現在のマウスの動かし方と噛み合わない場合、オーバーフリックが頻発したり、トラッキング時の引きずり感を覚える可能性があります。自分のマウスの動かし方を変えることができない場合には合わない場合があることも考えたほうがいいかもしれません。

僕も使い始めたときにフリック操作が安定せず、オーバーフリックをしてしまっていました。そんなこともあって別のマウスパッドを使用していましたが、マウスの動かし方をある程度理解してからはこの操作感から離れられないようになっています。

4.まとめ

今回は疾風乙softを購入して使用した感想をまとめました。各方面で言われている通りよく滑るしよく止まるマウスパッドです。ただ、マウスを握る手の力みがそのまま反映されるようなマウスパッドのため、マウスの動かし方を疾風乙ようにアジャストする必要があります。普段から力まず落ち着いてマウスを動かすタイプの方であればスムーズに移行できると思います。逆に力んだ状態でフリック操作を行うという方は、脱力したエイムの感覚を掴むまで少し時間がかかるかもしれません。

昨今では海外製の高級マウスパッドが台頭し、一万円近い布製マウスパッドも出てきている中、疾風乙XLサイズは直販価格で6710円。決して安い価格ではありませんが、比較的手を出しやすい価格のように思えます。コスパという面では非常に高く、価格相応、もしくはそれ以上の価値がある製品でした。

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