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20230524 大雑把で、非人間的で、古めかしくて、でも逃げ場はなくて

重いものを持つ時に、どちらの手で持つか気にしなくなってどのくらい経っただろうか。野球をやっていた頃は、一応利き腕側の肩は労わるようにしていたから、多分大学2年生くらいまでは気にする癖はあったように感じる。覚えてないんだけど。10年間やっていたから、習慣はあまり消えない。集合時間のめちゃくちゃ前につこうとしちゃうところとか、ズボンの後ろのポッケに手を入れてしまうところとか、だいぶ直ってきたかな。俺の心を作り上げた、白球と在った10年間。もう、全然覚えていない。たまに、ヒットを打つ夢を見るくらい。これもたまたま、一昨日くらいにライト前ヒットを打つ夢を見た。ランナー一塁で、もちろんバントのサインは出ない。下手だから。外角、ストレート、引き込んで、広く空いた一二塁間をライナーで抜いていく。バットにボールが当たる瞬間に見えたのは、オレンジ色のあのバット。チームで1番軽いバット。俺が、それまでのプライドとか、面倒なこととか、辛いこととか、全てねじ込んで使ってたアレ。最後には割れてしまってたけど。多分、この辺りからは夢ではなくて私の心象風景と交ざってる。エナメルの肩紐は、腕が入るだけのスペースさえあれば良かったあの頃の。左腕で、左肩に、大きなエナメルを。

今は。

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