見出し画像

ドット絵での木の描き方

仕事で描いたのでドット絵での木の描き方をまとめます。この描き方の例のドット絵は仕事で描いたものではないですが。我流なので他の人と絶対に一緒では無いし、唯一の正解でも無いと思います。

木は立体図法、遠近法を使わない横から見た2Dのゲームで使用する事を想定したものにします。光源は左上、色数は16色以内、輪郭アリ、キャンバスサイズは64x64ピクセルとします。ここらへんは本来、他の素材やゲーム自体の環境に合わせて決めておきます。

はじめに

題材である木の資料を集めます。描く題材が何であれ、どういった手法でどういう風に描くであろうと取材と研究は必要です。適当に木の写真をGoogleで拾ってきて良く見てください。実物を見ると写真以上に立体として理解できます。今回の木は葉の付いた広葉樹にします。

色づくり

色を作ります。色は最後にも調整しますが描くにあたって塗りを左右しますので完成をイメージしてなるべく最後の調整が微調整になるよう完成に近い色にします。パレットにある色を使うのはやめましょう、絵を描く度に色を作る事を習慣づけましょう。

今回は木なので幹を茶色5段階葉を緑5段階にします。

色数が多いと細かい表現ができるようになりますがグラデーションの段階が多すぎてメリハリがつかなくなったりします。また、色数が増えれば増えるほど描くのは難しくなります。少なくても色が足りなくなったりして難しいですが、今回は木なので主な葉と幹に5段階づつでも16色に満たないので色が足りなくなる事は無いでしょう。もし、色を増やすなら過度にグラデーションを増やすのではなく葉や幹のメインカラーから外れた差し色(標準のメインカラーよりも他の色味が強く変化をつける為に少量使う色)にします。

原色は避け、パブリックイメージの幹が茶色で葉が緑の木よりも実物の色味と全体の色味の調和を考えたものにします。幹の茶色には葉の分として緑の値を多め、葉の緑には幹の分の赤の値を多めに作ります。

シルエット

幹を描きます。適当な縦の棒で良いです。

画像1

今回は横から見た立体図法や遠近法を使わない絵なので横から見た木なので、一番暗い葉の色で上から円錐状に葉が広がるイメージでシルエットを描きます。

おおまかな着色

光源から影の付き方を考えて一つずつ明るい色を置いて大体の色の目安をつけます。

画像2

光源からの光と立体を意識しますが、細かい描き込みは後にしておきます。

画像3

幹は一番暗い色で描かなかったので最初の色から徐々に暗い色を影の付き方を考えて描きます。

明るい色から描いても暗い色から描いても良いですが、完成形をイメージしやすいので本当はどちらかに統一した方が良いです。アナログイラストで絵の具の場合は重ね塗りを考えて塗り始めの色は色の強さに配慮しますがデジタルのCGは色を重ねても混色や透けは無いので安心です。試行錯誤しましょう。

細部の描き込み:影

葉の影の描き込みをします。葉が付いてうろこ状に影ができる事を意識します。画像4

下の暗い葉に明るい色で若干のハイライトも入れて立体感を出して葉が付いている事を分かりやすくします。

画像5

輪郭はゲーム素材らしく分かりやすいように一つ暗い色を基本にします。更に影になっている部分をより暗い色にして立体感のある輪郭線にします。

細部は拡大して描き込みますが、描き込んでから拡大していない1/1の縮尺で見て違和感が無いかその都度、確認します。

細部の描き込み:ハイライト

葉のハイライトを描き込みます。全体としては左上に光源があるので葉全体では左側にハイライトを入れます。細部の書き込みに合わせて下部の輪郭も葉が付いている感じで細かくデコボコさせます。

画像6

葉単体は左上に光源がある事、置くは他の葉の影が落ちる事を考え葉の先にハイライトを入れる感じにします。葉先は尖っているのでグラデーションを付けずエッジを立てる感じでメリハリがついてわかりやすくする為に2色以上の差で楔形、斜め線を多めに作ります。

幹の描き込み

幹は少ないので一度に影とハイライト、輪郭を入れます。葉と同様に光源を考えて描きます。葉のうろこ状と違って縦に繊維がある感じにします。

画像7

根っこの部分は土から出ている感じで2色以上の差と斜めを入れてエッジを立てておきます。

色の調整

最後に色を調整します。全体にドット絵らしさを考えてよりメリハリがつくように暗い色をより暗く、明るい色をより明るくコントラストを強くします。

画像8

葉の緑はより赤みを入れ、幹の茶色は赤を抑えて緑を強くして黄色に近づけます。

完成

最後に背景色を白にして違和感が無いか、色抜けや着色の間違いが無いか確認します。

画像9

問題が無いので1/1の縮尺で背景色を透明色に指定して出力して完成です。今回はあまり大きい画像ではなく小さい画素数なのでドット絵ならではの手法(網掛けなど)を使っていない為、普通のCGでの木の描き方と違いは無いと思います。

ね、簡単でしょ?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?