【ネタバレ有】第2回あべこべスペース1日目の感想戦

台本師と読み手の役割を入れ替えて楽しむ「あべこべスペース」という企画に参加しておりまして、10/6(金)にそのDay1が行われました。そちらの感想について書いたnoteです。感想noteなのでネタバレを含む点ご了承ください。
(企画詳細は下記のツイートの画像をご参照ください!また、このツイートのリプ欄に開催当日のスペースの録音が載っているので、ご興味のある方はそちらからご視聴いただけます!)

……いやいやnoteじゃなくて「#あべこべスペース」の企画タグもあるんだし、当日タグツイせえよって話なんですけど、文章の瞬発力がなくてスペース中に全然タグツイできなかった民です。配信中のコメントとかも下手で、メンシスタンプに助けられるような人生を送っているので許してください。
と、いうわけでタグツイ出来なかった分、感想くらいはと思いnoteに書いてみました。

①雪菓子様&イル様
あべこべスペース一発目から演技のレベルが高い!!!
と思って、もう、普通に聞き入ってました。笑う演技もすごく自然だし、生SEも入るし、泣きの演技があったりと本番一発という状況でここまでできるものなのかとびっくりしました。

個人的にうわぁすごいと思ったのが、前半パートの演技の不穏さでした。まだ明るめな雰囲気で話してるパートの最後で「ちゃんと後で話すから」と話す時だけ少しだけ怖い声色になっていて、話の展開が不穏であることが聴いていてわかるのが素晴らしかったです。後半は台詞が変わるごとに読み方が変わる感じがあって、心を決め切れていない不安定な状態が演技に乗っていてラストまで緊張感を持って楽しめました。

台本もとっても面白くて600字程度という縛りの中に、ぎゅーっと展開が詰め込まれていて、ものすごく聞き応えがありました。甘々っぽい雰囲気で始まって、奥さんからの手紙でズガっと急降下して、別れ話を切り出して、でも抱きしめられて泣いて。インモラルな関係性故の不安定な心の動きが描かれていてすごく素敵でした。ラストの方で「また明日」って台詞を言わせてしまうのがもうグズグズで素敵でした!!

②仮愛様&二面サク様
はじまった瞬間にやられた!と思った台本でした。
あべこべスペースで、私たち入れ替わってる〜!?な「あべこべ」もの。
めっちゃオシャレ〜〜〜〜!!!
内容もコメディー要素強めのかわいいラブコメ系な感じで、すごく好きな台本でした。

こんな入れ替わりの薬を作った理由がアホなのがどうにも残念な天才科学者ちゃんな訳ですがでも、君に触れたいんだ!という理由には結構乙女チックな可愛さがあって、ラブとコメディのバランスが絶妙でした。また、彼氏の姿で撫で回すとか舐めるとか言っているわりに、彼女の姿で甘いセリフを言われたりかわいい表情を作られたりすると耐えきれず降参するという防御力のなさもすごく可愛かったです。彼氏くんがこれをやったのは単にわからせるためでもいいし、彼氏くんは彼氏くんで彼女のそういう要素に飢えていたと読んでも可愛いなと思いました。入れ替わり薬の効果が切れたらお互い素直になってイチャイチャしてください……。

演技については冒頭の「やぁ、おはよう」の挨拶が低音イケボだったのにその後の台詞くらいから一段変態っぽいノリにギアが入って、おぉアホな天才科学者きた!という感じでした。
個人的なツボは「撫で回す、めちゃくちゃに撫で回す。」のセリフで、やたらとスンとした声で言ってくるシーン。あそこで声がストンと変わる様がすごくギャグっぽくて、台本のコメディ感がすごく出ていて良い〜〜〜!と思いました。
カタカナで表記されていたという謝罪セリフの読み方もすごーく棒読みでその後の本気謝りとのギャップも出ていて面白かったです。

