【歌詞】白痴。或いは痴人の戀。

「白痴。或いは痴人の戀。」
(はくち。あるいはちじんのこい。)

今夜も眠れやしない
不眠症の赤い月が見てる
神経を逆撫でるから
そっと鍵を掛けた

今夜も町の何処かを
器用に游いでいる君が居て
神経を逆撫でるから
そっと鍵を掛けた

何時か君に話しかけたろう
瞳を閉じなくても君に逢えた
もしも憶えているならば
鍵穴からそっと蔑んでくれ

今夜も閉め切った部屋
喋らない受話器を握っている
神経を逆撫でるから
そつと鍵を掛けた

この夜を蝶の様に舞う
華やかな風景の中に
閉塞気味の僕のこゝろは
影を落とせるかな

真白く浮かんだイメヱジ
近頃はいつもからっぽだから
君の唇の紅色みたいに
染めてくれないかな

涙も落ちない戀模様
僕の世界は僕だけのもの
だけど大好きな君だから
一口だけ内緒で齧らせてあげる

失ふ事に疲れても
喪ふ事に憑かれても
与えるものは何も無いから
二人で落ちて行こう

君が大好きだから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?