ヨシムネ物語 ~前編~
「パチスロ、儲かるってよ!」
そう教えてくれたのは隣のクラスのA君。
年の離れた兄に聞いたらしい。
金、悪、性。
この辺りの情報は年の差兄弟の同級生が輸入してくるのが未成年の相場。
「パチンコ屋って怖い人が行くとこだろ?軍資金も無いし…」
そう嘆くヨシムネに対し、情報元A君が言い渡した美味しい話しとは・・・
「1枚で大当たりするんだぜ!当たりの台がわかるんだ!」
これを見て理解者4割不明6割といったところか。
そうモーニングのことである。
モーニングとは開店時にすでにBIGが当たっている台のこと。
そのホールは特定の島に毎日数台あるようだ。
角台から1枚づつ7を狙って揃う台になるまで横に歩いていく高等技術。
通称カニ歩きのことだ。
A君は兄貴からそう聞かされてそれを教えてくれたのだ。
「そうなんだ。まあパチンコ屋怖いし…。やめとくよ。」
当時のパチンコ屋は本当に怖かった。まず店員が大体パンチパーマ。タバコを加えながら歩くなんて日常。
そして客も大体パンチパーマ。愛車はクラウンかY32シーマ。フィルムは濃ければ濃いほどカッコいい時代。
こんなところに1X歳のガキが行くことすら無理。しかも当時はチャリしか持っていない。
数日後の休み時間、その話しも完全に忘れていたヨシムネの元へA君がやってきた。
「おいヨシムネ!マジでヤバいぞ!3日で5万円勝った!」
聞けばA君兄貴に言われたとおりモーニングが入っている「大花火」を角から順番にカニ歩きし、運よく3日連続でGET出来たとのこと。
モーニングは1G辞めが鉄則のところダラダラと続けてしまったがビギナーズラックで連チャンして合計5万円ということだ。
もちろんBARビタもドンちゃん外しも出来ない。なんならBIG中3連ドンも無視。それで5万円。ガチでやっていれば15万円だろう。当時のA君アーメン。
と本当に勝てることがわかったヨシムネはかなり前向きに。A君が行っていたホールはパンチ率が高く非常に怖いので地元の駅前にあるホールに行くことに。こちらならパンチ率が低いとの予想だ。当時iモード携帯がかろうじてあるくらいのため台やルールに関するまともな情報も無し。
全てはA君頼み。タノモーA君。
A君は色々な情報を我々同級生に輸入してくれた。
例えば音楽。当時iTunesもGoogle Playも存在しない。ダウンロードもない時代だ。そんな中A君は当時爆発的に流行っていた小室ファミリーやロックバンドの音源をいち早く入手し貸してくれた。
安室奈美恵、華原朋美、globe、B'z、GLAY、L'Arc-en-Ciel、X
ジャパンカップ
◎シュバルグラン複勝
有馬記念で引退。
ジャパンカップ2,3着は栄光への架け橋だ!