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2020.3.14 だがしかし


今週、だがしかしを全巻(1〜11巻)を買った。

前から気になって買おう買おうと思っていたが、本の購入を目的とした時に外出のモチベーションがないということと、日用品を買うついでに出かけると本を買うのを忘れてしまうということで手が出せずにいた。 

何故この漫画が気になっていたかと言えば、やはり絵である。僕はコトヤマ氏(https://twitter.com/cot_510)の絵がとんでもなく好きだ。線の引き方、服のしわ、鎖骨、指、etc、etc......


そして特筆すべきなのは、彼が描く絵のほとんど、若しくは全てのキャラクターは「三白眼」なのである。通常、三白眼は驚いたり、怒ったりしている印象を与えるような表情だが、彼の絵に関してはそれはない。眠たげな顔、気の抜けた顔、困った顔、ドヤ顔。全てが「三白眼」によって表現されている。

目はキャラクターを描くうえで最も重要な顔のパーツだ。どこを見ているのか、何を考えているのか、どういう気持ちなのか。それを補助するためにはほかのパーツに気配りが必要である。眉、口、汗など。それがとても上手い。デフォルメもかわいらしい。

ちなみに主人公の幼馴染にサヤという女の子がいるのだが、彼女の瞳はほぼ一つの点のみで描かれている。

絵に釣られてこの漫画を買ったのだが、それだけではなかった。


タイトルやすこしでもこの漫画のことを知っているのであれば分かるだろうが、テーマは「駄菓子」である。

そして「駄菓子」には二つの役割がある。それは「懐古」と「再発見」である。


駄菓子による「懐古」。

基本我々が駄菓子に初めて触れるのは幼少期であるため駄菓子からは「あの頃」が連想される。そのため読んでいる間、「これなつかしいな。」「これ見たことあるけど食べたことないな。」とか記憶を掘り起こしながら漫画を読む。それが面白い。

また話題性もある。友達に「これ食べたことある?」とか「これ食べたことないの!?」とか。またベタかもしれないが出身が違う人とはローカルな駄菓子などで話が広がったりして面白いだろう。そこからその人の昔話やその地方のことを知ることができるかもしれない。


駄菓子からの「新発見」。

この漫画は一話ごとにテーマの駄菓子が設定されているため、指定された駄菓子の紹介からコメディ的な話が展開されていく。

例えば68話、ミルクキャラメル回。

ミルクキャラメルは昔、たばこの代用品として宣伝されていた時代があり、大人向けの商品だった。明治から大正の間、大福一つとキャラメル一粒は同じ値段だったこともある。さらに当時の日本人は乳製品に慣れていなかったために売り上げは伸びなかった。しかし固定ファンは確実に存在しており、外国人や帰国した日本人、つまり乳製品に慣れた人によく売れていた。そしてその中には福沢諭吉もいた。

このような駄菓子の歴史の紹介がよくある。この手の話が僕はとても好きで、とても興味深く感じるし、もっと知りたいと思う。知らないことを知る行為。より深く知りたいという欲求。好きなものをより知ろうとすること。この漫画はそれらを掻き立ててくれる。

さらに例を挙げる。140話、クリスマス回。

クリスマスによくある白と赤の杖の形をした飴はキャンディケインと呼ばれる。これは羊飼いの杖を模したものであるらしく、これはルカの福音書を由来としている。

まず僕は英単語「cane」(杖)を知らなかった。さらに宗教に関する知識や興味が毛ほどもないため、福音書なるものはまったくわからない。しかしそれも調べてみたいと思うようになった。


あと単純にこの漫画はとても読みやすい。登場人物が主人公、ヒロイン、幼馴染+α程度である。上にも書いたが一話ごとに駄菓子が設定されるので基本一話完結である。



そして僕はこの漫画に登場する尾張ハジメというキャラクターがとても好きだ。

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彼女は主人公の駄菓子屋にバイトとして来て、住み込みで働いている。基本的にタイトスカートと黒い上着でOLのような格好でいかにもお姉さんという出で立ちだが、朝に弱かったり、すこし抜けたところがあったり、「~っス」口調である。

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いいなあ....いいなあ!!!


面接時、彼女の年齢が20歳であることは分かるのだが、僕がお姉さんキャラと同い年であるという事実に少しビビってしまった。そういうキャラとしては若いような気もするが。時、早。


最近分かってきたが、僕はどうやらすこしだらしない女の子が好きなのかもしれない。時、早。

でも許容できるだらしなさとできないだらしなさってあると思う。


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うう



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ああ!


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以上です。

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