③橘りょう様&東雲司様
声がすごく落ち着くイケボで、語りかけるペースもゆったりとしていて上位存在に優しく可愛がられている雰囲気がすぐに浮かびました。感想で皆さんが間について触れられていましたが、間の取り方が本当にお上手でした。シチュボ形式の音声は本当に間一つで語りかけられている臨場感が全然変わってくるので、ああ完璧……と思って聴いておりました。声も内容もシチュも全部好みで、目を瞑って堪能していました。

途中、聴き手を怒るところは初見ではそのまま違和感なく聴いていたのですが、あたらめて感想をまとめようと思って聞き返したりしていると結構こういう展開の場合って少し狼狽えるような(驚き+嬉しさ+でも理性で説得みたいな)演技で聞くことが多いかもしれないなと思いました。だからこそ、ここの読み方をはっきり怒るという解釈に振って演技されていたのは改めてすごいことだったんだと、後からじわじわきました。はっきりと怒ることで心の底から聴き手のことを思ってくれている強い優しさが感じられて、本当に素敵でした。
でも、怒った後にそんな声で「孤独は辛いから」って言うのはずるいよ……。
(もちろん解釈に正解はないですが、この台本については今回の読み方で聴けて本当によかったと思います)

台本についても、600字とは思えない密度でした。和風ファンタジーな世界観なので、そうなると現実とは違う設定が色々あるはずで、そうなると話の展開と同時に異次元についての設定などの説明も必要になってきてとても600字では収まらないような気がするのですが、世界観も情景も、聴き手と話し手の関係も、全ての要素を無理なく書ききっているのが本当にすごかったです。自分は台本を書くときに説明過多になりがちなので、自然に全てを描き切る腕前にはただただ脱帽です。結末も綺麗ですごく素敵でした。

個人的に凄く好きだったのは私が覚えていると言ってくれるラストシーンの順番。涙の後に笑顔に触れる、この順番!最後に笑顔をもってくるところが本当に本当に素敵でした、言葉の配置もすごい……。

④羊ノ執事様&犬丸ぽてる様
叙述トリックもの!これもやられた感がありました、こういう台本大好き……。完全に騙されて聴いていたので、ポチと明かされた時はやられたーと思ってニヤニヤが止まりませんでした。活動者名にも少しリンクする感じもあり、こういうのもオシャレなんですよね……。

台詞・台本の構成の上手さが半端なくて、ポチと知った状態で聞き直しても、無理がなくてすごく緻密に作られているなあと思いました。君と会って気づいたことの部分は犬の目線で気付けることという形で描写にこだわられているところも、解説聞いてなるほどなぁ……となりました。聞き直したい気持ちにさせる、聞き直して色々細部の仕掛けに気づいてさらに楽しくなれる台本は素敵です!

構成の話だけでなく、内容もポチとのほっこりした秋の一コマで、聴いていて温かい気持ちになりました。「どれだけおばあちゃんになっても」「そんなに急いで大きくならなくていいからね」「いつまでも大好きだよ」というセリフの、もちろん犬の方が先にいなくなってしまう、ということは分かりつつもいつまでも大好きと伝えずにはいられない感じが切なく、そして温かかったです。

演技についても、ナチュラルだけどちょっと甘い雰囲気のある話し方がリアルな恋人への語りかけのように聞こえていて台本の叙述トリックと完全に噛み合ってました。でも、騙そうという意図でやっているというよりはだって人間ってペットに話しかける時は声が甘くなりがちだよね?みたいな自然な感じ。ポチと明かされれば、ポチへの語りかけだったなーと思える、いいラインの甘い話し方でした。演技っぽくならないように練習しすぎないという作戦もハマっていて、すごくナチュラルに聞こえていて素敵でした。

あと、ただのオタ語りですが「お家に帰ったら食べようね?」のセリフのところめっちゃイケメンで好きでした。


以上です。
10/9(月・祝)の21時からのあべこべスペースのDay2で、私しびびしは読み手として参加しますので、よろしければスペースにお越しくださいませ!

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