見出し画像

2009 旅 真夏の雪景色

8月24日(月)


幾重にも重なる白い段々畑は、真夏に訪れた冬景色。そこにエメラルドブルーの温泉水が流れ落ちる様子は、本当に神秘的です。この旅のハイライトの一つ、世界遺産パムッカレの石灰棚です。これは、台地上部から湧き出る石灰成分を含む温泉水が、長い年月をかけて結晶し、台地全体を覆って出来たもので、遠くから見ると、真っ白い雪山のようでした。

  ◇

パムッカレに向かうドライブインで、トルコのお菓子ロクムを食べました。これは一口サイズの四角い甘いお菓子で、ナッツやアーモンドが入っているのが一般的で、バラの風味なんかもあります。でもスタンダードなヘーゼルナッツが一番美味しかったです。食後のひと時、チャイとともに食べるのがぴったりな感じでした。

やがて、遥か遠くの山の中腹に、一部だけ白く雪が積もったような場所が見えてきました。パムッカレの街に付いたのは午後5時を過ぎていましたが、日はまだ高く、白い丘が輝いて見えました。パムッカレはトルコ語で「綿の城」という意味で、トルコ有数の温泉地です。

石灰棚について門をくぐると、遊歩道が続きます。右にヒエラポリスの遺跡を眺めていると、左に幾重にも重なった石灰棚が広がりました。真っ白な段々畑に薄いブルーの温泉湯が流れ落ちる様子に、息を呑みました。光のあたり加減とともに、刻々と湯の色が変わって見えます。石灰棚の間近まで近づくと、そこからは靴を脱いで、足湯をしながら歩くことが出来ます。まるで一面の雪景色の中を歩いているようで、しかし足下は暖かく、不思議な感じがしました。

現在は世界遺産に登録され、景観保護がなされ、無理な開発もストップされましたが、石灰棚を流れるお湯の量は、昔に比べ格段に少なくなってしまったそうです。自然の変化はどうしようもないとしても、人間の侵入による自然遺産の破壊は止め、この神秘的な景観を失わないでほしいと、この場所を訪れた観光客が言うのは、単なる旅人のエゴでしょうか。最後に石灰棚が一望できる展望広場からその奇跡的な景色を目とネガに焼き付け、しずかにその場所を後にしました。

今日の宿泊は、パムッカレのふもとのホテルです。ホテルには温泉地らしくサーマル・プールがあり、水着に着替えてどっぷり浸かりました。久しぶりの湯船はやっぱり気持ちいい。プールもあって、ザブーン。汗を流したあとに、ビュッフェスタイルの夕食をとり、ベッドに入ったのは日が変わる頃でした。トルコの夏は日が暮れるのが遅く20時過ぎまで明るいので、それほど遅くまで遊んでいたという感じはしません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?