NPB入団テストの前と後 〜上〜

先日、NHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」で広島のお好み焼き職人が特集されました。

見たことあるお店だなと思っていたのですが、広島東洋カープの入団テストを受験して、新幹線で帰京する際に寄ったところでした。

そうしたら、色々とテストのことを思い出したので、受験に至った経緯、その後に考えたこと、感じたことを書いていこうと思います。


受験の経緯

受験したのは社会人2年目、24歳の秋。つまり、受験の年齢制限ギリギリでした。

高校時代から身体能力には自信があり、1次試験の基準である

・身長175cm

・50m走6.3秒

・遠投100m

はクリアしていたので、力試しと思って、いつか受験したい…と漠然と考えていました。漠然と、です。

そこから時は過ぎ、社会人2年目になり、どうしても野球がしたくなり、1年ぶりにジム通いを始めました。

ある日、会社の帰りの電車でニュースを読んでいると、カープの入団テスト開催の記事が目に留まりました。


今年は受ける。受けなきゃ一生後悔する。


と、急に思いました。Twitterのフォロワーさんの中に、社会人や独立リーグの選手もたくさんいますし、彼らが見たらブン殴りたくなるような経緯かもしれません。


ハガキの投函からテストまで

ハガキを出したのが8月24日(募集開始日)、テストの9月29日まで5週間しかありません。考えたことは、

とりあえずは1次はどうにか突破しよう

正直言ってこれしかありません。

元々「1次はイケる」というだけの自信ですし、2次でピッチングをしたとき、突発的にストライクが入らなくなるぐらいのことは容易に想像がついたからです。取り組んだものとしては、

・近所のスーパー公園にネットを張ってネットスロー

・瞬発力の強化

・高負荷低回数のウエイト

と、土日は友達を公園の鳥かごに呼んでピッチングぐらいでした。

サラリーマンが、夜に公園でネットに全力でボールを投げていたら、気でも狂ったかと言われそうですが、通報しなかった近所の皆様に感謝したいです。

所属チームもない一般のサラリーマンが出来ることとしてはよくやった方なんじゃないかと正直思います。母校に行ってブルペン貸してもらうとかも一応考えましたが…。

とりあえずこの時点でMax142km/hに届かせることができました。

社会人1年目、野球から完全に離れたことで、学生時代のクソみたいな投球フォームがガラッと改善たことも非常に大きな要因でした。

あとはもう、ヘンテコな右サイドから速い球を投げて、ちょっとでも目立つだけ。これだけです。

迎えた当日

テスト前日、スーツケースに野球用具を詰め込んで出社。18時に退社して、東京駅から新幹線で広島入り。さながら「バースデイ」で、トライアウトに向かうプロ野球選手のような出で立ちです。

とりあえずホテルに着いてシャワーを浴びて、野球用具を磨いたら、サッサと寝ました。

翌朝、広島は雨。この時点で一つ嫌な予感がしました。

遠投の試験、どうなるの。

事前情報として、(当時は)遠投でバックスピン掛けられないと合格出来ないと噂で聞いていたので、非常に嫌な予感がしました。物理的な距離でごまかす選択肢が消えたことは、自分にとって限りなく痛い、致命的なことでした。

夢にまで見た場所へ、受付開始の時間に間に合うように向かったら、なんと誰もいないのです。

そうなると、つまり、エントリーNo.1。厳密に言うと31〜だったので、31番で、走るのも投げるのも全部最初でした。


長くなりそうなので、「下」に続くこととします……



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