【ATL】戦力分析2023-投手-

お久しぶりです。ATL担当のかしです。

昨年はどの記事も半端で終わってしまい、日本のサラリーマンがMLBを追うことの大変さを痛感しました。
今年は、前年の反省を踏まえつつ、どうにか良い形にしていきたいなと思います。

さて、今回は開幕を控え、アトランタブレーブスの戦力分析をお送りします。


【先発投手】

昨季途中にウィル・スミスとのトレードで加入したジェイク・オドリッジ、プロスペクトだったカイル・ミュラーがトレードでチームを去りましたが、顔ぶれにそう変化はありません。

先発の軸は、昨年サイヤング賞投票2位のマックス・フリードと、新人王投票2位のスペンサー・ストライダー。
フリードは、球速は平均的であるものの、優れた制球力と良質なカーブ、チェンジアップをはじめとする多彩な変化球で、長打を打たれにくいのが魅力。
一方のストライダーは、平均98マイルを超える剛速球で三振を量産する。小柄な体格と高出力に加え、肘の故障歴と、故障が心配だが、今季も昨年同様の歴史的な活躍が期待される。
この対照的な2人が先発陣を牽引する形になるだろう。

次ぐ存在が、昨年21勝を挙げて大ブレイクしたカイル・ライトとベテランのチャーリー・モートン。
ライトは、カーブやシンカーを軸に組み立てる技巧派右腕で、さすがに昨年は出来すぎ。被打率.350、被長打率.580を記録したフォーシーム(投球割合19.4%)の改善が急務。
そんな中、肩のコンディション不良で調整が遅れ、開幕はILで迎えることが決定。4月半ばの復帰が予定されているが、頭数の足りていない先発陣だけに、復帰予定が後ろにずれ込むことのないことを願いたい。
モートンは38歳の昨季172イニングスで205三振を奪うなど、能力は健在。平均95マイルの4シーム、3000回転を超える大きなカーブを武器に、今季も衰え知らずの活躍を期待したい。

ライトの代役として昇格するのはジャレッド・シュスターとディラン・ドッドの2名。
シュスターは球団内1位のプロスペクトで、ショートアーム気味のモーションからチェンジアップとスライダーを武器にする左腕。
ドッドも同じく左腕で、スイーパーやチェンジアップを制球良く投げる。
二人とも、今季のSTで好成績を残してMLBデビューを勝ち取った。
ただ、いずれもハイシーリングではないタイプで、将来的にはローテーションの3~5番手の人材と言われている。

また、開幕のロースターに登録されなかったものの、昨年10勝を挙げたイアン・アンダーソンや技巧派右腕のブライス・エルダーらMLB経験のある若手の先発投手もおり、将来も決して暗くない。
そしてマイク・ソロカの復活も近い様子だが、どうなるのだろうか。あまりに故障が多すぎるので、叶えばラッキー程度に考えたいところだ。

全体を見ると、10勝以上を計算できる先発が4人おり、メッツには劣るものの、こちらも十分優秀な戦力が揃っている印象。あとは、若手の中から誰が出てくるのかで最終的な順位を左右するのではないか。


【リリーフ】

こちらは、クローザーのケンリー・ジャンセン、2021年の世界一に大きく貢献したルーク・ジャクソン、ベテランのダレン・オデイがFAで退団。
代わって、タイガースからジョー・ヒメネスを獲得したのが目立った補強と言える。
ヒメネスは、低いアングルから平均95マイル程度の速球とスライダー、チェンジアップを投げ、奪三振能力に優れる反面、被弾や四死球が多いという欠点があった。しかし、昨年はそれらが改善されており、フロックではなければ成績を向上させてくる期待が持てる。
既存戦力では、A.J.ミンターコリン・マクヒューが中心で、クローザーには開幕をILで迎えることになってしまったライセル・イグレシアスという形が基本だろう。
昨季途中に帰ってきて頑張ってくれたジェシー・チャベス、ブレイクしたディラン・リー、一昨年の立役者タイラー・マツェック…と粒ぞろい。
その他もベテランの、カービー・イェーツ、速球派のヤックセル・リオスが加入。2021年に100マイルの速球と野手顔負けの強打で頭角を現すも、ノックアウト後にベンチを殴って骨折した、ワスカー・イノーアも控え、質、量ともに充実の印象だ。

今年は開幕に間に合わせようと、最後はサラサラっと流す形になったが、今年の強みのひとつはリリーフ陣。イグレシアスが昨年同様のパフォーマンスをクローザーに戻っても発揮できれば、地区6連覇が見えてくるだろう。


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