ボタン

私は破滅的に断捨離が出来ない。
出来ないのには、明確な理由がある。


情が、ありすぎる。



なんてことないものを捨てるのが苦手だ。

例えばほら、替えのボタンとか。

あれってボタンがある服には大抵ついてて、実際に何回か紛失した時に使ったことがある。

だからってたくさんはいらないし、何年分もあると結構な量になったりする。

それに、最近の服は流行もすごい移り変わりが激しいし、もういいか!と断捨離ムーブにならってここ1ヶ月は捨ててみた。


ついこの間、断捨離途中に可愛いポーチを見つけた。正直存在を忘れていた。

断捨離のムーブとして、一年以上必要じゃなかったもの、替えがきくものは別に捨てていいというルールなので、そのポーチも捨てるかぁと意気込んで中を開けたら

大量のボタンが出てきた。

大小、色も様々なボタン達を見て、思わず私は大号泣をかましてしまった。

このボタンたちの中には、もう本体の服は捨ててしまったものもある。けれど。



そういや私は、替えのボタンというより、ボタンが好きで集めてたんだった。



いつの間に忘れてしまったんだろう?


いつの間に、捨てられるようになってしまったんだろう?


ボタン付けるのだけは得意で、特技に裁縫とか一丁前に書いてたんだった。



そんな過去を思い出してしまって、つい捨てられずにいる。

洋服も、物も、大抵に思い出が付属してしまっているのだろう。


この服は母親と買ったな、とか、これ買った時のお出かけ楽しかったな、とか。

付属品がついている限り、どうしても捨てられない。

しかも上京前の物だと尚更、捨てにくい。



断捨離、本当に向いてないのかもしれない。



以前、短編で物を捨てる青年の話を書いた記憶がある。
メンダコアパートのやつかな。

その時に、ゴミではなく思い出を捨てる行為だ、的なことを書いた。

なのに、思い出がたった一枚の薄い袋に入っただけでゴミ扱い、的なことも。


それが大層悲しいのかもしれない。



ボタンひとつ
捨てられない私に
何が救えるというの


新作の歌詞できちゃったね



何も救えねぇよ


救われない世の中だ

肩身を勝手に狭くして生きる毎日だ


君はこの夏がんばれそう?


私は無理かも(^_-)-☆


頑張ろうと思う度に、心の奥底で駄々こねる私が邪魔をしてくるよ


どうどう、落ち着いてくれや

ぜーーんぶ終わったら、有り金はたいて好きなことしていいからさ



そんな甘い未来を想像しては、しょっぱいしょっぱい今をめそめそ生きている




やるせない世の中だ

ちいこい私は、生き延びられるだろうか


自分に優しく、してあげたいね

自分にとびきり優しく、してあげなきゃね



朝から断捨離してやろうと意気込んだものの、上手くいかない私でした

ぼちぼち生きてこね


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