主のたたり(実話)④決意
次は私の番だ。必ず。
主を釣った場所にいて残るのは自分だけ。
しかも私は釣り上げた張本人。
いや、さらに家族に襲いかかるかもしれない。
考える。
そして決意した。
「釣った主を釣り上げた場所に返そう」
もう冷凍室で凍った魚体。
おかしな考えのようだが私にはそう感じた。
決意した私は準備する。
凍った主、清めるために日本酒と塩。
そして決意した私は予定を決めた。
仕事を終えた金曜日の夜に出発しよう。
その日は一日雨で夜にはさらに強くなっていた。
私は決行した。
1日でも急がないと、また何か起こる。
現地へは車で高速道路を使ってでも4時間はかかる。
そして、まさしく主を釣り上げた現地に夜中に到着し車を停めた。
車の外では激しい雨が降っている。
車内は雨が叩きつける音がし、私はエンジンをかけたまま運転席のドアを開け、雨を確認する。
「えらい日に来たな」と思いドアを閉めようとしたその時、
車の後ろにひとけを感じた。
④に続く
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