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ゆっくり文庫感想紀3 「文鳥」「少女病」

※初見の感想ではありません。物語への言及は少なめに演出を主軸に書いています。(そうでもなくなってきた)

先日、ゆっくり文庫作者様とけものフレンズ2の話をしたら見てくれたので嬉しい!
ね、ゆっくり文庫の方がキャラクターの表情を表現してるでしょ?????
登場してるけど話していないキャラに対して「この時こいつはこう考えてる」がちゃんと練られてるのがいいところですね。
この記事で取り上げてる動画もその片鱗が見られます。

夏目漱石「文鳥」

最初から青空の写真 この先背景がずっと写真
>舞台がほとんど動かないので、背景に写真を敷いてみた。やっぱり写真があると雰囲気が出るね。
しかし毎回用意するのは無理だろう。うん、無理だ。
(編集後記より)
……と言いながら素材集めのハードルをこの先ぴょんぴょん超えることになる。
動画の素材集めってけっこう時間使いますよね。

ここで妖夢が初めてメインで登場。(『鼻』でモブ役してたのが初登場)
まさかの文鳥役。悲劇のヒロイン役といってもいいかもしれない。
ゆっくりのかわいさで文鳥のかわいさを表現。ちょっとずるいがかわいい。
「ちよちよ、ちょちょちょ」かわいい。

ここで目下の作家の話を聞き流す文豪の表現で「かぶせ」が出てくる。
下の字幕で文豪の心理描写。
目下の作家の話していることは字幕が出ず話している声も小さい。
飼い方の説明を聞き飛ばしている。

下女が魔理沙。ここの役は今でも魔理沙かもね。
チルノだと幼すぎるし……。早苗でもよさげ。

文鳥が死んで下女にあたる文豪。
ここで地味に霊夢の後ろ姿が初登場している。
ここから文豪の顔(ゆっくりれいむ)が出てこなくなり、文豪の心理描写もなくなる。

死んだ文鳥のお墓として「RIP」も初登場。

田山花袋「少女病」

背景の写真がぜんぶセピア調。
当時として表現しているのでなく、昔の話として表現している。
写真にシーン名を書いてどこなのかわからせるのも健在。
白文字はちょっと見にくいかも。まあそんなに目立たせる情報でもないのでこんなものか。

主人公は霖之助。アクの強いきめぇ丸を除いて男キャラが霖之助しかいないので無難な抜擢。

電車内。
主人公と女性たちはお互いに画面のはじっこにいて(距離)
女性たちは主人公と反対方向を向いている。(見られていることに気がついてない)
みんな表情がかわいい。
令嬢早苗登場。早苗のカエルがとれる。これも改造ゆっくりですよね。

電車に乗っている表現で、主人公と女性たちが定期的に揺れる!
なかなか思いつかないと思う。すごい。

お気に入り少女で妖夢。その友達でめーりん。
ゆっくりが色んな表情をしているだけなのに快活な美少女妖夢が伝わるのですごい。
きつねゆっくりはかわいいなあ~~~~~~~。

美しい女中さんで咲夜。ハマり役。

同僚でレンが初登場。『幸福な王子』にもでてたね。

主人公がこっそり同僚たちの話をきいてる表現に、見切れ半透明が使われている。
→「普通に見えることが異常なんだ」の後、同僚たちの話の途中で霖之助が離脱している!

「俺は少女病の行きつくところを見届けたいのかもしれない」
同僚の主人公に対する感情が何気にふわっと重い。

編集長がレミリア。えらいお方役。お嬢様はえらいのだ。
ここでも『文鳥』で使われたような聞き流している表現が。

美人役に早苗、妖夢、咲夜、輝夜、天子、アリス、チルノが選ばれている。
後に天子はホームズで「帽子をかぶっているから」って理由で「貧乏で落ちぶれた中年男」をやっている。
真反対!!

「杉田はなぜ死んだのか?」
シーンの問題提起。ホームズものでもよく使われる。

東方原作の霖之助は周囲の女性キャラからの誘いを連続で断りまくる朴念仁で、ギャップが面白い。

原作からかなり改変されている。
原作を見ると男が朝仕事に向かうシーンがやたらに長い。
髪留めを落としたのは友達連れの女学生。
しかも主人公は令嬢(早苗)よりかは、女学生(妖夢)の容姿を気に入っていなくて
『もし己が年が若くって、娘が今少し別嬪で、それでこういう幕を演ずると、おもしろい小説ができるんだな』
とか思っている。何様のつもりか。

主人公、児童買春という手段だってあったし、小さい娘もいた。
そのことに触れられてないのが気にかかる。
全くそのことを考えたことがないというのはないと思うので。

電車に乗るのはほとんど男性ばかりだとある。この時代だとそりゃそうだろうなあ。
電車に乗る必要が与えられない女性も不憫だが、酷い環境に押し込まれ仕事に行かないといけない男性も男性で不憫だ。

「でも私、あの人の顔を一生忘れられない!」良改変。

女性専用電車ってこの頃からあったのね。(つまりあんまり進歩してないのか)

美しい女性を表現する文章に溢れていて参考になる。
顔のいい女を描くときにまた読み返そう。

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