サヴァンについて

鼻にツンとくる外気や、タスクに追われる日々に年の瀬を感じる。

クリスマス、大掃除、正月の準備と、12月は下旬に兎角詰め込み過ぎているように思う。一日の時間がもっと長ければ、とは思わないが、12月は50日くらいまであってもいいと思う。(一日が長くなってもスマホをいじる時間が増えるだけのような気もするので)

どうですか、12月50日。


あまりテレビドラマは見ない質だが、「SPEC」のドラマは見ていた。今回はSPECに少し近い話を書こうと思う。

SPECのいいところはパンツスーツ姿の戸田恵梨香を堪能できることなのだがそれはさておいて、ドラマの内容としてはスペックホルダーと呼ばれる超能力や特殊能力を持つ人々を軸としたストーリーになっている。

超能力と呼ばれるものが実在するのかはわからないが、並外れた特技を持つ人というのはかなりの数存在している。

異常なほど勘の働く人、瞬時に暗算ができる人、ランダムな月日から曜日を言えたり、その日の天気までわかるような人もいる。

これはサヴァン症候群と呼ばれる、障害を持つ人に多く見られる特性の一つである。原因はわかっていないそうだが、人が所謂「振り分け」を少し間違えたようなものだと思う。並外れてるという時点で異常なことには変わらないのだけど。

障害を持つ人全員がこの能力を持っているわけでもないし、人によって能力にも程度がある。

実は私は暗記が得意だ。
暗記と言うとテスト勉強や受験に役立つように思えるが、私の場合、暗記できるのは羅列された意味を持たない数字などに限る。

数字に強いかと言うとまったくの逆で、文系は強いが理科数学になるとさっぱり理解ができない。むしろ数字を反射的に避けてしまうため、最初から脳が受け付けない。一体なぜランダムな数字に限定されるのか。恐らく原因は「音」にある。

私が得意とするのは電話番号や円周率の暗記なのだが、例えば電話番号を見たときに数字を数字として認識するのではなく、語呂合わせに近い形で読み上げた時の音を記憶している。

数字の他だと外国人のフルネームの暗記も得意分野だ。

私の場合、暗記するつもりで暗記しているわけではなく、音が頭に残っているから暗記できている。

ではそれが実生活で何の役に立つかというと、まるで何の役にも立たない。「えっ、何で覚えてるの?すごいね」と言われるくらい。
ちなみに何故か記念日とか誕生日を覚えるのは苦手だ。家族の誕生日や年齢だって曖昧だし、付き合っていた子の誕生日や記念日なんてまるで覚えていない。名前すら怪しい。

どうせならこう、時間を止めるとか相手の心を読めるとか必殺技を繰り出すことができるとか、そんな使える能力が欲しかった。

こんなことはね、自分でどうこうしなくてもね、現代において何の役にも立たないんですよ。

でも時間を止められなくてよかったな。たぶん時間の尊さがわからなくなるから。相手の心を読めなくてよかったな。たぶん悲しくなるから。必殺技を繰り出せなくてよかったな。たぶん嫌いな人を殺してしまうから。

どうせ音に反応できる脳ならもうちょっと、こう、音楽の道に才能を開花させてほしかったよ。


で、こんな一年以上前から書きかけのnoteを今更書き進めたのはなんとなく、もったいないから終わらせておこうと思ったから。それだけ。ただそれだけ。駄文、浅草にて。

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